荒木不二洋 "量子場の数理(第2版)" 岩波書店 (1996)
岩波講座現代の物理学21。なぜ湧源クラブ員でもない私が荒木さんの講義録を作成するのだろうか。
以下聞いたことがあるだけの言葉を並べる。
- この本に紹介されている業績によると、カイラルCFTの分類と III1 因子環とその(ある条件を満たす)部分環の組の分類は1対1に対応する。
- 一方ユニタリCFTの可能な中心荷電の分類の結果と可能な Jones index の分類の結果は良く似ている。
- よって III1 型の subfactor theory が展開できる筈である。(すでになされている?)
今日は学校で西田に会って連れられて湧源クラブの人と夕食。西田君がさびしがりやさんであったことを発見した。
最近はまっているローレンツ模型. ←のページではリアルタイムに JavaScript で計算して図示する。いわゆるカオスの始まりになった微分方程式だけど、←のページではパッと判らないが、この gif を見ればわかるように非常に薄いところに吸い込まれるのである。(横がx, 縦がz, 奥行きは色。y=0で切って y>0 の方向を見たもの)
問題は
- どの程度薄いか?2次元なのだろうか?
- x が10を超えたあたりでは y=const. で切ると非常に直線だが、これはなぜか?
さとるさんとこの(アメリカへ)旅立ってしまった勝良さんへの話を、荒木先生の近くで高校生の人としゃべっていたら荒木さん「簡単ですよ、弦が直交する条件はあいたいする円弧が合計180度ということだから、cos がすぐに消えて、4になる。」とおっしゃったので僕は唖然とした。
昨日は湧源クラブ東京主催?の荒木先生の御話があったので聞きに行ってきた。教科書を読んでいるだけでは駄目だ。どなたか先生に課題を貰ってやってみなさい、といわれた。
荒木さんの父も物理学者だったそうで、大学3年の頃に父が自分のところの院生か助手かにヘリウムのエネルギー状態へのQEDによる補正をさせたところ出来ないという話を聞いたので僕できますよとすぐに解いて論文にしたという自慢話も聞いた。
「下で書いたBellの不等式の説明はあまりに粗雑で思考実験の中での最重要ポイント(すぐ下で説明)を抜かしている」とのご指摘をとある物理学者から頂きました。全くその通りなので、補足します。
測定する前には、一つの粒子の x と yのどちらを測定する自由も 多分われわれにはある。 この思考実験において測定の1回は
- まず3つの粒子を指定された状態におき、
- そこでそれぞれの粒子に対しxかyかを選んで測定を一度ずつ行う
なんと、 他の2つのスピンを適切に測れば確実に3つ目のスピンを知りうるということらしい。 しかし、 3つの測定器が充分に離れておれば、ほかの2つのスピンの測定が 3つ目の測定結果を決めたと考えるのは不自然だ。 むしろ、3つ目の測定器に飛んできた粒子自身が、 (一つ目の測定で状態を乱してしまうかもしれないから その粒子に対して x と y の双方を測定することは 出来ないので、次の想定は直接検証することは出来ないが、)すると…(前の記事に続く)もし「一回」 x もしくは y の「どちらかのみ」が測られた場合に、 「x に対して」および「y に対して」どのような結果を出すかという情報を運んでいると考えたほうが自然であろう。 とすると、サンプルを用意した段階で、そのサンプルに x1,y1,x2,y2,x3,y3という数値を割り振ることが心の中で出来るだろう。
S. Coleman "Quantum sine-Gordon equation as the massive Thirring model" Phys. Rev. D 11, 2088 (1975)
sine-Gordon については詳しく書いてあるが Thirring model は他の本を参照しているのでそっちを読まんといかん。
「オシログラフの波形としてしか見ない無粋な人間と評すこと」を「ひどい扱い」と言うのは、ま、そりゃそうなんだろーが、「としてしか見ない無粋な」ということばがなければ誉め言葉であるこの言明について、そういう違和感を表明せずに、これが文句なく面罵の表現であることに同意されてしまうと、なんだかなーと思うのであった。
最近あまりにも vivid な夢を見るので楽しいような気持ち悪いような。
Coleman の議論を真似して2次元連続古典統計力学系の場合を証明した、ような気が数分前した。それがあっているのであれまちがっているのであれ頭が空っぽになったのでやっと寝られる。
Feynman-Hibbs 問題2-6(2次元のDirac 粒子をジグザグの経路積分で出す奴)は現在の視点から見れば massless のまわりに質量項を摂動として展開したのだと判るが、Feynman がどうやってあれを思いついたのか不明だ。
今日は 1am から起きているのでもう寝ます。
今日は図書館に浸っていたけれど、あと一つ書いておくとすると FORTRAN77 と Fortran90 の解説書をほぼはじめて読んだ。FORTRAN77 がいかに絶望的かを知った。ポインタもなければ構造体もない! C が世に出たとき機械語のひとつひとつに直接対応した機能を備えているというのが売り文句の一つであった意味をすこしよく理解したような気がする。
S. Coleman "There are no Goldstone Bosons in Two Dimensions" Comm. Math. Phys. 31, 259 (1973)
Coleman の書き口の軽妙さよ。導入3ページ本題1ページ注釈1ページで非常に明解だけれど
- Minkowski 1+1 dimensional の場合のみの証明であること(2-d Lorentz 群の性質をバリバリ使っている。)
- Wightman 関数が tempered distribution なるべし、というのにはどの程度物理的理由があるか
構内を自転車で走っていると前から T嬢 が歩いてきたのだが向こうはコピーした論文を読んでいて全然気づかなかった。
服部哲弥 "「 2041年くりこみ群の研究 」 " 統計数理研究所リポート 48, 139 (1993)
んな雑誌は物理図書館にないので困ったが、著者のホームページにはっつけてあるのを発見。
昨日は本郷からの帰りに自転車をこぐのが面倒になったので総合図書館前あたりで自転車を乗り捨てて空を飛んで帰ってきた。街の空ではいつも、あがるときおりるときに電線にひっかからないか心配になる。はやく皆地下に埋めてしまえば良いのに。
という夢を見た。
昨日(20日)ピアノを弾きに夕方6時頃旧白山通りを自転車ですすんでいると大学1年の時同級だったNさんがスーパーから出てくるのに出会った。
↓のリンク先の話。「論理が整理できていないでは何も出来ない」というが Bell の不等式のどこに整理が足りないのだ。どこがあいまいなのだ。
あまり関係無いが。前も書いたかもしれない。「決定論は不可能だと言われているけれど僕はこう思う」「Aだといわれているがそれはこういうせいだと思う」式の議論は読んでいて/聞いていて非常に困る。なぜならえてして「世間で言われている」ところの前提Aは私には承諾できず、かつ私には「世間で言われている」ということも承諾できないからだ。そうなると私は話の腰を折ってAに関する議論をせざるを得なくなって、向こうも当惑するのである。相手が頑固だと(たとえば僕の貰っている奨学金のところの理事長)こちらが前提Aを問題にしていることを理解してくれなかったりする。こうなるとどうしようもない。
私も昔はこのタイプの議論をよくした。しかしようよう認識した。このタイプの議論をはじめたくなるのは(世間は兎も角)自分に前提Aという思い込みがあるからだ。するとまずその根拠を問うことからはじめねばならぬ。
Bell の不等式の改良版で確率を差し挟まないのがあるので紹介しておこう。 3つのスピン1/2の系を用意して状態ベクトル
|+++> - |--->を考える。これはx1 y2 y3, y1 x2 y3, y1 y2 x3の +1 の固有状態で、 x1 x2 x3 の -1 の固有状態である。(x1は1つめの粒子に作用するσx, etc.)
すなわちこの状態で x1 と y2 と y3 を測定すると必ずその積は -1 になる、etc.
さて交換しない演算子は同時に観測できないとはいえ、
もしそれを観測すればどうなるかというのは現在の我々には予測できないけれど ともかく定まっていると仮定しよう。するとあるサンプルにたいして x1, y1, x2, y2, x3, y3 をそれぞれ ±1 として定められる。 しかし
(x1 y2 y3)(y1 x2 y3)(y1 y2 x3) = x1 x2 x3なのでこれは矛盾である(1 = -1 になる)。
レポートのためプログラムを書いていて0で初期化された100要素の配列を作ろうとして
vector<int> a(100,0);がコンパイルエラーになると知った。g++ のバグかとおもって手元の draft standard をみるとこれが正しい動作のようだ。 0 と 100 の型が双方とも int なので member template constructor の template<class InputIterator> vector(InputIterator b,InputIterator e) が overload 解決の際最適とみなされてしまい、とうぜん int は input iterator requirements を満たさないからエラー。それを避けるため
vector<int> a((size_t)100,0);とするのが多分正解。(sizet は何bitかしらんがとにかく unsigned なんとかのはずだから int にはなり得ない。)
最近涼しくて良い。つくつくぼーしが鳴いていた。
Calculating the primes by lazy evaluation in C++
最近ちょっとプログラム気分なので多分高校2年のときに一度やろうと思って挫折したのをやってみた。 template でちょっと非文を書くと cc1plus がすぐ core を吐いて死ぬので面白かった。g++ では動くけれど、ほかでどうかは自信なし。
J. Glimm and A. Jaffe "Quantum Physics -- A Functional Integral Point of View" Springer (1981)
ほんのちょっと Hilbert 空間がいるのにそのほんのちょっとを知らないので読めないのでくやしい。
岡村くんのページが学外に移動していたことにいまさらながら気づく。日記が活気にあふれているので羨ましい。数学をきちんとやっているのがわかる。僕は最近数学的に厳密な論理を追うのはやめてしまったので…
昨日から頭痛がして困った。別段熱があるわけでもなし、原因不明なので余計に困る。いまはおさまっている。
敗戦記念日なのでひとこと。日本の軍人が中国大陸で悪いことをやったというのは事実だと僕は信じる。直接自分は悪いことをやったという人に話を聞いたわけではないが、直接話を聞いた人(うちの祖母、もう死んでしまった中学のときの恩師)から聞いたので。
日本において、過去に誇りを持ち戦争を美化し日本が「普通の国」であるべきことを主張する人々とたとえば南京でのひどいことを否定する傾向のある人々に重なりがあるのには疑問を感じざるを得ない。
B. Russel "西洋哲学史(下)" みすず書房 (昭和31年)
こんなもの読んでいるのではなく、レポートを書かなければ。
レポートで LaTeX に C++ のソースを貼りこむ羽目になったので各種言語のソースを LaTeX に整形する lgrind を CTAN からぺちってきてインストール。
CTAN のミラーは日本にもあるが。はじめ理研のミラーに行って CTAN のディレクトリに入ると案内に「ディレクトリ名の後ろに .zip とか .tar.gz をつけて get すると自動で圧縮して転送する」とあるので何度もやってみるがさっぱり駄目。そこでイギリスの本家に行くとうまくいったので、どうやらディレクトリ内容案内までも単純にミラーしているだけだったらしい。困ったものだ。
あと整形結果が無意味に \usepackage{german} するのでそのままでは TeX が通らない人も多いのでは。これは lgrindef をいじって解決。
対応言語に僕の知らないのが沢山。ただ perl は対応 version が古かったりとかいろいろ。組み版はとても綺麗なのでおすすめです。
2次元のポアソン方程式 △φ=ρを数値的に掃き出しで解くにあたって △=(∂x+i∂y)(∂x-i∂y) から掃き出した形が explicit に判らないかとやってみたがうまくいかない。
京都の丸岡の家を経由して東京に帰ってきた。物理の Y さんに紹介された。 今日は院試の面接で、「僕が試問を受けている間君は超人ロックを読んでいてくれ」とのこと。 「何をやりたいのか」と聞かれ「低次元トポロジー、knot などを」と答えたら「ではなぜ京大にしたのか。その方面の先生なら何々大学に…」と言われて絶句したとか。来年私も気をつけよう。場の理論のさまざまな側面をやりたいのだが、どこがいいんでしょうねえ。まだ茫漠としているが、これ以上学部生に絞れといっても。
丸岡宅にランダウ「統計物理学」下巻があったので長期借用する。
また数理研の院試も受けるそうで過去問を見せてもらった。
- とても長い堅い棒(男性的物理!)を根元で持って傾けたとき棒のどこで折れるか。というのと
- 古典物理では磁石はできないことを論ぜよ。
区間 [-π/2, π/2] でポテンシャル a2(tan x)2 に従う粒子の固有エネルギーを求めよというのもあった。誘導つきだけど。
富田林の市立図書館で UFO 屋さんの矢追さんの「烏の死体はなぜ見当たらないか」とかいうアホな本(雄鶏社)があって、「野生動物は死んだ瞬間に消滅するのだ」「素粒子だって生成消滅するのだから野生動物が消滅することもありえる」「このように自由な見方を出来る人には UFO だって見える」とあった。
Peskin&Schroeder は誤植が多い。でも真面目に読んだ本はあまりないから比較してどうなのかはわからんなあ。
今日一家で近くのサンマルクという洋食屋チェーンに行ったところ小学校で同級だった U がコック帽を被って皿を運んできたのでびっくりした。小学校の頃、彼は正義の味方で、ぼくはしばしばけんかしていたなあとふと思い返した。別にぼくが悪いことを沢山していたわけではないと思うのだけれど。
Convention に依らないものに対しては繰り込みの結果が正則化によらないというのは物理の視点では至極もっともだが数学的には不思議なことだ。追求に値すると思う。
D.R. Musser & A. Saini "STL Tutorial and Reference Guide" Addison-Wesley (1995)
STLの本だが、古い(コンピュータの世界の速いことよ!)ので
- サンプルが標準に従っていない
- 当時はコンパイラのテンプレート対応度が低かったのでそのための汚いコードがある。
B. Stroustrup "Design and Evolution of C++" Addison-Wesley (1994)
建て替えのため借り住まい中の実家のダンボールの中から掘り出した。はじめて買った洋書だと思う。C++ 開発者自身のお話。標準化作業の裏話とか。おもしろいですよ。Stroustrup さんのページも見ると面白い。
今日はPL花火。宗教団体主催なのが困り者だが、しかし資金の潤沢なためかとても素晴らしい。打ち上げ地点が実家の 1km 以内なので見たい人は僕に言ってください。考慮します。