30日。今年も半分おしまいですねえ… さっと雨が降ったが、続かないのはどうして。いちにちほんとうに何もせずぼおっとしていた。
最近 Internet Explorer がますます不調なので、昨日帰宅途中コンビニによったときにええい、久しぶりに1000円で雑誌でも買って入れなおすか、とレジまで向かうも、僕のようにテレホに加入していなくともそれでも電話代のほうが安いはずと踏みとどまる。さて深夜ネット経由で更新すると30分だったから遥かに安かったわけだ。再起動直後はすべての症状が治っていたが、もう一度再起動するとすべて治る前の病状が再発したので、その100円も無駄になった。
29日。私は今日も悪いことをしてしまいました。アメリカ物理学会が自分で出版した論文をほぼ全て電子化してあるので、駒場から帰ってきて総合図書館で、僕の生まれたころの論文を落としてきて印刷を始めたのですが、土地の広いアメリカだけあって流石だ、不必要に思えるほど解像度が高く、データ量が多いのにプリンタが困ってしまって一枚印刷するのに1分かかる始末。おまけに2台あるプリンタのうち片方は不調で動かないときまして、10数人分の印刷を待ち行列に溜めてしまいました。そこにいた皆さん、ごめんなさい。
で、その論文は昨日おとといの問題の答がのってあるはずだったのだけれど、知っている結果の式だけ書いてあって導出は載ってないので考える余地が残った。
物理における数学は、数学者から見れば一種メタファーとしての数学であるから、 数理物理の Sokal なら兎も角、その他のいい加減な物理学者にその他の分野におけるメタファーとしての科学を責める余地があるだろうか?別段反語で主張しているわけではなく、きっと質的に違いがあるだろうから考えてみようということ。
28日。家に帰ってくると待機状態で止めてあったはずのパソコンが暑さで落ちていた。スイッチを押しても立ち上がりも終了もしなくなっていたのだ。充電池を抜いて冷ますと元に戻った。というわけでクーラーをつけることにした。
食事に行って帰ってくると草むらで虫が鳴いていた。
物質つき Z2 ゲージ理論を計算させてみた。Confinement - Higgs 相でも ln(sinh(2β))+ln(sinh(2γ)=0 のあたりでなにか起こっているように見えるが、これ以上は紙と鉛筆で考えないと有限サイズのせいなのかなんなのか判然としない。
計算させている途中に Bach のピアノのパルティータ 6 番 をかけていると、1秒の違いも無く曲が終わると同時に計算も終了した。
先日また他人の心を思いやれない悪癖がでてしまい、関係した方々に非常な心痛を与えてしまったことを心からお詫びします。申し訳ありません。今後はこのようなことが無いよう書くことを選びたいと思います。本当に申し訳ありません。
27日。水曜ゼミ(Kogut, RMP 51,659(1979))はめでたく読了。後は計算結果を随時発表ということになる。はじめてのOHPシートに印刷しての発表は、ちょっと大人になった気分だ。一枚100円。3次元 Z/2Z 物質つきゲージ理論の相図について Kogut 先生微妙にあやしいので、計算機実験的に探索せねばならぬ。
その後物理工学科の院の説明会に行く。説明がひととおり終わった後は懇親会ということで、ずっと座っていた僕も、実験の先生の研究室紹介の間は抜けていた N も、そもそも懇親会になってから来た K も U† も、皆でビールを片手に歓談する。
飲みながら、M 教授に最近の熱統計力学の現状などうかがう。
- うちの理物で、旧態依然として量子力学をなかなか取り入れなかった愚行を繰り返すまいと紐の草創期に E 助手(当時) その他のゼミに参加した話、
- むかしはドイツ語が院試にあって、夏休みになって必死に単語を覚えたが、どうせ全部は無理なので V から後を覚えることにした。すると試験に「最近の学生はよく verheiraten するが、そうすると経済的に大変で」などとあって、お蔭で自分はきちんと答えに書いたけれども、友人で「留年する」と訳したのが居て、面白いことにすべて文意が通じるのだ
食堂が閉まる時間まで話し込んでいたので、U† と N と本郷通りぞいの店に入る。ドリアの大盛りを頼むと量はあるのだが最後は味がくどくて困った。N が柏の悪口を言ったとたんに水が気管に入ってむせたり、今年の梅雨は雨が少なくて困ると言ったとたんに大粒の雨が降り出したのがガラスの向こうに見えたり、言霊の力を感じる。
とても帰れないのでしばらく雑談していると、いつの間にかカラッとあがった。雲の切れ目から肉のつき始めた月をみた。
25日。いい加減雨の降ってほしい梅雨の晴れ間。カンカン照っているほどではないけれど。
今日の現代物理入門はS教授による3核子系における3体力の検証の話と、H教授によるQGPの話。S教授はいつものS教授ぶしを発揮していて、聞いていて気持ちよかった。「古典力学と量子力学と、3体問題はどちらが難しいと思うか。」と問うので「量子力学のほうが簡単でしょう」「なぜそう思う?」「そうじゃないと先生聞かないでしょう」と答えると、「いかんな、全く受験に毒された回答だ。」反省します。正しい答えは、運動の積分の数はほとんど減らないのに、不確定性関係で変数が半分に減るから。
あと、H教授いわく「クォークとアンティクォークを引っ張ると、金太郎飴のように切り口に、いや金太郎飴にはアンティ金太郎はないんですけど」。それほど面白くないはずなのに爆笑してしまった。
レポート課題を口頭でしか言わない癖のある某先生のレポートを昨日書いたつもりだったのだが、心配なので聞いてみると案の定微妙に違うことを書いていたらしく、書き加えていると帰宅後の時間がすべて飛んでいってしまった。
高校の大先輩がメールをくだすった。ホームページの効用。
24日。晴れた。午後に湧源クラブで数学から転んで量子コンピュータに行った某先輩のお話があって、聞きに行きたかったのだが、レポート三昧のため家に居た。と言いつつ、お話のあったはずの時間はあまりに暑いのでお昼寝していた。
この前の選挙は実家の選挙区の不在者投票をしたので、東京で投票したのは今回がはじめてだ。学割で電車に乗るのにさえ身分証が必要なのに、投票所で何を見せろとも要求されなかったので多少おどろいた。どちらが重大事なのだろうか。
真空中の電磁気+原子のハミルトニアンから媒質中の電磁気+媒質のハミルトニアンに繰り込む際に、第2項のうちどれだけを第1項へ移すのかよくわからない。どなたかご教授ください。
23日。今日もくもり。朝から駒場の物理の院のガイダンスに行ってきた。いろいろとここでは到底かけないような噂話を聞いたのでためになった。久しぶりに会った友人も含め食事。
家に帰ってからはレポート三昧。
22日。夜のサイクリングは涼しい。
昨日の話だけれど、U と K と昼食を摂ろうと食堂に行くとすみません、と呼び止められた。何かと思えば、ませまてぃくすは何処ですか?ああ、それは駒場ですけど、と答えても私は日本語わかりません。ということで、つたない英語にかえるとますますキョトンとした顔をされた。なかなか不思議な経験だった。なんでも韓国から観光に来て、数学科の知り合いに会いに行きたかったそうなのだけれど、韓国の人は英語は得意であるという先入観を打ち砕かれた。単にわれわれの英語があまりに駄目だったのかも知れんが。
今日は物性研のガイダンスがあった。最近たんぱく質とかやっている某教授に、勇気を出して「昔はもっと数理物理的なことをなさってたと思うんですが…」と質問すると、「役に立たないよ。職もないし。」と言った後「大体ぼくが高温超伝導をやっているのは、昔量子ホール効果をやっていて2次元に対する感覚があるからで、ほかの人とはそこが違う。」と矛盾したことをのたまった。
気がついてみればそういう関係の論文は多々あるのでして、たとえば Bardeen 先生とか20数年前に摂動最低次自発対称性の破れの動的回復という観点で閉じ込めを理解しようとしていたようである。
21日。朝は小雨が降っていた。
光子がNambu-Goldstoneボソンであって、対称性の回復が閉じ込めおよび質量生成につながるのだという言明はあれからも所々で目にしていたが、これらの発言が暗喩としての科学にすぎないのか、それともきちんと定式化しうるのかが問題だった。さて今日もまたふらふらと文献を渉猟していると、詳しく書いてある論文に行きあたった(九後、hep-th/9511033 and references therein)。QED の場合で言えば、 ξ(∂μAμ)2 でゲージ固定した場合は Lagrangian は Aμ(x) →Aμ(x)+bμ という大域的対称性を持つが、これは明らかに破れていて、その NG ボソンは確かに光子である。また、九後先生の教科書の一巻に書いてある自称 QCD の閉じ込めの純代数的導出が実際のところ閉じ込めを説明しているのか誰しも悩むところだが、変換の生成子の定義式が収束するかどうかという微妙な点がこれに関わってくるらしい。というわけで俄然重要性を増してきた感じだ。
物性夏の学校はおもしろそうですね…
20日。昨晩小雨が降っていたお蔭で過ごしやすい。自転車で帰っていると夕焼けが穏やかだった。
先日来僕に Linux の話を書かせていた違和感がやっと明確になった。マスコミはオープンソース運動に対しては少なくとも暖かい視線を送っているのにも拘らず、それと精神は本質的に異ならない科学の分野に対しては産学の共同が足らないなど扱いが冷たいのは何故だ。そもそもオープンソース運動も、非常に遠回りには関連するビジネスを生むだろうが、それ自身は科学と同じく何ら金を生み出さないではないか。(註: 僕の接しているマスコミは日経だけなので、皆さんの感想と異なるかもしれません。)
台湾みやげというのは、台湾のコンビニで買ってきた、あやしい日本語が袋に踊っているスナック菓子のことであります。
ゼミで H 教授から、 't Hooft がゲージ理論の繰り込み可能性を証明したのは22歳のときだと聞く。
ゼミで、非摂動効果はたいてい exp(-a/g) という依存性を持つが、繰り込み群から来る場合やソリトンから来る場合などさまざまであると議論する。話を明確にしてくれる例として、陽子の質量も同様の依存性を持つけれども、それがソリトンと解釈できるのは香りが2つ以上ある場合だけだ、と教えて貰った。
S 助手の助言に従って、polyakov 線ではなく wilson 線をはかってみた(面積則, 周長則)。Z/2Z gauge 理論で、測定点数を増やすためサイズを 16x16x16x16 にあげた。同一面積/周長で縦横の長さがことなる場合もあるのに、驚くほどよく一直線に乗るのは気持ち悪い。但し、周長則の場合は、片方の辺が 1 の場合は別の直線に乗ってしまったのでそれは外してある。
19日。暑い。帰りがけにぱらついたのだが、本格的な雨には至らず。雨のふりはじめた路上の独特のにおいを味わう。
昨日例の本を借りたので(ありがとう、B)すこしだけ読んだが、L. Torvalds は僕の思ったとおりの人物だったようだ。
今日のゼミは珍しく助教授が来てにぎやかだった。台湾土産をくだすった。
Callan の導出を追ってみたのだが、案外微妙だ。 このままでは massless のときには使えないし、ほかの Lagrangian のときにうまくいくかはぱっとは分からない。
18日。暑い。
今日の午後は F 先生の量子固体のヘリウム3固体の磁性の転移は第一原理計算がかなり成功しているという話と、 M 先生の宇宙物理における10の問題というお話があった。Pioneer 探査機が現今知られている効果をすべて考慮しても理解できない減速をしているという話もあるそうだ(gr-qc/9808081)。
F 先生の話で Kosterlitz-Thouless の渦の絵が出て、僕のこれまで思い込んでいた正負の渦の形は根本的に間違っていたことを知った。これでよくゼミを通過したものだ。
どなたか太陽系付近のダークマターの分布を教えてください。木星大気が束縛されているのが重力にのみ因るのならば、ダークマターも惑星に集中しているような気もするが、惑星の形成には衝突による散逸が重要な気もするので、太陽系の周りにのっぺり広がっているようにも思える。
Callan が Callan-Symanzik 方程式を帰納的に使った摂動論的繰り込み可能性の導出を書いている(Les Houches, Session XXVIII, 1975)。解読中…
17日。夕食は巣鴨の大戸屋に行った。帰りに坂を下っていると黒くにごった南の空に鈍く明るい赤い星を見た。火星だ。
Linux が配布代を除いて無料で、かつ自由であることが「新しい」と言う記事をまた読んだ。単に科学のコミュニティの、知的結果を共有する慣習の現れだと僕は解釈しているので別段新しいとは思わない。L. Tovalds 氏がどう思っているかは知らない。例の本を読んだ人に聞いてみよう。
物理学科に身近に数学を好む人が数人いるけれど、えてして、物理の普通の記述が仮定をきちんと述べたり確かめたりする厳密さに欠けているのをみて、ただ仮定をきちんと述べて確かめることだけで満足しているように見えて全く勿体無い。折角だからその仮定がどのような物理的条件に対応しているかを考えてみれば良いのに。と自戒も込めて。
誤差評価とかはまだですが。格子は12x12x12x12です。energy per plaquette, polyakov line。寝ます。
16日。豚じゃがを作った。味付けがうまくいったので満足だ。
お米を買いに行くたびに、既洗米の棚に占める割合が増えている。しかも未洗米より安いのが理解できない。そもそもお米は洗うものではなく研ぐものだろう。
四方堂から例の岩波講座が届いた。明倫館で発見したのを K が買ってしまわなければ僕は買わなかった。一種の嫉妬である。大本棚の文庫本を小本棚へ移動させ、かわりに鎮座さす。ぱらぱら眺めてこの30年の物理の変化を考える。あまり読まないだろうが、古典的な基礎的な結果の百科として使えると思う。
昨日図書館で、対称空間のホモトピー群の計算が簡潔に予備知識から書いてある参考文献を発見した(紀伊国屋数学叢書のリー群の位相の上巻)。これも読まないと思う。
現在4次元 Z/2Z ゲージ理論の相転移を計算機実験中。作用を手でプログラムするのがあまりに面倒だったのでまずスクリプトを書いて100文字×24行くらいを自動生成させた。
15日。寒い寒いと N が言うがそうかいな、と思っていた。家に帰ってみると確かに随分久しぶりに温度計が上にひとつ上がっている。この温度計は祖母が去年の誕生日に贈ってくれたものだ。大雑把だが綺麗で良い。ドイツ製とかで夏は使い物にならない。
文京区にも道路下に封じ込められた川がいくつかあるとは聞いていたが、大雨であふれて浸水したので治してもらったという某党のビラを今日帰りに発見した。
昨日「生きている証拠に日記を書く」と書いたのは別段詩的に表現したのではなく、実際に身の回りで、ネット日記が数日止まっていて心配で友人が家に尋ねると死んでいたのを発見されたという話があったのを踏まえて、言葉そのままの意味で書いたのです。
今日の談話会は新任の S 先生の非平衡開放系の理論と実験の話。粘菌の分化が一般の力学系の分岐理論の範疇で理解できるか実験したいというが、たんぱく質がご専門の K 先生は生物は遥かに複雑だからうまくいかないだろう/変数を減らした現象論で理解できても何になるだろうか、とコメントした。分化が既成の物理の守備範囲に落ちるか否かをチェックすることは、取り敢えず物理の観点からは充分意味のあることだと僕は思う。
談話会前のお茶の会上で最近ぼくはこんな人を読んだらしい某君に「野球は駄目か」と問われた。僕はこういう話題は冷静に話せないのでつい興奮して議論してしまう。僕はずっとある程度理性的な人はすべからく多少集団嫌いになるものだと根拠無く信じていたが、最近充分理性的だがしかし多少右な人が存外身近にいることを発見して不思議に思っている。最大限に誇張して言えば、僕は彼を人間の敵だと思っているが、彼は僕を国家の敵だと思っているのだろう。
14日。それほど激しくは無いが、雨。
計算中で気分転換と称して日記を書こうと思ったが、気分転換する気にあまりならない。生きている証拠に定時に日記を書くことにしているので、取り敢えず。
12日。雨は降らないがどんより曇っている。もの悲しい。まあまあ成功裡に発表を終え、総合図書館の端末で過去問のファイルに手を加えたのち家へ。おやつにハンバーガーでも買って帰ろうとマクドの前に自転車を止めると偶然目の前に N が居たので方針を転換して巣鴨の大戸屋で夕食を。
昨日の話だけれど、今日出すべきレポートを珍しく楷書体で印刷してみたのを自慢していると、僕が指摘した講義中の先生のミスと全く同じ間違いを犯していることを指摘された(ak と ak†の交換子は 1 じゃなくてδ(0)だという話)。これでは科学は発展しないと反省するしだいだ。
日記を書いていると F から電話があってメールの応答に毎日時間を使うのは馬鹿だなどと話し込んでいると1時になってしまった。多少自己矛盾を感じるが、面白かったのでまあ良い。寝ます。
11日。朝は止んでいた。学校でかなり降られたが家に帰るころには小雨になっていたので助かった。家にカレーがあるが、帰り際にラーメンをおやつと称して食べる。
今日は赤外線で原始星、原始星の円盤、主系列星の一部にある円盤を観測する話と、 銀河間のバリオン(普通の物質のこと)の量をX線ではかる話と。バリオンの量はビッグバンでの元素合成理論に従えばヘリウムと水素の量の比から推察できるのだけれど、われわれの近辺では見えているバリオンは全くそれに足りないのだそうだ。で、僕が「陽子崩壊のせいではないでしょうか」と聞くと、先生は固まってしまわれた。
一人目の先生のよた話で、日本初の人工衛星はうちの大学だけでやったんだ、ほかの国は軍が金をつぎ込んでやったのでこんなのは世界どこみても無い話だ。とあったのを聞いて僕はすこし喜んでしまったが、このような人類の敵の考え方をしてはいけない。と深く反省するしだいだ。
星の質量の下限も Peacock の後ろのほうに載っていた。上限である Chandrasekhar 質量に微細構造定数を2回かけたものにおおよそなるようだ。やっと明日の発表がなんとかなりそう。
10日。曇っている。夕方は雨。懲りずにまたカレーを作る。スーパーに行くと枇杷を売っていた。
星の寿命は自然単位系ではだいたい 1/(Gme2mp) 〜 10億年 となる、という記述を追う。
9日。遠足中の落石とか、小学校で無差別に刺すとか、ひどい事件がつづく。僕はまだ死にたくない。
昼前に買い替えでいらなくなった僕の外付け CD-R を取りに N が来る。モスバーガーで昼食のあと、本郷へ向かう。正門の道を渡った反対側にウェディングドレスを着た花嫁を見た。卒業アルバム用の写真を取った後、ピアノを2時間ばかり弾く。4月中旬から本物のピアノには触れていなかったので、随分久しぶりだ。
夕食は数学科の E さんほかと。僕ら物理学科ではゼミで一回に進むページ数というと6ページ行くか行かないかだが、彼は数10ページ進むという。数学のほうが物理より難しいのにこれはどういうことだと悩む。
非可換場の理論の解説を印刷したり。
8日。鍵はめがねケースの中に入っていた。朝は地下鉄で行く。ここ数日の雨のお蔭か、随分過ごしやすい。持って行った長袖が役に立った。
午後の駒場の講義は今日は休講なので、本郷にとどまる。なんだか勉強する気がおきないので、図書館でいろいろ論文や解説を眺めてすごす。小形先生が物理学会誌に書いたの記事の題「如何にして私は波動関数を愛するようになったか」は秀逸だ。
ネター式に保存則を導く際にどこで運動方程式を使うかが、普通の電荷のときと、gμνを使ったエネルギー運動量保存のときとで微妙に違う。ような気がする。2次元の共形変換の場合も微妙だ。
標語的理解は良くない。物理的に重要なのは時間順序積だけだ、という場の理論の標語のせいで久保公式を受け入れる心理的障害があった。しかし、標語の実質をすこし反省すれば、むしろ久保公式は場の理論の背景のある人には導出の必要がないほど明らかなことなのだ。
7日。うまく空を飛べなくなって悩む夢を見た。
朝は休講だったので、昼ごろから一日の三食のうち二食を摂りに大学に行く。行きしはお日さんが見えていたくらいで自転車を使った。帰りしはとぼとぼと歩くことになる。5時に図書館を出ると土砂降りで、これはかなわんと取り敢えず中央食堂へ。食事を終えて出てくると期待通りすっかり小降りになっていたが、さてポケットの中をまさぐるも鍵がない、という次第である。
鍵を探しに端末室に行くと、数時間前とまるで変わらぬ体勢の T 嬢を見たので、計算の進捗状況を聞いた。静電場とレーザーを組み合わせて分子の向きをそろえましょう、と Schroedinger 方程式をひたすら解いているそうな。
思い出したようにクレジットカードの手続きに行った。
アメリカ海軍の軍艦の笑い話を読んだ(Scientific American, Nov.1998 p.26)。何かの解析ソフトが誤入力に対し頑丈でなかったので、間違って入力したゼロで除算エラーが起きた。さてそこでシステムに NT を使っていたため、船全体の挙動が不安定になって、海の上で数時間立ち往生したとか。
6日。今日食べた冷奴は、昼ご飯のも夕ご飯のもおそろしく軟らかかった。これは梅雨入りしたからに違いあるまい。
コンビニから出て自転車にまたがると異様にペダルが重い。走りながら原因を究明したところ、左のハンドルにかけた傘の柄の曲がった先がブレーキにかかっていたのだった。
印刷し終えた講義録を簡易製本する。なんだか今日はうまく融けたところに紙がつかず何度も失敗した。
格子場の理論ゼミは kosterlitz-thouless の議論に入った。
2点間の距離の共形変換が端点でのヤコビアンをかけるだけになるのは一見不思議だが、距離はゼロ質量自由場の相関関数で書けることから逆に理解できる。
nethack-gtk を cygwin/xfree86 上で make する為には、win/gtk/xshm.c その他の X の共有メモリ拡張まわりをあからさまに無効にせねばならぬ。You are lucky! Full moon tonight.
5日。相変わらず朝は暑い。近くの工事が始まるまで寝ているのも暑さの原因ではある。帰りがけはうすぼんやり曇っていた。去年も書いたように思うが、文京区は枇杷の木が多い。ちょうど実がおいしそうに色づいていて、自転車で下を通るたびにもぎ取っていこうかと思うのだが、鳥が食べて実が減っているように見えないので、似ているが毒のある別種だろうかなどと恐れている。そもそもそんな近縁種はないかも知れんが。
駒場の数学科からわざわざ本郷まで卒業写真を取りに来た T に会う。ゼミの先生厳しいとか。Tシャツの上にまじめな上着というのは変だと思うぞ。
今日の宇宙論ゼミは監督する助手の人が急におくやみで休み。でまた素粒子論にもぐる。今日は藤川先生。Weinberg vol.I chap.2 の終わりあたり、ローレンツ群の射影表現で、そのリー代数が非自明な中心拡大を持つのが原因のは存在しないことの証明。
を始めるときに、発表する某君が突如黒板に怒涛のように群のコホモロジーの低い次数のあたりの定義をあからさまに列挙し始めたので、懇切丁寧に説明してくれるものと思いきや、「というわけで、Weinberg の『これを 2-cocycle という』とあるのは間違いで、『これを 2-cohomology という』に改める必要がある」と来たもんだ。とっとっと…
その証明は一般の次元のローレンツ群にも通用しましょうか?と質問するも、すぐには分からなかったので、家に帰ってすこし考えた。2次元では中心拡大が存在する。わかってしまえばこれは有名なことで、1+1次元の場の理論でよく背景電場があったり、2次元統計力学で magnetic translation を考えたりするのと関連がある。
パソコンを変えて、ディスク上に150ページスプールする空きが出来たので今日ひづけがかわったころ応用共形場の印刷をはじめたら、奇数ページの出力が済んで偶ページに入ってすぐインキがなくなった。よって今日は黒インキを買った。
Cygwin/XFree86 という Microsoft WINDOWS 上で X Window System が走るすぐれもの、というか愚か者がある。K君に焼いてもらって導入した。ものは試しに xv を make してみる。実質上一発で make が通ったが、一度 make が gcc を呼び出したままお亡くなりになったので強制終了させたりした。さすがMicrosoft, プロセスまわりが弱い。
4日。朝は夏だった。服を半袖に替えて行くが空気は生ぬるい。しかし教室は冷房が効いていて寒かった。明日からは羽織るものを何か持って行こう。今日は朝焼けも夕焼けも見た。
夕食時に F 、土曜日の話で「近況報告とかするんだろ、最近なに勉強しているかとか。」というが、それこそ理系人間の発想なので、普通の人は驚いたことにそれ以外に近況報告することがあるのだ。と返すと彼も驚いていた。
Microcanonical Monte Carlo は(徐々に進歩はあるものの)相変わらずうまくいかない。
今日の現代物理紹介は去年の LEP の Higgs 探索の話と、QCD物性実験すなわち重イオン衝突の話。核物質を高温にするとその中を伝わる中間子は軽くなるとかで、それを崩壊で生成した軽粒子を捕らえて確かめたいとか。
3日。新pcの設定にかまけていてあまり勉強しなかった。反省。
早速 Internet Explorer の挙動が怪しくなった。立ち上げて一つ目の窓のファイルメニューに「オフライン作業」が現れないのだ。二つ目からは出るのだが。
星の重さの下限が分からない。
6月2日。あと数日で満月か。
お世話になっている奨学金の財団のあつまりがあった。例年同じ場所なのだが、最寄り駅はどこだったかと早朝に案内の封筒を開けてみると、学業証明書と成績証明書を持ってこいとある。失敗した。そういえば昨日は駒場で地下鉄の3000円の支払済みカードで2000円残っているのを紛失したし、目的地について書類入れの奥を漁ると5月31日期限の新聞料金振込み用紙が出てきた。新聞はこれまで振り込み忘れたことはなかったのに…
アークヒルズ36階で近況報告、著名らしい弁護士さんのお話を聞いた後、37階で立食パーティ。なぜこうも人間のことにしか興味のない人ばかりなのだろうと思いながら、それでもたらふく食う。よく晴れてはいるが東京らしいにごった空。新宿のビル群より少し南の地平線に赤い太陽が沈むのを見る。おなかは膨れたが心は冷めている。
2次会にはいつもどおり出席せず。皆と反対方向に六本木一丁目の駅へ。昨日本郷三丁目の駅近くの路上に放り出してあった自転車を取り戻しに行く。
新ノートの設定はほぼ完了した。