Apr 30 23:09

30日。新学期も既に一ヶ月ですか。夜になってやっと空が見える。

今日は久々になんだか頭が空回りして何も考えられなくなるという状況に陥る。

数学科のMと夕食。ゼミの準備に忙しそうなので何故だと聞くと挙がっていた本は読んだことがあるので先生に言って換えてもらったとか。多少羨ましくもあり。

Quintessence (宇宙項型の負の圧力を導く仮想的な物質のこと)の話を眺めるもさっぱり。しかし全くおごった名前だ。


Apr 29 23:06

29日。昼からは雨がしとしとと。また安直にカレーを作る。辛いもの苦手な僕としては冒険していつものバーモントカレーではなくジャワカレーにしてみる。

粉の即席紅茶を知らなかったとか、安い洋食屋のサイゼリヤをはじめてみたとか聞くと多少身分差があるのかと感じる。

アイデアは理解したつもりなので困難なる計算に乗り出すと、最終局面で沢山の項が激しく相殺し、別の方法から知っている正解より遥かに簡単な結果になってしまう。何もかもダメだ。


Apr 28 23:10

28日。今日は休憩だ。寝て暮らす。ようやっと春休みも終わったのに、これから1週間は golden week ということで、学校大好き人間としては想像しただけで気が滅入る。あーあ。

図書カードが1万円当たったんだけど、お勧めの本はありませんか。やっぱ物性関係かな…

大学受験で楕円関数がバリバリ出ておれば今ごろ困らなかったろうに。


Apr 27 23:30

27日。500円かけて駒場を往復。応用は良くわからんがHopf代数の公理をよりよく理解したような気がした。

本郷では CKM の K 教授が談話会。同時に柏では物性研のガイダンス。踏み絵のようなものだ。おしまいに、重粒子数生成のモデルをつくったときに何も考えなくても陽子と電子が残って陽子と陽電子は残らないのかと毎度おなじみ馬鹿な質問をする。ま、Feynman 先生曰くどんな馬鹿なアイデアでも一度は仔細に吟味せよ…などと言い訳しておく。

その後数人で夕食時お茶を汲みに行ってもどってくるときに考え事をしてテーブルを通りすぎる。席につくとそれは笑いを取っているつもりかと詰問さる。心外だ。

なんでも Ising の自由エネルギーはサイト数に比例した数のゼロを持つ楕円関数になっているらしいが、導けない。

取り敢えず I. Affleck による Haldane gap のレビューをコピーす。何故 Hal T. のにしなかったかは謎だ。


Apr 26 23:10

26日。教室、冷房はまだなんだけど送風孔の下は寒い寒い。

夕食をいつもと違う食堂で取ると近くの二人が儒教談義をしていた。

今日は可解模型の文献探し。Baxter 先生の Exactly Solved Models があれば良かったのだが、物理図書館のは借りられて無く、総合図書館は館内整理日で開いてない。取り敢えず Ann. Phys. (NY) 70 のをコピー。パラメタいじると 2d Ising になるので議論を Ising に適用して理解せんとするも、楕円関数が乱舞して僕には手に負えない。取り敢えず別の方法で anisotropic Ising を計算した。

その計算の過程でずぼらして Mathematica を使うといくら計算しても謎な結果が出る。あきらめて別の順序で計算させると正しそうな結果が出た。極限操作何も含まない計算でこれだと信頼して使えないよ…

Newton の Principia の広告が載っている当時の雑誌が物理図書館の開架に並んでいた(Philosophical Transactions, 1687年 Jan,Feb,Mar 合併号)。


Apr 25 23:18

25日。明け方からの雨で部屋が冷えたのかお腹が痛くて朝早く一度目が覚めたので、ホッカイロを張って寝る。さて時間なので学校に行くべえ、と腹痛も取れていたので何も考えず朝食を取ると、胃が膨れたせいでまた痛い。これは空気だな、ま歩きゃ治るだろと雨だし地下鉄に乗るも、一駅進んだところで耐えられなくなり駅のベンチでしばらく脂汗を流しつつ座っていた。もう駄目だ、あきらめて家に帰ろうと立ちあがったところで出るところから空気が出て全てが解決した。何も問題無く一日学校で遊んだ。

今日はハドロン研のゼミ。例の Rev.Mod.Phys. の Kogut の lattice QCD を目指したもの。誤植が多いので先生にレフェリーは計算をチェックしないのか、と問うと、計算の詳細までは追わないし、特に Rev. Mod. Phys. はその道の専門家に依頼して書いてもらう形式だから、とのこと。ところでNに拠るとハドロン研原子核研合同のゼミで使っている Brown の場の量子論は信じられないくらい誤植が少ないそうだ。

3週間後談話会に Baxter 先生が来るらし。可解模型の発展から chiral potts まで、というお題なので予習せねば。

摂動展開がどう conspire して ∝ N になるか、だいたい判った。ここで書くのは面倒なので、気になる人は自分で考えてください。

小泉さん右なので困った。


Apr 24 23:20

24日。今日のゼミでの僕の発表は、内容は兎も角、ビアンキ関係式の証明でたどたどしてしまうなどプレゼンテーションの仕方は準備不足だった。反省。

昨日家にかえって早速楽譜を印刷して弾いてみると途中でバッハにはありえない音がした。よくよく見ると印刷がかすれて丁度五線の一番上が消えていたのだった。

そんなことより何より、Σm (H0+λV) の形のハミルトニアンの基底エネルギーがサイト数 N に比例することが明白になるような摂動展開をしたい。4次項とか一見<VVVV>∝N4 に思えるので。勿論2Nサイト時の真空をNサイト時の真空2つのテンソル積で近似するとか、別の方法で高々 N1 の項しか残らないのは示せなくはないのだけれど。


Apr 24 01:45

遅ればせながら23日。9時から12時半までぶっ通しでプログラムを書いていたので学校で何があったかとか季節がどうであったかとか皆忘れてしまった。とここまで書いて日曜にJunku 堂の9階の窓から西の地平線に太陽が沈むのが見えたのを思い出した。

取り敢えず 2-d Ising で時間方向の格子幅をゼロに持っていったときのハミルトニアン

H=(1/2)Σm (1-σ3(m))+λΣm σ1(m)σ1(m+1)
でサイト数 N を具体的に与えた時の基底状態(最小固有値)と第1励起状態(2番目に小さい固有値)をλに関して摂動展開(テーラー展開)するC++のプログラムを書いた。ギャップ(固有値の差)がλの1乗で止まるのが見て取れる。15サイトで摂動の8次まで計算させるのに MMX233 で数分。

田崎さんが研究室悩んでいる学生よ素粒子論止めようキャンペーンをやっている。これを読むと田崎さんの皆すべからく自然を説明したいと思っているだろうという考えがよく分かる。困ったことに僕は、別段物質の究極やそもそも具体的な物質に興味があるというのではなくて、

場の理論で、こんなラグランジアンを考えると、こんな現象が起こるみたいですね、わあすごい
といった、言ってみれば(それほど厳密ではないけれど)数学的側面に興味があるので、ますます無残な青春を送るに違いない。そもそも、
科学の歴史のなかで、その分野は、どう発展してきたか? 今はどのような発展の段階にあるか?
という criterion では、純粋数学はおしなべて
素晴らしく魅力的な問題だとぼくは心から思う。しかし、同時に、これらは、もはや、きわめて極端で、特殊な問題
だと思うが、では、なぜ沢山の若者が数学を志して惨憺たる青春を過ごすのだろうか?

で、結局、Coleman のように場の理論を研究したいと思った場合、どういう研究室に行くのがいいのでしょうか?


Apr 22 23:13

22日。ほうじ茶がなくなったので分不相応ながらも西武の地下の一保堂まで行く。折角なので淳久堂を冷やかす。ハイゼンベルクの「部分と全体」、少し前の日経でのかの教授兼社外取締役の書評を引用して帯に「知的エリートの生活」とある。件の書評でも触れられてはいたが、彼の場合はそもそも上流階級だったことも大きいので、帯が身分の固定を肯定しているように思えて複雑な気分である。

最近Fがバッハのイタリアを弾いていてやはりいい曲だと思っていたので、ついでに楽譜を買おうとするが、9階から1階のレジまで降りる間に20頁で1000円は馬鹿らしく思えて買わないで帰る。ネットを検索すると案の定無料で手に入った。早速印刷するもインキ切れ、あきらめて譜面台に直接ノートパソコンを置いて弾いてみる。はじめは joke のつもりが、やってみると悪くない。押さえなくても頁が開いているし、頁をめくるのもリターンキーを一発叩くだけで済む。電子ピアノに大きな液晶の画面をつけたら流行るかも知れないが、楽器屋は楽譜屋とグルだろうからどうだろうか。

3-d Ising の gap の高温展開を手でやると combinatoric factor が煩雑だが、良いアルゴリズムも思いつかない。gap は格子のサイズに依存しないから brute force で展開できなくは無い。といっても項数が爆発するのでこれも考え物だ。

Connes 先生 math.QA/0011193 sec. XVI Th. 10 にコメントして

It is a challenge to physicists to find a direct proof of this result.
というけど誰でも知ってるよ…ま、大先生も少し離れた分野になると何でもよく分かっているわけではないということか。


Apr 21 23:58

21日。気晴らしにピアノを弾こうと小雨の中本郷へ。正門前の横断歩道で初老の観音様に会う。なんでも定期を落として家に帰れないので200円恵んでくれと。ここで正しいことをして西方浄土へ連れていかれてもかなわないので、稼ぎの無い学生に無心せず働いてそうな人に頼んでくれと断る。しかし太平洋を挟んで似た事があるものだ。

ピアノは空いていなかったので三省堂へ。洋書の原子核の棚に "Nuclear Receptor" とかいう本が並んでいて笑える。

Wigner-Brillouin 摂動論を自動化する Mathematica プログラムを書こうとすると、少なくとも僕の持っている ver. 3 だと非可換代数の為の機能が少なくて上手くいかない。具体的には、非可換掛け算に対して、足し算の分配法則が組みこまれていないのだ。役に立たん奴だ。ま、自分で展開のルールからプログラムすりゃいいんだけどね。

同人誌にある行列式の計算が載ります。


Apr 20 23:06

20日。本郷→駒場→本郷。第2週なので本郷のGenetic Algorithmの講義に出ても良かった気もする。ひと月前から基本的に服装を変えていなかったので、帰りに駒場から渋谷まで歩くと暑くてかなわなかった。踏切のすぐ近くのおうちの垣根がいろんな花で綺麗だった。手間がかかっている。

久々の教室談話会。2次元電子系の振舞いを実験的な側面から。理論的には判らないことだらけで、ウィグナー固体に磁場を垂直にかけて変化させるとA-B効果で強磁性-反強磁性を自在に操れることが見えているのではないか、とか、とても興味深い。

新3年生が談話会に来たので久々にアコーディオン間仕切り(とは呼ばないと思うが)を開けて部屋が倍になる。去年も初めはそうだった。

バンド計算の基礎を勉強したい。


Apr 19 23:14

19日。原子核理論もなかなか面白そうだ。いままで食わず嫌いだったが。


Apr 18 23:12

18日。つい先ほどから雨が降ってきた。直植えでなくわざわざ植木箱に植えてあるためつぼみを沢山つけたのにしおれかけていた我らがプレハブ棟前のつつじが元気になるといいのだが。(悪文だ)

正門より江戸側の本郷通りに面したあたりや経済学部あたりの銀杏が葉が残らないくらい剪定されたのを見る。最近あちらを通っていなかったのでいつ切られたのか判らないけれど、芽吹いた後のような気がして心が痛む。ただ、うじゃうじゃしてたのがすっきりして良いという人もいるので、考え方は人それぞれだ。

最近は一日学校を終えて家に帰るととても疲れて昼寝してしまう。でも、そういうときのほうが 甘い感じがする。


Apr 18 00:07

17日。以後本人に加えそれ以外の人の見ているところで悪口を言うのは止めます。僕とそのときどきの対象との間だけで話をつけるよう努力します。不快感を与え申し訳ありません。

下の加速度の計算は2倍ずれていることがゼミで発覚した。


Apr 16 23:16

16日。特に書くことなし。夢のようなFixed-Field AGS によるミューオン加速の話を聞く。

アメリカの標準化局にdigital library of mathematical functionsとかいう計画があるようだ。


Apr 16 00:26

15日。余りの陽気にすこしサイクリング。都電にそって王子まで、そこから田端、根津。根津神社でつつじ祭りとそこら中に看板が出ているので入り口まで行くも、屋台沢山出ているので入らず。

ソメイヨシノが綺麗な葉桜になっているのを見て、あと一週間続けていれば価値が増したものをと多少自分の根気のなさを自嘲す。

慣性力が重力波の放射で計算されるとか… it goes roughly as follows:

  1. 電磁波の放射が e/(4πε0 r c2) n×(n×a) だから 重力波の放射は Gm/(r c2) n×(n×a) であろう。
  2. Freedman eq. with k=1 から距離 R の物体が我々から RH の速度で後退しているとすると、宇宙の密度をρとして (RH)2/2=(4π/3) GR2ρ。この式はいい加減にはNewton 力学で距離Rの物体の運動エネルギーと、距離R内の物質による重力エネルギーがつりあっているとして導ける。
  3. 光速以上で後退していると重力波が我々に届かないので、Rの上限は c/H 。
  4. というわけで宇宙全体の加速度の寄与は
    2π∫π0 sinθdθ∫c/H0 r2 dr Gρ/(rc2)(sinθ)2 a =(8π/3)Gρ/H2=a
んなアホな。


Apr 14 23:54

14日。矢張分類(3) に思える...

今日は分担してもらったつもりだけど帰ってこない分の過去問を解きかつ TeX に打つ。印刷したほうがいいのかなあ…印刷屋に行くの面倒だなあ…


Apr 13 23:14

13日。昼から駒場へ行き A. Kato の講義を聴く。駒場は八重桜が満開である。

でもやっぱり僕は Connes-Kreimer はファインマンの分類(3) だと思うんだけどな…(註)ま、半年掛けて確かめます。 Kato 氏は数理科の助教授にも関わらず体は物理屋なため、話のはじめに仮定を先にまとめて言うことをせず、かつ記法がふらふら一貫しない。数学科の学生に黒板数枚前の記法の揺れを指摘されて「あ、でも、心は伝わったでしょう?」いいえ。「あ、伝わらなかった。」

そのあとまた本郷へ戻って夕食を摂ってピアノを1時間ばかし弾く。

(非-物理屋への註) Feynman の分類 (x) とは、彼があの幽霊が出た発表で有名なワルシャワで、他人の仕事を6つに類別したのが徐々に広まったものである。彼の記述をそのまま引用すると、

  1. Completely un-understandable,
  2. vague and indefinite,
  3. something correct that is obvious and self-evident, worked out by a long and difficult analysis, and presented as an important discovery, or
  4. a claim based on the stupidity of the author that some obvious and corect fact, accepted and checked for years is, in fact, false (these are the worst: no argument will convince the idiot),
  5. an attempt to do something, probably impossible, but certainly of no utility, which, it is finally revealed at the end, fails or
  6. just plain wrong.


Apr 12 23:10

12日。昨日コピーしたのは3ページなのだが、こんなこと出来たよと取り敢えず書いてあるだけでまだ僕には間が埋められない。結局1年後に出た長い細かい結果の載った論文をコピーす。一日に200円以上コピーに費やすと心が痛い(1枚10円)。

道ですれ違った際、1年下の某君「X線の装置が壊れていて実験できなかったんだけどそんな事あるんですか」というが、彼にその発言をなさしめた tacit assumption をぼかぁ共有しないので「実験だからそーゆー事もあるんじゃないの」と。なかなか面白い。


Apr 11 23:10

11日。新緑。芽を吹く直前に枝を切られた木々は困っているように見えるが、園芸では普通はいつ剪定するものでしょうか。

ずっと棚に無かった Phys.Lett.59B が Phys.Lett.A の棚に誤って並んでいるのを発見す。


Apr 10 23:35

10日。昨日から学校。どうも講義の間に桜を撮る気になれないので桜はやめじゃ。初日は精神的に疲れて午後9時に寝てしまった。

研究室にわかれてゼミ/実験。Nなぞ先生にこの論文(Kogut の Rev.Mod.Phys.51 の格子上の場の理論)を読もうと春休み中に訴えたらしく、彼我の意識の差を認識するばかりじゃ。結局むつかしすぎるということで別の日にそこの新院生と一緒に読むそうな。

ゼミ何時くらいまでかかるか聞くと、助手の××さんに奥さんから電話がかかってくるまでだ、と助教授がからかう。今月号かの日本物理学会誌にその人が書いた解説記事が載っているが、そこの著者紹介にも最近の楽しみは週末に妻と買い物に行くことだ、とあった。

ゼミで Peacock の本をアマゾンで買うと次の日に届いたがランダウ=リフシッツは1月半かかったとかいう話をすると、先生方が何故英語版を買うのかと。日本語版で絶版になりかかっている話をするととても驚いていた。

本屋に数学側からの Seiberg-Witten の本が在ったのでどうせ判らないが敢えて手に取ると、裏表紙に序文からの引用で「この理論の発展過程は全く Kuhn のパラダイム論に従っている」とあった。

本屋に河合塾の出した理系の大学院案内が在ったのでどうせ参考にしないが敢えて手に取ると、序文に世間の受験生はブランドで研究室を選ぶがこの本をそれを変える嚆矢としたいとかあるのに内部はランキング形式だったので幻滅す。しかしどうやって調べたんだろ?内部に詳しい方、ご教授ください。

数学科金曜3限に場の理論での Connes-Kreimer の結果の紹介てうのがある。形式的には4年生相手なのだが、可能だとは思えない。ま、行ってみるか。Connes-Kreimer はあまり物理的には意味がないと思うけど。

レビューを印刷すると赤インキが切れていてわけのわからん図が印刷された。のは兎も角、Fermion とか Boson とか大文字で書くので気持ち悪いなあとしばらく読んでいたが、ふとそれが正しいのかも知れぬと。


Apr 8 23:12

8日。今日も緩んでいた。明日から学校。


Apr 8 14:10

昼間からnetにかまけていてはいけません...

昨今の理数科検定教科書が薄くなって学力低下云々は、この間の戦争で世界に多大なる迷惑を掛けたことを考えれば、平均的日本人の能力があがって日本が国際競争に勝ちのこってしまってまた迷惑にならないようにという、自虐的視点からすれば全く自然な方向なのではないか、と。

突然メールで「相対論は間違っているという本も耳を傾ける価値がある」などと届いたので少し。特殊相対論は数学的にはユークリッド幾何に過ぎない。問題があるとすれば、物理的解釈だが、これは議論だけで決着がつくものではないので、本を何冊出して議論しようが意味がないのだ。検証すべく実験せねばならん。既成学会の陰謀でそのような実験ができないとよくいわれるが、例えば僕らなら物理学科にいるわけで、また主流派のいう検証実験から既に100年立っているので、実験はその頃ほど困難ではないはずだ。式の導出を自分でやってみるのに意味があるのと同様、古典的な実験を自分でやってみるのにも意味がある。だから先生方と相談して5月祭とかいう名目でマイケルソン干渉計でもやってみればいいのではないでしょうか。


Apr 7 23:16

7日。一週間前とは大違いの陽気だ。今日は精神的にゆるんだ。

おとといの駒場行きのためかふくらはぎが多少 dull い。年だ。というよりは日頃の運動不足か。

神田三省堂の洋書の棚で "Hitler's Uranium Club" という本を見つける。タイトルは兎も角、中身はドイツ敗戦後イギリスの Farm Hall に軟禁された Hahn, Heisenberg ら著名核物理学者の会話の盗聴記録および解説である。原資料として良いか。買わなかったけど。

しかし Hahn が核分裂の発見で化学賞を貰ったのは原爆投下その年の秋だったとは、なんとも微妙な。


Apr 6 23:05

6日。昨日数理科で見ておくべきだった文献を2つ思い出すが、ま、急ぎの用事でもないのでほうっておく。

1年下の人に会釈をされたのでとても気分が悪かった。ということは僕もこれまで数年上の人に会釈をして嫌な思いをさせてきたのだろうか、と。同学年と会釈を交わしても別段嫌な思いはしないな、などと何故そう感じたか分析するも理由がわからない。

今日も先生に質問しようと部屋の前まで行くが先生はいない。家にかえって1時間くらい考えると解決したので聞きに行って恥をかかなくて良かった。

おとといで2倍の因子まで解決したので、今日は i が何回かかっているかを詰める。 単なる convention と物理に関わって来るものが混在していて困る。 特に convention は本によって違うので文献と一致するか確かめるのだけで一苦労だ。 結局物理とは矛盾しなくなったが文献の具体的な式とは矛盾が残っているような気がする。

相変わらず文献に載っていることをやっているだけだ。 はやく研究をやりたい…(と妖怪人間風に。)


Apr 5 23:14

5日。昨日の日記には tacit assumption が隠れていまして、前者のほうが良いと僕は思っていた。

本郷で桜を撮った後自転車ではるばる駒場まで、中央線沿いのお堀の桜並木の見事なこと。原宿のすぐ北で明治通りに入ったのだが、そこから渋谷の雑踏を抜け出すまでに全行程の半分を費やす。なあ、もうちっと遊びに行くとこ分散せえへん?

原論文で使われていた武器は僕は持ってないので読めないことが発覚。なぜか数理科にしかない物理の本を少しコピーする。コピー機は前払い済みカード式で、物理図書館のカードとは別なので買わねばならんが、数ページの為に1000円のカードを買うのは癪だったので事務のおばさまというかおねえさまに泣いて訴えて現金でコピーす。


Apr 4 23:06

4日。楠の葉が替わる春ですねえ。

物理で数学の定理を使う破目になったときに、証明の粗筋だけでも知っておきたいなあと数学の棚で本を探すのだけれど、証明にははじめ証明された時の現在からみれば本質は捉えておらず冗長だが道具は簡単というのと、新しいが近年開発された道具をばりばり使うものとがあって、数学の立場からすれば定理自身もだが得られた道具も面白いため、後者の本しか無いということが多くありませんか。(悪文だ…)

いや、図書館でその分野の古い本や原論文を探せばよいのだろう、が如何せん駒場は遠い。


Apr 4 15:03

皆さんこんにちは。

先日午後10時頃からほうってあった細かい係数を計算し始めた所いくらやっても物理的に要求される値の半分にしかならなかったので困っておりました。

どなたか先生の所へ聞きに行こうかと思ったりもしたのですが、僕は先生方と話しに行くのは恐いので必死に考えた所、またしても光錐座標にするときの2倍だったので泣きそうです。先週は gμν ではまったのでそれには気を付けていたのですが、今回は εμνにはまっておりました。


Apr 2 23:07

2日。何か考えたいのだが何を考えて良いのか判らないので時間を浪費す。

100万$問題が発表されたとき Yang-Mills だけ専門的な解説が無かったのが何時の間にやら増えている。Qualitative とあるべきを quantitative とするなど、謎な誤植が笑える。

数学および理論物理における厳密さに関する議論を発掘(Jaffe-Quinn の論説, 著名人達の応答)。昔数セミに訳が載った筈。そのときは著者が「theoretic」という単語を「speculative」の意味で使うのが理解できなかったが、この語法は高エネルギー物理の一部の慣用なのであった。

ところで、講義は何日からはじまるんでしょう?