昨日の夕方は畑にとうもろこしを取りに行った帰りに山のほうでにわか雨があって、とても鮮やかな虹が見えた。副虹までくっきりと。
Peskin&Schroeder Problem 3.5 が (a) で一箇所符号まちがっているような。かつ (c) がいつまでたっても出来ない。
帰省中。
S. Weinberg "究極理論への夢" ダイヤモンド社 (1994)
前も借りたんだけどね。夏休みだから、リーダーのマニフェストを読んで信仰をふかめるのじゃ。
訳中でおそらく原語が "emergence" のところ括弧つきで「出現」になっていたので、「創発」が編み出されたのは1994より後のようだ。どなたか歴史をしらべません?
Majorana fermion の量子化はたぶん完了した(できたと思ったのでやめた)。massive な場合と massless な場合ですこしく違うのはびっくり。 困ったこと2つ:
- なぜ正準量子化するときはたとえば実スカラー粒子のラグランジアン
(1/2) ∂μφ∂μφ-(1/2)m2φ2
の (1/2) は (1/2) なのか。壮大な convention にすぎないような気もするが。 - 計算途上で物理屋の悪しき風習、座標系を入れてのあからさまなばりばり計算に訴えざるを得なかった。途中で不変性が見えなくなるのが怖い。 coordinate-free に数学風に書けるだろうか。しかしそのための記法を編み出す労力を思うと。
Majorana フェルミオンの量子化が一向に出来ない。きょうはやめじゃ。
Peskin&Schoeder の間違いを発見した(problem 2.2(d))。みんな問題を解いていないらしい。
昨日はなにもしなかった。書籍部で Parisi を買おうかと一瞬悩んだがそれ以外はサイバラのアジアパー伝を立ち読みしていた。千葉大の30歳の素粒子専門のプー博士の話がなんだか笑えるような笑えないような。サイバラさんは自画像は怖いんだが写真で見ると普通のおばさんなんだがなあ。
田崎さんが反応したのでコメント。僕は昔は誰でも目のなかあたりにいると思っていると思っていたので、田崎さんが「月並み」と形容するのもうなづけるのだけれど、あまり他の人に聞いたことは無かったのを去年思い出して身の回りのひとにいろいろ聞いてみたところみなてんでバラバラなことを答えてはっきり目のあたりと答えたひとはいなかったのを、数日前徹夜していてふと思い出したのでした。だいたい「それは答えるのはなかなか難しい問題で…」と明確な答えを出してくれなかった女の子がいたくらいですから。
ところで田崎さんは「目の少し上のあたまの中」というが僕は「目線より少し下の頭の中」にいる気がしているのですが。この夏の学習院の「数理物理」はどうしよう。
低温のレポートのため図書館にゆくもまた同様の結果に終わる。 とりあえず 3He の渦糸の実験がおもしろそうだが理論の基礎が僕にはないので手が出ない。
上田に数日前「バッハ=ブゾーニのシャコンヌのプロの演奏を聞いたことがない」と言ったら今日 CD を貸してくれた。 Philips の Great Pianists of the 20th century シリーズの Jorge Bolet のもの。いろいろ入ってるんだが Bach-Busoni だけ出来が悪い。間違いだらけだし。あまり盛り上がらないし。でもスケールは上手いな。ほかの曲はあまり聞きこんでいないだけに非常に上手に聞こえた。
江沢、渡辺、鈴木、田崎 "くりこみ群の方法" 岩波 (1997)
現代の物理学13。第2刷。むかしむかし「数理科学」誌の繰り込み群特集のときになぜか購入してバネがフックの法則に従う理由が書いてあって感動したのだった。
W. Zimmermann "The Power Counting Theorem for Minkowski Metric" Comm. math. Phys. 11, 1 (1968)
とりあえずコピー。
S. Weinberg "High-Energy Behavior in Quantum Field Theory" Phys. Rev. 118, 838 (1960)
被積分関数の漸近的ふるまいから収束性を判定すること。それを利用した Euclid 空間での次数勘定定理の証明。とりあえずコピー。
天が陛下の悲しみに感じて雨をふらせたのであろう。ヘリコプターがうるさい。
雨だ。
低温のレポートは極低温での実験の論文を一つ選んで解説というものなので、一日図書館で渉猟していたのだが、関係ない論文をコピーするばかりで決まらず。
U. Ellwanger "Flow Equations and BRS invariance for Yang-Mills theories" Phys. Lett B335, 364 (1994)
繰り込み群の流れでBRS不変性がどうなるか。とりあえずコピー。
J. Polchinski "Renormalization and Effective Lagrangians" Nucl. Phys. B231, 269 (1984)
繰り込み群による φ4 の摂動的繰りこみ可能性の証明。とりあえずコピー。
漢字間違えました。尚貴さんです。ごめんなさい。
X線のレポート提出のため印刷したらラウエ写真が真っ黒になってしまった。悲しくコピーを手で貼りつけたのですよ。
眠れないのでレポートを書いていると朝になった。ま、ひとつしあがったので良し。
テストは終わったがレポートが山のよう。
手塚君によると神保町の三省堂で石を売っているというので方解石を見たがあまりよいのがなかったのでそのまま帰ってきた。いつもと違う道を帰ったらなぜか音羽通りにでてびっくり。
今日の光学のテスト、偏光板2枚ともう1枚を渡して偏光特性を調べよというもの。λ/2 板だったが、全く変なものですな。
それ以外にも家の電子ピアノを叩いたりした。ひとつ奇妙だったのはつい弾きながら考え事をしてしまい気付くといつもつかえつかえしながらしか弾けない部分を通過していたことだ。ときどきあることだが気持ち悪くて仕方がない。もう一度そこを弾いてみるとやはりつっかえるのだから。
今日はあす提出の光学のレポートを書き上げた(その仮定ではじめて WinTpic を用いた)以外はラッセルを読んでいた。こんなことで光学のテストが乗り切れるものか。
15章最後に「プラトンは数学を重視したのに近代プラトン学者が例外無く数学に無知であるのは注目すべきことだ」とあって、さて17章に「正4面体、正8面体、正20面体のそれぞれの面は二等辺三角形であるが、」と間抜けな発言がある。その近辺に「二等辺三角形」という語は頻出するのだが思うにみな正しくは正三角形である。ラッセルが間違えるとは思わないからきっと equilateral と isosceles の混同からくる誤訳だと思う。誰か原書を見てください。訳者はそんなことも知らないのだろうか。外国語における術語の問題ではない。思い浮かべれば面が正三角形であることは明白だと思う。逆に哲学の人が私に文句をつけたいことも多かろうが。
本の奥付によると訳者市井三郎氏は敗戦の年に阪大理学部を出て哲学に進んだ。理学部だぞ。
哲学的議論のところは読む気にならなかった。歴史的記述は面白く読んだ。
B. Russel "西洋哲学史(上)" みすず書房 (昭和29年)
田崎日記に影響されて。皮肉だらけ。
今日は昼ご飯にスイカを追加した。今年はじめてのスイカだ。
ほんのすこし準結晶について学んだ(物理学最前線19)。以下フーリエ変換は f(x)=∫F(k)e2πikx で定めるとする。
格子があると逆格子がある(数学では双対格子という)。X線写真は逆格子が見える。格子は決して5回対称性を持たない。それなのにあるサンプルでX線写真に10回対称が出た、というのがはじまり。
a,b,cで生成される格子 L の逆格子 L* は . で内積を表わすことにして A.a=B.b=C.c=1, A.bとかは皆0という条件を満たす A,B,C で生成されるけれど, 物理的にはむしろ f(x)=Σv∈Lδ(x-v) のフーリエ変換が F(k)=Σv∈L*δ(x-v) となるのが効いていて、そう考えると集合 L が格子で無くとも、そのフーリエ変換に δ関数な部分が含まれていればX線写真に写る。そういう点集合を準格子(quasilattice)と呼ぼう。
以下1次元準格子の例を構成する。まず2次元平面内に互いに直交する単位ベクトル a,b をとりこれから生成される正方格子を S とする。ただし a の傾きは無理数とする。そして勝手に正数 d を固定して
L = { x| (x,y)∈S, |y|< d }と定めるとこれが準格子になる(平たく言えば格子を無理数角の直線で切って直線から一定距離内の格子点を直線に射影するということ)。 実際そのフーリエ変換に逆格子(この場合はもとの格子と同じ)の射影のところにδ関数が立つ。ポイントは (x,y)∈L, (p,q)∈L* に対し xp+yq は整数なので、 e2πixp=e2πiyq となることだ。これより
Σx∈L eipx = Σ(x,y)∈L, |y|< d eiqyだが無理数性から y はランダムに分布するので和を積分にかえて細かい係数は良くわからないが sin(2πqd)/q に比例した高さのδ関数が立つ。結局逆格子点の直線からの距離にだいたい反比例したデルタ関数が出るわけ。可算個でる。
さて課題:
- 上の方法で稠密にδ関数が立つことは判ったが、それ以外の点でのフーリエ成分は?
- 全ての準格子は上のように高次元格子の射影で得られるか?
今日の実験物理の福山先生の講義は He3 の超流動の発見のエピソードから最近の進展まで非常に興味深かった。超流動 He3 は秩序パラメタが沢山あって種々の自発的破れの仕方に対応する相があるそうで、A phase から B phase への1次相転移のタネは宇宙線だとか、そのときに一度常態にもどってから相転移する際に topological defect が出来ることが実験的に!確認されているとか。
Williams&Clearwater には例えば Shor のアルゴリズムが量子確率的多項式時間である説明が全く無かったりする(これは扱われている内容すべてに共通する問題)。もうちっと専門的な本がいるな。もしくは Feynman のように自分で考えるか。
C.P. Williams and S. H. Clearwater "Explorations in Quantum Computing" Springer (1998)
日本語版が出ているけれど量子暗号を論じた8.6節の "learn the identity of a common subset ..." という所を「共通の部分集合の単位元を知る」と誤訳している。ここを誤訳するようでは内容を理解しているはずが無いので日本語版買うのはやめたほうが良い。あと原書で ... と組版すべきところ(i.e. some kinds of dots)が皆 K になっているのは謎だ。
Shor の因数分解アルゴリズムだけど、部分系を観測した時に観測された部分系内のベクトルにくっついているもう片方の部分系の重ね合わせは壊れないとしているのが案外重要な役割を果たしているが、部分系を観測した時の波動関数の変化のようすは多分あいかわらず論争中で、個人的な意見としてはおそらく観測の仕方によるから、うーむ。
R. P. Feynman "Feynman Lectures on Computation" Addison-Wesley (1996)
コンピュータの熱力学、可逆計算、Feynman 式量子コンピュータなど初耳の話が多かった。Worth reading.
田崎さんには困ったことに?系に関する我々の知識が「操作的に定義された」エントロピーに影響すると書いてある。The argument goes as follows:
右と左の両方にピストンのついた箱に粒子が一個入っている。これを半分に圧縮するのにかかる仕事は、
- もし粒子が左半分にあると知っていれば右のピストンを、右にあると知っていれば左のピストンを押せば仕事はゼロで済む。
- 知らなかったらどっちかのピストンを押して、粒子にあたるかも知れないからこれには仕事が必要。
書籍部でワインバーグの "Gravitation and Cosmology" の重力波のところを見るとこいつも先にローレンツゲージにしている。うーむ。
みんな無条件に「まず Aμ をローレンツゲージ ∂μAμ=0 に取ります」というがもとの ∂μAμ の4次元フーリエ成分の光的なところがノンゼロだったらダランベール方程式が解けないじゃろうが。それでもローレンツゲージに取れるのであって、これはゲージ変換というより運動方程式によるのだ。
『場の古典論』の重力波のところで上と同様の間違いがあったのでちょっとショック。重力波のときは運動方程式からローレンツ条件を導くのは案外大変なのに…
統計力学のテストで「時間反転不変な基礎方程式からどのようにエントロピー増大が導かれるか。教科書的ではなく自由に論ぜよ」という問が。日ごろ考えていたお蔭で書くことには困らなかった。しかしテストらしからぬ。
以下の議論のあやまりをただせ。
マックスウェル方程式は線形だから各 4元フーリエ成分に分解して考えて良い。とくに電磁波は光速で走る成分であって、これの源になるのは電流密度の光速で走る成分である。しかし物質は光速では走れないので、そんな成分は無い。よって電磁波は生じない。
手塚君。君の立場よくわかりました。私が拙速なのはこちらが悪いです。ただ、これまであからさまには君の政治的考えを聞いたことはなかったところに、突然靖国神社でぺちってきたパンフレットを出されると動揺します。また君の日記だけみているひとも細かい立場表明がなければ君が戦争礼讃だと誤解しかねないと思います。
晴れた。最初から最後までくっきり見えた。予言通りの時刻に始まった。ニュートン力学万歳!
どーでもいいことだが、外でかけはじめた月を見ていると殆ど誰も知らない僕の携帯に見知らぬ人から「おつきさまがかけてきたね。」というメールが入ってな、なんじゃ、僕が月を見るとしっていてこんな女言葉でメールをだすとは、さては変な女のストーカーに狙われているか、と心配していたら最近ケータイを買って浮かれている実家からでした。はじめて出す時は差出人を明記しよう。
手塚君の日記に靖国神社のお祭りの話が出ている。先日奴は昼食中に僕に付属の博物館かなんかで取ってきた「インド国民軍の日本帝国軍への感謝状」なぞを楽しげに見せたのだが、私は筋金入りの臆病平和主義者なので靖国神社を嫌悪することはなはだしくこれを書くだけでもイライラしてくるぐらいで全く許しがたい。理性的な反応でないのは判っているが耐えられないのだ。
科学をするというのは自分に都合の悪いことも認めると言うことだ。インド国民軍の感謝状とともに南京の人の文句をならべないようなところへ憤りを感じない奴が科学をやっているとは僕は認めない。個人攻撃と普通の記事を混在させた雑誌を発行して平然としているような団体に属している奴が物理学科にもいるけれどそれも全く馬鹿げた話だ。
今日はよなよな本郷へピアノを弾きに行って汗みどろになった。ピアノの置いてあるホールに空調が無いから。これ以上やせてはならんのだが。
Q. ポアソン分布 (ランダムな現象が平均して t 回起こった時、実際 n 回起こった確率は tne-t/n! というもの) を2項分布の極限ではなくなにか連続的な考察で理解できないでしょうか?
A. 1秒間に平均1回ひかるランプを眺めはじめて t 秒に実際 n 回ひかった確率を pn(t)と書くと、p0(0)=1, それ以外は pn(0)=0 で、微分方程式
(d/dt)pn(t) = pn-1(t) - pn(t)を解けばよいですね。いつもどおり pn(t)=qn(t)e-t とおけば
(d/dt)qn(t)=qn-1(t)だからすぐに pn(t)=tne-t/n! が判ります。
本郷安田講堂裏大木群にて今年の蝉の第一声を聞く。
陽子有限サイズによる摂動が (陽子半径)2 に比例するのは高校数学的に納得できた。1sの波動関数の e-r/a を 1 で近似するのがポイント。(というか、き真面目に計算すると陽子半径の −2, -1, 0, 1 乗に比例する項がわらわらあるのだけれどそれらが miraculous cancelation を示すので気持ち悪かったのだ。)
テストで陽子のサイズが有限である事による1sのエネルギーの変化を計算させられて時間内にできなかった。エネルギーがサイズ2に比例する理由は?
K. Fujikawa "Aspects of Anomalies in Field Theory" hep-th/0007084
ファンなだけです。ごめんなさい。
今日の実験は1時から6時まで手でラウエ写真のノモン投影。暗いスポットまで見えたが上手くない。これで今学期の実験は終わりだ。
E. フェルミ "原子核物理学" 吉岡書店 (1954)
初田先生がフェルミの黄金律という言葉の初出はこれだというので。該当箇所を見ると「この黄金律は」と断り無く言葉を使っていて、かつ「詳しい導出はシッフを見よ」とかいてあるのでほんまに初出はこれなんかいな、と思ってシッフの該当箇所を見ると「この公式はフェルミの『原子核物理』で黄金律と呼ばれている」とあって相互参照してやがる。歴史的なことは初版をみないとどうしようもないようだ。
昨日の講義で藤川先生突然曰く「最近文部省が『大学の講義は英語でしても構わない』といってきているんですが(笑)確かに皆さんはじめて論文書くときにただ英語で書くことに苦労するだろうけれど英語が母国語だと得かというとそうでもないんですね。聞いた話ですが新聞なんかで斜め読みする癖がついてしまっているそうで、数学や物理などじっくり読まないといけない学問の場合はどちらがいいかわからないね。」
本屋で新刊書2つぱらりとめくる。
- アエラムック『数学がわかる』。完全WKB解析は難しすぎだろう。
- ポルキングホーン『科学と宗教』。「私が神の存在に確信を持つように至った経緯を説明するのは私が原子の存在に確信を持つように至った経緯を説明するのと同様簡単に済ませるのは難しい」(not verbatim) といった文があると原子の存在を困難ながら知った私としては困ってしまうのだ。神も知りうるかと。
ラウエ写真続報。前は写真のコピーしか持って帰ってなかった。今日実験室で写真を見ると案外高次のスポットも出ていた(といっても他の班にくらべれば薄い)ので写真を持って帰ってきた。4回対称, 3回対称, 2回対称、で4回対称を画像処理して逆格子を逆算、投影した。消滅則も考慮した。スキャナが暗いスポットを上手く読み取れていないのも問題だな。むむう。
よなよなピアノを弾かんと暮れかけた7時の空の下を本郷に向かうも、いつもいろいろな楽器の練習でうるさいはずのピアノのある2食ホールになぜか真中に机を出して談笑しながら作業中のひとグループしか居なかったので流石に恥ずかしくそのまま家にとんぼ返りする。ま食事のあとの軽いサイクリングだと思えば。
で写真を撮りこむためプリンタのスキャナオプションを買う。
また撮りこんだ Laue 写真のスポットをマウスでクリックするだけで逆格子を復元する Perl/Tk スクリプトを書いた。
僕はWindows 人なのでActiveStateのActive Perlを使っているのだけれど、Perlでバイナリを含むパッケージをWindowsに入れるのは個人では困難なので、perl package manager というスクリプトがついていて install (パッケージ名) とするだけでActive State のサーバからコンパイル済みのをぺちってきてインストールできる。
Perl/Tkは大昔に入れたがそのときは著作権の関係で?別になっているJPEGモジュールはまだActive State が用意していなかったため入れていなかったので今日 search Tk-JPEG; install Tk-JPEG するとどうも動かない。しゃーないのでactive state のサイトに行ってみると perl が5.6に version up していたらしく、それようのバイナリを落としてきてインストールしてしまったらしい。これは古いバイナリを直接落として解決。
今日もう一つの topic はX線による食塩単結晶のLaue写真からの逆格子ベクトルの復元。どうも露光時間が短かったらしく逆格子の z 成分が 1 のものしか見えていないようだ。ううむ。
物理以外の人のために少し説明します。 まず光の「波数ベクトル」とはなにか。光は波です。ベクトル a だけ離れた2点の間に波が何個あるかを考えると、これは線形写像ですから、何かベクトル k があって a と k の内積として表わせます。この k が波数ベクトル。これは光の進行方向を向いてます。 で、X線は結晶にあたるといろいろな方向に跳ね飛ばされるのだけれど、結晶には周期性があって、結晶がベクトル s だけ動かしたとき変らないならば波数ベクトルがいくら変ろうが波数ベクトルと s の内積は変化できません。 これを認めてもらい、そのような s は3次元空間の格子をなすことを注意すると波数ベクトルの変化はこれまたある格子に属するベクトルに限られることが判ります。こいつら逆格子ベクトル。あと波数ベクトルの大きさが変わらないことも認めてください。
さてX線を結晶にあてるときは波数ベクトルの向きはそろっているが(i.e. 進行方向は定まっているが)波数の大きさは案外バラバラです。で向きを変えられたX線を写真に撮れば、波数ベクトルの変化の向きはわかります。だから逆格子の向きも判ります。上にリンクした図はそれを原点から投影したものです。
掃除していて顕微鏡があるのを思い出したので、思い立ったが吉日、自分の精子を観察してみた。ピコピコ動いていてなかなか感激した。
凄い雨。
実家から電話があって何やと思ったら建て替えなんでとうとう借り住まいに引っ越したんやって。 下水道が来てへんから、ぽっとんやないけど浄化槽やからもー鼻が馬鹿になってねえ。というので臭いん?と聞くと、いいや、金木犀のにおいとか香料のにおいがねえ。とのこと。
CPTを経路積分で理解するには?
あまりに行動原理の異なる人が物理学科にいることを再々発見したりして精神的に不安定になって家に帰ってきてご本を読んでいると落ち着いてくるというのは全く困ったことだ。 kajantul 君とも最近まともな会話が成立していないが何とかならないだろうか。
今日はX線でLaue写真。NaClが格子状に何物かがならんだモノであることを感得した。すばらしい!
V.G. Kac "Vertex Algebras for Beginners 2nd Ed." AMS (ULS10) (1998)
借りてきた本を眺めているだけではいけない。勉強しなさい。>自分
今日は特に何もしていない。12時半〜1時半と4時〜5時半にピアノを弾いただけ。その間は図書館で雑誌を眺めていた。
E. Witten "Supersymmetry and Morse Theory" J. Diff. Geom. 17, 661 (1972)
黒木さんに言われたので眺めてきました。Morse理論を知らないのでどうしようもない、というわけでもない内容。
P. Gabriel "???" Manusc. Math. 6, 71 (1972)
前書いた有向グラフの表現。やはりE6,7,8に限られるらしい。ドイツ語なので読めない。
どうも深いらしい。自分で考えよう。暇なときに。
2時40分本郷→お茶の水→国会近辺→六本木通り→4時に駒場、数理図書館、出てきたところでで大雨、食堂で雨宿りついでに夕食、7時過ぎ雨が収まってから山手通り→代々木公園わき→久しぶりにK会、山本さん三枝君中島さん松岡君がゼミをやっていてちょうど終わったところに遭遇。中島さんはあいかわらず***だが三枝君は進化していた。昔は裏が薄そうなしかし傲慢な奴だと思っていたが3か月会わない間に目的意識のはっきりした裏づけのある傲慢な奴になっていた(誉めていることに注意)。物理学科にも彼のような大学でやらされていることだけやっているのには満足しない奴が居ればもっと楽しいのだが。僕もここしばらく大学でやらされていることしかやっていなかったので反省。8時半頃K会をでて明治通り→不忍通り→家に9時半。
本郷から自転車で駒場に来たと言うのに土砂降り。どないせーちゅーねん。
で、統計力学の講義中目を手の上にのせて居眠りして目覚めたところ10分ほど目のピントが合わず黒板が見えなかった。こりゃどうしたことでしょう。誰かご存知ありませんか。
Feynman/Weinberg "素粒子と物理法則" 培風館 (1990)
二人合わせて100page弱の講演の記録。Feynmanが昔誰かに「スピンと統計の関係は簡潔に理解できますかね」と尋ねられて数日考えた挙句「だめだ。どうしても大学初年級相手に理解できるようには説明できない。これは我々がよくこの事実を理解できていない証拠だ」と言った、というのは多分有名で、この大学初年向け講演ではそのスピン統計性が確率の保存から導かれている。のだけれど、やっぱ難しいで。
隔週で演習の発表をしている。次はLandau 反磁性があたっていて、計算はできたけど、物理的にすかっと説明できないか。
アレクサンドル=スクリャービン "Fantasie Op.28" International Music Company (?)
アカデミアで先週木曜買ったのはこれです。あまりに背伸びなので恥ずかしくてかかなかったのだけれど、ま正直にということで。1年くらいでなんとかなるかな?
昼灘の同窓の府大のHから電話で渋谷に呼び出されて九大のH', 東大医学部のNと4人で久々に昼を食う。その後駒場のTんちにHと押しかけてなぜかBorland C++をCD-Rに焼いてもらって帰ってくる。
その後予報どおり夕立が来て涼しくなったので本郷へピアノを弾きに行くとオーケストラが占有していたので先にBAMBIで夕食。場所が空いたので7時から9時までピアノの練習をした。
眠れないからと言ってInternetに接続しているのは良くない。勉強しなさい。
当然この週末も実験のレポート。今回は真空技術でそれほどたいへんじゃない。あまり気合を入れずに落ち着いてやっているといつのまにか1日が終わってしまう。まあ8割がたできたからいいや。
N.D. Mermin and H. Wagner "Absence of Ferromagnetism or Antiferromagnetism in One- or Two-dimensional Isotoropic Heisenberg Models" Phys. Rev. Lett. 17, 1133 (1966)
Peskin-Schroeder にはこの論文に
that a two-dimensional system with a continuous symmetry cannot support an ordered state in which a symmetry-breaking field has a nonzero vacuum expectation value.なる内容があると書いてあるが一般的な結果がこれに書いてあるわけではなかった。Hamiltonian 依存な議論なのでどうしよう。
Eamon Lalor "A note on the Lorentz-Lorenz Formula and the Ewald-Ossen Extinction Theorem" Optics Comm. 1, 50 (1969)
光学の授業でreferされたので。物理の図書館にはないので先生に借りてコピーした。他に欲しい人は僕に言ってください。
木曜は昼が実験が無かったため暇だったので駒場の数理科の図書館でも意向と自転車を走らせたがアカデミア(楽譜屋)を発見してそこで挫折したのだった。
7月。入力画面は今度こそ上手くNetscapeでも動く?