Nov 30 23:42

30日。まず昨日の追加。昼に食堂で航空の某に遭遇したとき彼これまでインテリアにしてあった Feynman lectures に関して曰く、 読み出したら止まらないと。

夕方、実験室の窓が東を向いているのでほぼ満ちた月が上野のほうから昇ってくるのが見えた。

今週でた宿題で、 e+e-散乱で粒子を生成するときのスレショルドの様子がディラック粒子の場合∝βでスカラー粒子の場合∝β3 になることを確かめよ、というのがあったが、僕の頭には Weinberg のスピンが大きいほど生成しにくいという記述が無批判染み付いていたので不思議に思っていたが、確かめてみるときちんと電磁気のような長距離力では成り立たないと書いてあった。

さて、本日の話題。朝は宇宙論。電子陽電子消滅による光子の加熱においてエントロピー保存と思っていいのは何故か、と聞くが、先生も気にしたことが無かった、とか。考えてみるべし。

さて、その後昼食でなぜか話題が量子ゼノン効果に向かう。僕が粒子って見てたら崩壊しないんだろ、というと U 曰く t2 なら兎も角 t1 は見たぐらいではどうにもなるはずが無い。それは確かにそうだ。よく思い出してみると、崩壊確率ははじめ t2 なのがしばらくして t1 になるので、かなり猛然と観測すれば効くはずだが、評価は困難そうだ。例えば神岡で陽子が崩壊しないのはあんなに睨みを利かせているからではないか、などと妄想する。一応論文を検索してみると、直接神岡に言及したものは無いようだが、場の量子論では崩壊確率ははじめから t1 だという論文はあった(quant-ph/9807084)。

昼食後2時半まで暇だったので随分久しぶりに三四郎池をめぐる。もみじが真っ赤で水面に空を動く雲とともに映っていて、なかなかの絶景である。

2時半から4時までゼミ。

4時から談話会。量子情報の話。前も絡み具合が判っていないらしいと書いたが今日もまた聞く。講師の方にそんな問題が解決していないとは信じられないと問うと、「そりゃ 26次元や代数幾何の判る人には簡単なのかもしれないが」と意味不明な返答が帰ってくる。そう思うなら数学科の専門家にでも頼んでやってもらえばいいのに。純粋状態に限れば数学的には、V=C2x C2x…x C2 (n個のテンソル積)に G=SU(2)xSU(2)x…xSU(2)が自然に作用しているときの orbit を分類せよ、という問題に過ぎないので、一般論から言って invariant を見ればいいはずだが、v∈V を自分自身と何回かテンソルして G の既約表現に制限して長さをとったりすればおそらく充分沢山の invariant が得られると思うのだが。polynomial relation がどうなるか良く判らないけれど。例えば V=C2xC2xC2 をあからさまに計算したのは quant-ph/0001091を見よ。

食事を取って帰る。

深谷さんの本を借りた。1章は感動的だ。


Nov 30 00:01

29日。今朝はちょっとだけ早く起きたので、本郷まで行ってから地下鉄で駒場に行くことにする。が、南北線で乗換えをてっきり溜池山王だと思い込んで一駅乗り過ごしてしまい、講義に数分遅刻する。今日は細部は兎も角、話の筋書きはよくわかった。spectral flow が一次元上の指数定理でわかるという話。物理で言えば chiral anomaly で本質的には peskin-schroeder にも載ってる話だが、何でも来週は同じものが切って一次元下の断面での lagrangian submanifold の maslov index で書けるという話をするらしいが、今あげた2用語は定義すら判らない始末で、恐る恐る挙手して「来週の話をわかるための、lagrangian とかの参考文献を教えてくださらないでしょうか…」と言うと先生うーんと唸って、「あまり適切ではないですけど、深谷先生のシンプレクティック幾何を今思いつきましたが」というので周りの人が皆ガハハと笑う。兎も角、物理的解釈のある話のはずだが僕は聞いたことが無いので、来週が楽しみだ。

さて本郷にもどって昼からは実験。ノイズは取り敢えずおいておいて、負荷およびドレイン-電源間抵抗をいろいろ変えて出力電圧のデータを取る。途中で派手に放電させてしまってICをひとつお釈迦にした。

帰りに大学構内を自転車で走ると、降り積もった銀杏の葉で車輪が取られそうなぐらいだ。


Nov 29 00:34

28日。快晴だが、上のほうの階から遠くを眺めると、低い空は濁っている。

朝は講義を聞く。強い相互作用のおおざっぱな話。

昼から実験。ノイズはそもそもその辺りに遍在する電線の 50Hz を拾っているものもあると発覚。

夕食の後も実験を続けていると、気がつくと10時だった。慌てて帰り支度をし、しかしゆっくり自転車をこぐ。危ないからね。


Nov 27 23:39

27日。また快晴に戻った。月が満ちつつある。のどをおもんばかって朝夕の自転車通学時には飴ちゃんを口に含むことにす。

朝は珍しく爽快に7時半に起きたので、多少ご本を眺めてから大学へ、総合図書館で本を借りて次は本屋、航空の某と遭遇して四方山話。ピアノを弾きに行くと太陽が低いため部屋が光に満ちている。さて昼食、物理図書館へ、U と遭遇してよもやま話。

昼から実験。ノイズはそもそもスイッチング電源から発しているものもあると発覚。また、コンパレータの精度が±3mV オーダーだから出力を例えば20分の1にして見ていると±60mV のリプルは避けがたいと認識。そう思うとこれ以上改良しようもないように思える。(開き直っているつもりは実験中は毛頭無かったが、こう今書いてみると如何にも開き直っているように聞こえて多少不快だが…)

9時に切り上げてまたピアノ。バッハという作曲家が居たことを随分久しぶりに思い出して思い出そうと試みるがあたわず、さっさと家に帰って平均律の2巻を取り出す。譜面を意識して読まなくとも楽譜を前にすれば案外弾けるものだ、と、トンパ文字みたいなものか。

hep-ph/0111321は間違いだと思う。というか彼(女)の周りには相談相手はいなかったのだろうか。(それとも僕の勘違いだろうか。)


Nov 26 22:38

26日。先日から何度も毎日快晴で詰まらんと文句を言っていたら、今朝は雲が空を覆っていた。もっとも、夜には晴れたのだが。銀杏並木がまっ黄色になって、落ち葉が道を埋め尽くしている。

昼はゼミ、4.7まで。

ちょっとだけ実験室に寄るが、早めに帰ってきた。


Nov 25 23:23

25日。ぐうすか寝る。

昨日実家から4W1Hクラブだかなんだかで借りている菜園で取れた野菜を送ってきたので、夕食のお味噌汁に大根を入れようと冷蔵庫から取り出すと先端が凍っていた。なんということだ。

はっきり言って何も勉強しなかった3日間だったが、まあ休養をとったということでよしとしよう。

Witten その他の密輸入業者の書いた論文を理解するために、必要な数学を勉強する、ということならなんとか出来なくは無いかもしれないが、自分がそのような論文を書けるために必要な数学の素養を身に付ける、というのは途方も無く困難に思える。まあ、僕が密輸入を仕事にする必要はないのであろうが…

dviout で hyperjump が戻れないなどと世迷言を書いていたが、backward history ボタンで戻れることが判った。(view->change buttons の設定の加減で fore/backward history ボタンが消えていたのでずっと気付かなかった。)言い訳は兎も角、きちんと調べもしないで文句を言っていたのは全く申し訳が立たない。


Nov 24 23:58

24日。洗濯。快晴が続くのでベランダに干した。

昼前に家の周りで散々カラスがカアカア言う。これは地震の前触れか、などと思って、出かけている間に家が焼け落ちたら集めた本はどうしよう、などといつもの考えをめぐらすが、出かけた先で死ななければそれで有難く思わなくては、とはじめて気がつく。昼をこしらえて食べたあと、あまりの気持ちよさに干したふとんにくるまって昼寝をする。目が覚めると夕焼けだ。

夕方から新宿某所へ行ってEさんともうひとり数学科の先輩とトンカツを喰らいに行く。ひもの修論はたいていレビューなのになぜ数学科は新しい結果を出せるのか。などと質問す。さて昨日の日本は休日だったので忘れていた arXiv のチェックをして、目に留まったhep-ph/0111279でも印刷して眺めてみる。「なんとうさんくさい論文だ!」と思わず叫ぶと E 曰く、数学の場合は論文は取り敢えず定理と証明は書いてあるから、(面白い面白くないは別として)胡散臭いとかそういうことはない。と。そこからいろいろ話をする。


Nov 23 23:44

23日。先週書いた桜の木はすっかり葉を落として残っているのはもはや数えるばかりだ。

今日は何も勉強しなかった。ショスタコーヴィチの四重奏全集と24の前奏曲とフーガを久しぶりに棚から取り出して、じっと聞いていた。


Nov 22 23:24

22日。今日も快晴。朝は駒場へ。毎週先週の復習を1時間やって新しいことは30分なので、理屈はよく判らないなりにも事実は頭に残る。

朝の時点では一度家に戻ってPCをもって本郷へ行くつもりだったが、面倒なのでそのまま行く。

実験は相変わらず進捗は無い。初段のCWで作った 100V をもう一度入れる2段目のCWが稼動した程度か。ずっとオシロをにらみながらリップルの原因を考えていると、あっという間に日が傾く。さてS助手がちょっと見せてみろというのでご覧いただくと、あれよあれよというまにリップルの一部は配線を通じてではなく空中を飛んで回路中で発生させているクロックから来ていることが判る。オシロのプローブの針をプローブのアースでつまんだ状態で回路に近づけるだけでオシロに0.数Vの波が出る。装置の進歩によって、こんな微弱な信号でヘルツの実験が出来るのだ、と言い換えれば聞こえは良いけれど。

9時半にピアノのおいてあるホールへ向かうとブラームスのピアノ四重奏の何番かを演奏中だったので邪魔しては行けないと思ってとぼとぼと帰る。

さて2匹目の狂牛病であるが、日本でも一年あたりインフルエンザで1万人死ぬことを考えれば大した問題ではないのかもしれなかった。ただしそれは確率的な話で、自分がそうなるのは勘弁願いたいから、牛肉を遠ざけてはいるのだが、これまた発覚するまでバクバク食らっていたことを考えるとあまり意味はないのかもしれなかった。まあ万が一発症したらチャーリーにならって頭がやられていく様子を克明に日記に記すさ。


Nov 21 23:56

21日。秋晴れが続くせいか、すこしばかり空がにごってきたように思う。夜西の空にかかる月が太ってきた。

朝は講義。先週の疑問をほったらかしにしていたことをようよう思い出したので U と K と昼食を摂っているときに押し黙って唸って考える。断面積や流束という概念は正面衝突のときには文句なしに定まるから、それをローレンツ共変にする際にスカラーとして拡張するかテンソルとして拡張するかは趣味の問題だ。だから「どちらにすべきか」と問うのは無意味で、それぞれどうなるかを問うのだ。さてスカラーの際は前書いたようになるのはそれはそうである。一方断面積というと反対称テンソルでなければならぬよう思える。これは Peskin-Schroeder にそう書いてあったのを無批判に覚えていたからだが…とここまで書いて PS を確認すると最終的な答えが書いてあった。兎も角前回の√((pA.pB)2-mA2mB2)は丁度 pA と pB から作った反対称テンソル pAμpBν- pAνpBμ の大きさになっているのだった。

上の段落を読み返すと、ちょっとしたことを理解して、それがちょっとしたことだとは一応理解しているものの、実はちょっと得意になっていたがそれに気付かず、既にきちんと述べられてあるのを見てはじめて内心の思い上がりを認識したのがありありと伺われて、なかなか自分の愚劣な内心が良く現れていてよい。

実験はどうも進捗が無い。きちんと各点の波形をスケッチして考えろとの助手のSさんの助言は全くその通りだが、思ったことを次々に空中配線して刻々回路の定数が変わるから各点で観察するのは億劫なのだ…との思いを断ち切り多少スケッチしはじめたが、(非常に無意味な言明だが)リップルはコンパレータから帰還の経路を逆流しているのではないか、と思ってそちら向きにもローパスフィルタを入れ(i.e. 抵抗をひとつ増やし)てしまったので状況ががらりと変わってハァ。またやってしまった。と思うのであった。

結局リップルの大きさ自体は殆ど変わらない、もしくはすこし大きくなり、発生頻度がランダムでなく非常に定期的に 1μsごとになった、と悪いことだらけだが、オシロでは観察しやすくなった。全く駄目だ。

今日は7時に切り上げて食事をして帰る。


Nov 20 23:18

20日。不徹底なのはよろしくないが、流星を確認しなかった。

朝一度目が覚めて二度寝してしまったあと気味の悪いほど vivid な夢を見た。内容は覚えていないが、情景が異様に精彩であって目まぐるしく変化するので酔いそうになった。

さて大学の正門を入って銀杏を見る。昨日ほど見事には見えない。ふと計数の図書館に行く気になる。前から借りられていた本を確認するが相変わらず借りられている。仕方なく蔵書検索で面白そうなものはないかと見ると何故か「物理と数論」とか何とかいう Springer の本があるようなので地下の書庫まで行くが当然これも借りられている。なんということだ。

昼から実験。今日はほとんど進展が無かった。まず、また基準電圧が揺れだしたので原因究明。トリマ抵抗が回し過ぎでお亡くなりになっていたので、狭いところから引っこ抜いて差し替える。あとはひたすらさざなみを消すべくいろいろ時定数をいじってみたり、出力とGNDの間にでかいコンデンサを挟んでみたり。今頃になってオシロの端子はAC結合が出来ることに気がつく。これでリプルを見てみると、1/20に割る前後で peak to peak としては同程度の振幅であることがわかるが、信じられん。説明書が手元に無かったからオシロのAC結合の時定数が判らんのでなんとも言えないが…

というところで9時半、ピアノに向かう。今日はピアノがあいていたが、もう遅いので30分で帰る。

眼鏡ケースを紛失した。金曜に眼鏡をかけて帰ってきたのだが、ケースがいくら探してもないのだ。昨日は金曜に歩いたところをおよそ回ってみたが、見あたらない。


Nov 19 23:40

19日。日付が変わってしばらく勉強しようとするが、集中せず。2時に窓から外を見てみるとすっきり晴れていて、痕を残して流星が飛んだのが見える。そこで温かい格好をしてベランダに立つ。途中交差点で空の広いところに行ってみたが、下から見上げると街灯の光が目に入って良くない。諦めて家に戻る。

何秒間隔か測ってみたり、3時20分から45分まで数えてみたり(41個)、ならせば一分間に3つ弱くらいは見えた。一分間に3つというと少なくも聞こえるが、降るのは間欠的なので、飛ぶときは連続して飛ぶのだ。見事なのは消える直前に特に明るく光って、痕の末端が太くなるのをみた。4時に切り上げる。単純計算でも300個弱はみたはずだ。ホットミルクを入れて熱い風呂に入って、5時ころ寝る。

都心でこれなのだから条件の良いところへいった人は素晴らしいものを見られたろう、と思っていると、今日の夕刊によれば数秒に一回飛んだとか。

もっとも、これほど長い時間天空の一箇所を眺めて確かめたことは無いので、毎日あれだけ流星が降っているのかも知れぬが。とここまで書いてときどき望遠鏡を出して数時間星を見たのを思い出したので、やはり普通はあんなに飛ばないのかも知れぬが、しかし望遠鏡を覗いていると視野角が狭いので云々。

昼から大学に。正門を入ると青天を背景に黄色くなった銀杏が太陽を受けて輝いている。2時からPSのゼミ。p. 101まで。

ゼミを終えて5時から9時まで実験。ただし7時から7時半すぎまで夕食。金曜に書いたとおり、時定数 10μs のローパスフィルタをつけると収まった。調子に乗って、作った100Vをもう一つ別のCockcroft-Waltonにつなぐ回路をつくる(今思うとMOS-FETの耐圧がかなりぎりぎりだ。負荷があるから80V まで下がってはいるが、ON 直後など危険だ)。そうこうすると途端に初段のCWの出力が不安定になり、原因究明に手間取る。帰還のための基準電圧が揺れていることが発覚、どこかで発振しているのかと必死に調べるが、単に配線が一箇所取れかけていただけだった。アホだ。さて初段の出力を直接オシロでみるとなんら問題は無く見える、しかし1/20に抵抗で分割してから見るとスイッチングと同時にさざなみが出ている。おそらくオシロの特性のせいで、volt/divを上げて見ていると均されて見えているのだろうが、

というところで切り上げて、ピアノに向かうがまだオケが練習している。そそくさと帰る。

先日の話。PCをネットに繋ごうとダイアルしたら丁度電話がかかってきたところだった。PCのスピーカから Mちゃんのうろたえた声が聞こえた。十分後くらいの電話によると、集合場所の連絡だったらしいが、見事な偶然だ。

また今日ゼミで聞いた話だが、学生課のバイト紹介のところに、当方女子高生だが高校の物理はもうやったので相対論と量子力学を教えてくれる人募集というのがあったが、最近また見たらなくなっていたらしい。何とおいしいバイトだ…


Nov 19 00:11

18日。

近くの豪邸の庭に一本の桜がある。遠くからみてもその紅葉はなかなか見事だ。こちらは日当たりは良さそうなのだが、一方別の家の細い路地に面したところの寒そうな桜はまだそれほど紅葉していない。

夕方だるまちゃんからまた電話があって、F が東京に来ているので一緒に来て飲めと。というわけで新宿に出かけて奴が高速バスに乗るのを見送った。なんでも、なんとかコンサルティングとかいうアメリカの会社の面接を週末受けに来たついでだとか。往復の新幹線代が出ていたところをバスを使えば丸儲けだ。このご時世に金のある会社だ。

今日は何も勉強しなかった。まことによろしくない。


Nov 17 23:56

17日。日付が変わったあたりから先日借りた Streater-Wightman を読む。序文および導入の文章は秀逸だ。一読に値す。1時半ごろ地震。interaction picture へのユニタリ変換 U(t) は存在しないという Haag の定理の証明をいい加減に読む。議論は大体次のようなものだ: 並進および回転で不変な状態として真空は一つに定まるので、U(t)は自由場の真空を相互作用場の真空にうつしているはずである、よって同時刻での場の積の期待値は自由場と同じになってしまう。これは有り得なく聞こえる。ではいつもやっている摂動計算はなんなのだろうか。

公理論的場の理論はローレンツ不変性を激しく使う。また、Weinberg は量子論でローレンツ不変性を実現するためには場の量子論が不可避であると言う。しかるに現今では場の理論は物性などローレンツ不変性の無いところでも頻繁に使われるのだから、場の理論の基礎付けをする際にはなるべく相対論を使わないで頂きたいものだ。残念ながらそんな本は見あたらない。かといって自分で議論を焼きなおすにはこれまで得られた結果のどこにローレンツ不変性が不可欠であったかを見て取れる程度には理解せねばならず、おいそれとその境地には達せない。困ったものだ。

で3時半ころに朝食を摂って寝る。13時起床、洗濯、外で昼食、部屋の片付け。ひげは昨日剃った。取り敢えず論文を読む。論文を読むと参考文献を参照したいが、ひとつの論文は複数の文献を引用しているので、読みたい数は当然指数関数的に増える。これでは早晩ひとりの人間の容量を超えてしまうと思われるが、どうすればよいのだろうか。

夕食後土鍋の内側を洗っているとなにやら染み込んだようでなべの底が灰色と白のまだらになっている。どうしたものだと見ているとみるみる灰の部分が広がって、これは内側にひいてある覆いに傷がついたかな、と見ていたが、なんのことはない、外側の素焼きの部分から水がしみこんでいたのだ。

相変わらず postscript ファイルを90度回転させて表示すると antialiasing が効かないので読む気がしない。相変わらずインキを買い忘れているので印刷することも出来ない。仕方が無いのでノートPCの蓋を120度くらい開けて側面を下にして立てることにした。

今日は適切な雲量で、家を出るたびに様々なかたちの雲を楽しめてなかなか面白かった。旧一号館内面のつたは真っ赤になっている、と昨日書き忘れたので追加しておく。


Nov 16 23:29

16日。文句のつけようのない快晴。

朝はめでたく実験室のプリンタで印刷して宇宙論の講義、今日は無駄話はなかった。宇宙開闢はじめての結合なのになぜ、recombination というのか、と無意味な問を発すると、Weinberg のはじめの3分間を読めとの答え。恐れ入りました。

昼食後2時まで図書館で本を読む、つもりが着ていたトレーナーを丸めて枕にして涎を垂らして気持ちよく昼寝してしまった。ゼミの相方が起きろという。今日は3章の問題を終えて4時にお開き。月曜は4章から。

さて30分ほど図書館で駄弁った後皆で安田講堂へ行って驚け、正門のあたりまで銀杏並木に長々と行列ではないか。1000人収容のところ750人くらいで中に入る。お話は brane の子供向け解説だったが、AdS/CFT における境界と内部の関係、および現象論的な extra dimension モデルにおける brane と bulk の関係を同列に語っていたのが僕のそれまでの思い込みと違った。AdS/CFT では境界と内部は equivalent である一方、 brane world では brane はバルクに浮いている付加的な構造だと僕は思っていたのだが。

皆で食事をすると8時、僕は実験室に戻って1時間半ばかし実験。内容は、昨日の変更のあと出た激しい ripple を取り敢えず観察。クロックは1kHzくらいにすると、電位が下がって電荷が供給されている間 1μs くらいの周期で細かく発振している。比較子のデータシートに拠ると rise time が丁度そのくらいだから…帰還のところにローパスフィルタを付ければどうかと思ってその辺に転がっていたセラミックコンデンサを空中配線してみるが変わったり変わらなかったり、きちんと時定数計算してみるかな、といった所。

もしもレポートに致命的な間違いがあった場合その場で書き直そうとノートPCを持っていったのを開けないのは癪なので、実験室の ether の端につないでプリンタと繋いで見たり。テスト印刷と称してまた50ページほど論文を。最近読む暇が取れないにも拘らず容赦なく a day, a paper 印刷しているので溜まって仕方が無い。週末読みたい。

10時になったので帰宅。昨日あんなことを書いて急に気になったのか唇を触りすぎて、唇のすぐ外側の肌を荒らしてしまった。こんなことは中学3年の修学旅行で山に登ったとき以来だ。


Nov 15 23:22

15日。ほうきで掃いたような雲。

朝は駒場へ。先週から、モース関数 f の指数 k の臨界点から自由に生成した加群を鎖としてホモロジーを定義したとき、(普通のホモロジーと一致するのだけれど∞次元への応用を視野に入れてそれを使わずに)結果得られるホモロジーが f に依らないことの直接証明をやっているのだが、細部はからきし判らず。

昼から本郷、実験。帰還の効き過ぎではなく、コンパレータのGNDを配線し忘れていたのだった。アホだ。電荷が溜まる速度はドレイン-Vcc間の抵抗で、電荷の抜けるのは負荷で決まるようだ。さて出力が下がってくるとFETへクロック信号を通してVccを断続するのだが、最後のクロックで電荷が溜まりすぎてしまうというバグがいた。これは電荷を供給する必要が無い場合にFETを切って無駄電流をなくそうと考えていたところ、クロック幅より初段に溜まる時定数が長かったため最後の1回だけ完全に電位が振れるのでその分電圧が上がってしまうというわけだった。仕方なく一段 not を取り去る。取り敢えず動いているようだが、まだ挙動不審もある。

9時に切り上げてピアノを弾こうと行くとまだオケが練習していた。しっぽを巻いて家に帰る。

さて宇宙論のレポートを書かないといけない。今日は実験のパートナーは隣の端末でしばらくレポートを書いたら、「あ、原稿全部持ってこなかった」といって家に帰ってしまった。よく考えたら家の印刷機のインキが切れたままだ。まあ明日実験室のプリンタで印刷しよう。

おとといの話だが、印刷した論文を喜び勇んで取った拍子に手を滑らせた。紙は顔にあたって、うわ唇を切った。昨日 K に501円返した。


Nov 14 23:22

14日。もはや天気はよくわからない。帰ってきたときは空の7割くらいを雲が覆っていたと思う。銀杏の葉が木によっては色づいてきていて、雨の次の朝などは道を落ち葉が覆っている。まだ枝を透いて空が見えるほどではない。

朝は e+e-→μ+μ- の断面積の計算法。Flux が lorentz invariant に√((pA.pB)2-mA2mB2)と書けるというのは解せぬ。正面衝突のとき軸方向のブーストに関して不変なのはそりゃそうだろうが。

昼から回路製作。取り敢えず暇なので Mockcroft の段数を増やしてみたがまるで電圧が上がらない。mock の場合耐圧がかなり要るのを忘れていたのだ。容量計で見てみると案の定、最高段のひとつがお亡くなりになっていたので引っこ抜いて取り替える。結局 5段で 20V が 90V強 になったのでまあよし。

4時半ころ懸案の IC と MOS-FET が届いたので発振器を組む。まず素子を勘違いして発振周波数が3桁高かったのでコンデンサの取替え。めでたく 100kHz のオーダーになったがなにかおかしい。一箇所抵抗の取り付け位置を間違っていたことが発覚。回路図→基板上の配置図→実際に回路を組む、の回路図→配置図の段階で間違っていた。アホだ。

気分転換に夕食。気を取り直してやりなおし。めでたく発振したが帰還が効き過ぎて電圧があがらない。帰還が無くとも危険ではないので取り敢えず帰還を切り離す。 20V をスイッチして 60V までは上がるが、理由は良く判らん。ここで9時半。

実験室を後にして30分ほどピアノ。帰宅。そして日記を書いている次第だ。金曜日提出のレポートは1/4ほど書いたが、仕上がるのだろうか。


Nov 13 23:48

13日。今日は気持ちよく晴れ。

午前中は初期宇宙センターのシンポジウムだが研究会だかに潜る。昼食はYせんせと偶然一緒になって昨日書いた PRL に出た論文の話を聞く。

午後の実験はとりあえず Cockcroft - Walton を作ってみる、ただし発振機の材料がまだ届かぬので手で電圧を入り切りする。まあ動かないではない。いつ持ってくるのか店に電話すると「前回持って行きませんでした?」と来たもんだ。全く。


Nov 12 23:29

12日。朝は雨。朝の講義に久しぶりに出ると丁度レポートが出た。内容は点群の表現。

昼ごはんを食べようと食堂のレジにならんで財布をみると財布の中に400円しかなかったので K に500円借りた。

昼から Peskin-Schroeder のゼミ。問題3.1 まで。相変わらず参加者は二人だ。彼はゼミには頗る熱心なのだが、実験で何をやっているのか聞いたりすると露骨に平然と「わからないが興味は無いから追求しない」と口に出すので、なんにでも興味を持ってしまいがちな僕としては専門に集中できる彼を羨望の眼差しで眺めるのであった。今日は途中から学部生ゼミ室を半分に仕切って、隣では物性理論の皆さんが Anderson のゼミをやっていた。はじめはどうなることかと思っていたが、集中し始めると何も気にならない。窓の外から夕日が白板にさす。そこに水溜りからの蒸気の模様が映っている。

5時ころにお開きにして、実験室に金曜に届いたはずの部品を確かめに行く、肝心のところが届いていないので如何ともしがたいようだ。助手のSさんと食事に行って、落ちた気球を回収しに道なき森を探検する醍醐味を聞く。プリンタを学生部屋に移したので、さんざん実験と関係ない論文を印刷する。

9時ころ切り上げて家に帰る。朝は電車に乗ってきたのだが、すっかり上がってしまって空には星が輝いているので、久々に歩いて帰る。

PRLをふらふら眺めていると恐ろしい論文に遭遇した(PRL87 171601)。インスタントンは π3(G) に起因する4次元的現象であるが、なんでも brane world では gauge field は短距離では4次元だが長距離(〜太陽系のサイズ)では実質的に5次元以上になって、そのためにそもそも θ真空などは存在しないと言う。得意げな顔して何がθ真空か。お前は無限遠で場が落ちるという意味を本当に考えたことがあるのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。お前、θ真空って言いたいだけちゃうんかと。 というのはおいておいて、僕は場の理論でいう無限遠というのは検出器ぐらいのサイズよりは当然遥かに小さいものだと思っていたのだが、どうだろう。


Nov 11 23:17

11日。見事な秋晴れ。

日付が変わって5時ころまでだらだらと小説など読んでいて、朝食を食べて眠って起きたら15時。遅い昼食にいって夕食の材料を買い、洗濯など済ませると17時。さて論文を眺めていると眠くなって気がつくと20時半。夕食を作って食べ終えると22時。という自堕落な一日であった。

今日は新宿の飲み屋で高校の上京組の同窓会をやっているはずなのだが、週末を二日とも社交でつぶすのはどうか、あまり地縁で結びつくのはどうか、と思うので行かなかった。といって上に書いたような一日を送っていると説得力に欠ける。


Nov 10 23:03

10日。雨が続く。夜になって止んだ。

昼過ぎ、上京中のだーちゃんから電話、高校のパソコン部連中がうちを襲撃しにくることになる、家のガリレオ式温度計が頗る人気があった。さて夕方から池袋へ食事へ行くことに、何故かこのご時世にもかかわらず焼肉を食うことになる。別段気にしていない奴が多いことを認識す。僕もそれほど強硬に反対するほど嫌ではないので久しぶりに牛肉を口にす。その後喫茶店に繰り出したのも居たが、僕とMちゃんは先にとぼとぼと帰る。

だーちゃんが散々デジカメでなにやら撮っているなあ、と思ったらなんとデジタルビデオだったようで、動いている自分を久々に見た。

Mちゃんも当然いま卒論のため戦っているのだが、なんでも Chip MultiProcessor とかいう 1 chip に cpu を沢山のせたものの上で速く走るような機械語を吐くようコンパイラ/アセンブラをいじっている所だとか。


Nov 9 23:39

9日。朝は宇宙論の講義。恒例の無駄話は、いつぞやの Nature の Hypothesis 欄に載ったという、ある持続期間 d (まだ判らない)を持った事例にその開始から a だけたったところで遭遇した場合に、d を推定するという話。例えば、私がベルリンの壁をはじめて見たのはいついつだ。さて家に帰って本を調べると壁が作られたのはいつだった。よって壁が無くなる時期は 95% の信頼度で云々。というふうに使うらしいが、なんのこっちゃ。

昼は2時まで図書館でふらふらと、2時から4時15分まで PS のゼミ。ディラック方程式へのローレンツ群の作用その他、判ってしまえば trivial だ。γμが行列なのかベクトルなのか、どの座標系で見ても成分さえ変わらないからスカラーなのか、昔混乱したなあ、と遠い目で見る。

4時半からは談話会。グラファイト上に吸着した3He でみる2次元フェルミオン系。

5時半からは素研のひもの勉強会に、どの程度ちんぷんかんぷんか確かめるために出てみた。hep-th/0108075 の紹介。ひらき角 2π/(2n+1) の円錐上をうごく紐を考えると、その効果によって有限時間で角度が(2n-1), (2n-3), ... となって結局平らになってしまうという話だが、詳細は何もわからなかった。平然と9時半までゼミが進行する。学生だけならなんとも思わないが、先生方も平然としているので多少びっくりした。

さてバンビにゆくと Feynman-Hibbs のゼミをやっていたらしい3年の皆さんと出会う。例の10円玉の話をする。ネットスケープで見ると背景が灰色なので白にしたって目立つと言われて、恥ずかしい限りだ。関連して某君いわく、「10円玉も全く同じでフェルミオンだとすると片手には二つはもてないんですよ。」そこで「しかし君、同一性の際たる物である電子だって君の手に二つ持てるぜ?」爆笑。教訓: A なら P であるが、 B なら Q である。これは何故だろう?と思ったときは、まず本当に A なら P であるか疑うことにしよう。

今日はいちにち雨であった。


Nov 9 00:26

8日。今日はひと月前富士の五合目を散策したときと同じ程度の服装で行く。

昨晩はあれから興奮してなかなか眠れず。朝は駒場で古田せんせいの講義。昼からは昨日書いたプログラムをいじっていたが、用いたアルゴリズムがタコなせいで素子のパラメタを少し換えると発散してしまう。STLの便利さは確認した。以前のような自前のバグだらけのリスト管理クラスからの解放。

昼食をひとりでとっているとO君あらわる。三項間代数の話を聞く。外積代数でなく、三乗してはじめてゼロな代数を用いて微分形式をやる論文など面白いとかいうので、そんな我々のような幼稚園児に理解できるようなちょっとしたことは実質はゼロだと強く出てみたがどうだったろうか。彼は逆の意見で、我々のような幼稚園児にすみずみまで理解できるから面白いのだ、と。わざと問題のある書き方で述べてみると、「まわりからは数学ができると思われている人に限って」、えてして50年以上前に整理の終わっている数学をさも重大であるかのように騒ぎがちであるのは何故だろうか。そんなものは道具として黙って使ってくれればよいのだ。と僕は思うのであった。僕らはあとで君が当然のように使ったのを理解するために泣きながら教科書をめくるからさ。

で、その3項間代数の親玉のカーナーさんだかカーターさんだかは閉じ込めを解決するのに使えるんじゃないかと息巻いているのだそうだ。閉じ込めの理論的解明に関しては、蒼々たる面々が本当に色々な角度から論文を書いているので、まずそれら及びそれらの相互関係を理解してからとなると、手を出すのは我々素人には少々おそれおおいのであった。まあ、どの分野も変わらないか。

疲れたので早めに帰る。最近4人以上で夕食を取ることが多く自分の信念に反しているのが心に痛かったが、今日はひとりだったのでそれが無い。となりに座ったよくしゃべるひとの話が耳に入ってしまってどうも困った。高校のときに何回か遅刻して職員室の窓を拭かされた、遅刻ごときでそれは厳しすぎるだろう、などと研究室の先輩だかなんだかに馬鹿丁寧な言葉で話していた。計量経済。エクセルは平方和とかが自在に計算できてすばらしい。など。僕はこれを聞いて当然「道具は黙って使っておれば良いのだ」と思うのであったが、人の振り見て我が振り直して見ると、僕が昨日今日と C++ と連呼しているのは全く愚劣に過ぎることを認識するのであった。

昨日数人で暗くなって建物から出てきたとき「今日も夜だねぇ」と口走ると皆一様にはぁ?お前アホか?という顔をしたので面白かった。有名な「その日は朝から夜だった」と同様に間抜けな言明だ、と言うのだが。

今日はかえりがけはまた雨がぱらつく。本降りにはいたらず。かえって昨晩の睡眠不足のため昼寝。よってこのような時間に日記を書いている次第だ。


Nov 8 01:26

日付が変わって8日。とりあえず正常に走っているように見え、Cockcroft 及び Mockcroft がまともに動作しているように見える。とりあえず満足して寝る。


Nov 8 00:24

7日。毛糸のセーターを着ていくが、目が開いているので自転車に乗ったときの風は寒く感じる。今日も晴。隣の建物の屋上におとといの雨で溜まった水はまだ消えない。とゆが詰まっているのだろうか。

昨日某君にC++のいい参考書は無いかと問われて Stroustrup のを勧めたが、三版になってすっかり STL づいているのを忘れていた。いくら開発者が初心者もOKと主張しても、やはり T と const T & の使い分けはポインタを理解しないとわからんだろうと思うのであった。彼には今日謝った。

6年ぶりくらいに C++ で回路シミュレータのおもちゃを作らんとす。前回は挫折した。今回は抵抗回路はうまくいくようになったがコンデンサーがどうもまだうまく行かない。一時中断して日記を書く次第。


Nov 7 00:15

6日。居室にいると大学の木々が紅葉を始めたのを見渡すことが出来るのは幸せだ。夕焼けが綺麗だった。家に帰るころは星の降るような夜空。ただし、街灯が無ければのはなしではあるが。

更に Hawking の論文を2編コピーす。もう一度無線屋をつっつくと、注文した品は金曜日に持ってくるとか。待ち遠しい。回路について工学部の友人からさらに情報を貰う。友人というのは有難いものだ。


Nov 5 23:11

5日。昨日日記を書いた後、結果だけ知っていて追ったことの無かった著名な計算をはじめるとすぐに up to sign では正しい結果が出たが、符号を確かめるのに3時までかかった。i が氾濫すると何も判らなくなるので Euclidean でやるのが癖だ。Lorentzian と同じ結果になると perturbative になら直接示せるはずだがやったことは無い。

灰色の雲が空を覆う不穏な空。12時に卒業アルバムの写真を取る。Uと食事を取っているとK先生が歩いてきて今日山上会議所でLEP symposium があるから興味があれば来いと。13時からしばらく話を聞く。

2時半から5時15分まで某と Peskin-Schroeder のゼミ。前回4人で今回2人だ。2章の終わりまで。

5時半から柳田先生の Beyond the EW physics という talk があるはずなので聞きに行くと、突如 brane world の話が始まる。聴衆は大抵 experimenter だから不審な空気がはじめは蔓延していたが、最後ちかくになって unification scale で α2 だけ少し小さく見える、および 1TeVあたりにもうひとつ世代があるという予言に及ぶと会場はほとんど半狂乱の様相を示した。もうひとつ非加速器のおそるべき予言があるが学生の計算が今日の talk に間に合わなかった。と講演が終わる。質問が飛ぶ。(文献は Imamura-Watari-Yanagida PRD64 065023, および Watari-Yanagida.)

素研の皆さんと食事。共著者のひとりに話を聞くと、先生は紐的にも完璧なように話していたがそうではないとか。食後総合図書館で論文を印刷しようとしていると航空の某あらわれ、僕の日記に Hawking の話を書いたミーハーさを責める。折角だから Hawking の論文をひとつ印刷した。図書館を出ると雨が降り出している。家に帰るころには案外の雨だ。一年ぶりくらいに甘い牛乳の割合の多いあたたかいミルクティーを入れて飲む。


Nov 4 22:43

4日。きのうと打って変わって、雲ひとつ無い快晴。ふとんを干して少しサイクリングへ。

今日は特に何もしない穏やかな一日。Zariski 位相という言葉をはじめて物理の論文で見た。何もわからない。


Nov 3 23:31

3日。しとしとと雨。我が家は臨済宗なのにも拘らず、家族にキリスト教に改宗しろと追いかけられる夢を見て疲れる。母がゴスペル教室に通っているという話を散々するからに違いない。まあ、次に「どうして私を迫害するのですか」と夢に出てきて僕が改心する前触れなのかも知れないが、万が一そうなったら誰か僕を止めてくださるように。

夕食にすき焼き風煮込みなるものを作るが、いつも僕は味付けが薄いので今日は気合を入れてはじめに砂糖をどかりと入れると逆に多少甘過ぎた。

同じ人の書いた講義録をたてつづけに二つ眺めたらまるきり同じ段落が数箇所あって、時代を表していた。


Nov 2 23:17

2日。朝は宇宙論の講義だが、先学期の理論演習でやったところなので詰まらない。再来週安田講堂に S. Hawking が講演しに来るという情報を得る。

昼はまず部品を注文したのが音沙汰が無いから電話。変な素子を頼んだのが見つからないというので、とりあえず残りの手に入った奴を持ってきてくれと頼む。追加注文をすこし。

その次に Peskin-Schroeder のゼミをすることになったのでまったりと始める。ラグランジアンが全微分の場合にその Euler-Lagrange が自明になってしまうのをストークスの定理に頼らずあからさまに計算してみたりする。ま、特にそれで何か理解が深まるわけでもないが。

実験をしている研究室はなぜか今日大掃除と模様替えなのだが、多少用事があるのを言い訳にして帰ってきた。

ゼミの部屋から外を見ると隣の建物に絡まっているツタが赤く色づいている。