24日。学校へ行く。すっかり春。
安田講堂前の銀杏並木を強く剪定しているのでがっかり。僕がもし大学総長なら…任期期間中は銀杏は切らせない。建物の立替だからといって本郷の貴重な緑は切らせないぞ。柏にいくらでも土地があるじゃないか。プレハブを柏に立てろよ。とあんまり無意味に怒ると幸せも僕を敬遠するだろうか。
NB, FKと散々語る。
16日。めずらしく朝早く起きて大阪に向かう。東京を出発するときは晴れていたものの、昼にこちらに到着してみると雨が降ったり止んだり。駅まで車で迎えに来てもらって難を逃れた。最近ピアノをめっきり弾いていなかったので、帰省中ぐらい練習してみようと思う。
17日。帰省に何の本を持ってかえるか散々悩んだのに、実際携帯した講義録はノートPCにpdfが入っていたことに気づく。これならGriffiths-Harrisを持ってくるのだった。
鞄にいれた論文以外にも眺めたくなる論文が多数。東京の下宿をADSLにしてから、arxivを見るときも論文をきちんと保存せず毎回捨ててしまうから…かえってそれ以前のほうがキチンと残っている。一方reviewはdiskに案外揃っていることを発見す。大抵.tar.gz
で落として組版に手を加えるからだろ。
昼から晴れたが、ぐうたら寝てしまって起きた頃には夕方だった。父はサイクリングにいってしまったとか、ついて行けばよかった。失敗した。
18日。晴れ。
昼過ぎからお墓まいり、4時前からひとりですこしばかりサイクリングへ。河原まで出て二駅ぶんほど走る。昨年の丁度今頃も同じ河原を走ったが、その時は雪柳が満開だったはず。今年の冬は寒かったらしい。ようやっとちらほらと花がほころび始めたところ。夕方なので水鳥が川の上で編隊を組んでねぐらへ帰ってゆくのが見える。意を決するために上空を何周か回る鳥の白い腹に夕陽があたって輝く。
19日。懊悩で何もせず。
20日。晴れ。以前からの予定のとおり、一家で鳴門まで渦潮を見に行く。春の大潮で、干潮が丁度13:30ということで最高の日和だ。神戸を回って吊り橋を渡って淡路島へ、縦断して鳴門の海峡へ。ここを渡る吊り橋は、道路の下に鉄道を通す予定で造ったもののそちらが立消えになったので下層に空きがある。ここに遊歩道が設置してあって、風に吹かれながら潮を望めるのである。
そもそも海峡の両側で海に高低差があるのが見て取れるのが恐ろしい。底の岩礁を滝のように海水が流れ落ちるのが壮観だ。説明によると、南側と北側の潮位がそれぞれ、太平洋からの直接伝播と、大阪湾〜播磨灘経由のもので決まっていて、その時差が丁度ほぼ6時間あるために流れが激しくなる。あとはカルマン渦だとか。
その後しばらく店を探して、FISH BONEとかいうイタリア料理屋で昼食。
帰宅の途上に、微妙に日本古代史に興味があるのも一因でいざなぎの宮に寄る。菊の御紋の氾濫する神社だった。おみくじをひいてみると、吉。久しい苦労は報われて蕾がほころぼうと。待ち人来る。勝負は負けよ。それが勝ちと言うことを知れ。縁談は互いの誤解が解け結ばれよう。学問はまず努力せよ。失せ物は出す物に伴おう。病人は神と医者を信ぜよ。大体このようなものであった。
結局渋滞に巻き込まれ、さんざっぱら苦労して帰宅す。
昨日でていた hep-th/0303160 は、全くこういうものが修論でreviewとして書けたらいいなと思っていたものだった。(勿論、修士一年の癖してこんな大層な減らず口を叩く馬鹿さ加減を棚に上げての発言であるが。)じっくり読もう。
15日。昨日家に帰る道のころから曇りだしていた。すこしはやいけれども花曇という風で、陰鬱ではない。起きて地面をみると雨が降って乾き始めた様子。
部屋の掃除と洗濯など。多少天気は悪いが仕方なし。
「習うより慣れよ」というのは理論物理にはどの程度あてはまるだろうか?例えば、この一年で徐々に K3 は怖くなくなってきた気がする。まずは事実の認識からはじめて、そろそろ理解の段階にはいりたいものだが。
14日の日記。今日はホワイトデーだったわけですが。
夕方から学校へ。今日は Flux と D-brane instanton でCalabi-Yauコンパクト化のモジュライを固定する話(hep-th/0301240)。ごく自然なシナリオに聞こえた。残念ながら現象論の素養が無いのでどのていどrealisticなのか判らないが…聴衆もいつもと微妙に異なり、紐な人のみではなかった。注目度をあらわしている。
その後みなで食事にでかけて、大学に戻ると10時。多少議論して家にかえる。
13日の日記を。ゼミの開始が1時半だったか3時だったか忘れてしまっていたので、慌てて大学に行くも、開始は3時だったので十分時間があった。integrating-inとN=1 SU(Nc)with Nf=Ncの話。助手さんのコメントによると、このあたりは結論の式の形はみな同意するが、一体それは詳しく言って何を計算したのかという点では全世界的に混乱があるとか、いろいろ議論したが矢張結論は出ず。
5時から卒業祝賀飲み会があった。かなり大騒ぎして11時過ぎまで。
宴もたけなわに近づいて、めでたく就職の決まった先輩が、素粒子の先行きの話など語って下さったが、そればかりは皆おとなしく、考え込みながら聞いていたようだった。
実験的インプットが無い状況で、内部の無矛盾性と美しさを指針に進んでゆくというのは困難ではあろうが、数学のみなさんはそれをずっとやってきたわけであるし、全く無理なことではなかろうと思う。勿論、そういう立場に立つ場合は、現実を記述しているかという問は棚にあげているわけだから、物理と言えるかという問題は常にあるわけだが。
12日。すっかり日が伸びた。研究室では伝統的に夕食に行く時間がだいたい決まっているので、外に出たときの明るさの変化が実感できる。
ポルチンスキのゼミ。一般のTdでのT双対の話。Giveon-ぽらっち-Rabinoviciでもキチンと読もうかなぁと反省する今日この頃であった。
焙ったコーヒー豆のまわりにチョコレートをまぶしたお菓子をNBが持ってきたのでお相伴に預かったが、コーヒー豆って食べてよかったっけとふと思う。
11日。毎日似たような生活をしている。天気も似たようなものだ。院に入る前はもっと毎日やっていることがヴァラエティーに富んでいたような気がするが、50歩100歩か?
相変わらず花大根がみあたらない。
同僚と議論していて、NS-Rの周期性を理解していない事が発覚。かなり混乱した。勉強になりました。
僕はパソコンを使っていてどうでもいいファイルを作成するときは、つい名前をaho.txtとかbaka.texとするが、某NBとか某FKにそれをさんざからかわれていた。しかしそんな日も今日で終わりである。某先輩、某助手にもそういう性癖があったのだ。どうだ参ったか。ふたりとも関西人だから、単に関西人は軒並みそうなのかも知れぬが。
10日。風が強い。すっかり夕方からちょっとだけ大学に顔を出す生活になってしまっているが、まぁ春休みだから良かろう。
今日はhep-thに沢山興味深い論文があがっていてびっくりであった。Ooguri-Vafa の C(lifford)-deformation はクラスター性を破ってしまうが、それでいいのか?紐の適切なバックグランドを考えると自然に出てくるというが。
一週間ほど前にやった話だが、use Encode::Guess;
すると文字コードの自動判別が出来る模様。この日記のアクセス解析を強化して、検索エンジンから来た場合はどういう単語で検索されたか表示するようにした。
9日。今日も晴れて気持ちのよい休日。
夕方から大学へゆき、論文を印刷しようとするもネットワークの不調でなかなか出来ず。ちんたら印刷している間にH先輩に疑問点を質問して、一緒に考えてもらった。ありがとうございます。
バンビによって帰る。雲ひとつ無く星空が綺麗だった。月も徐々に太り始めてきた。
8日。まだ夜は浅いけれどもう特になにも起こらないだろうし、気分転換に。
今日は青い空に白い雲が流れて、風もすこし肌寒い程度で爽快だった。
今朝届いた「D-branes」を眺める。あまり勉強する気が出ないので、序文、イントロ、まとめの各章を読む。紐の第二期革命のただ中を生きた著者の感慨が出ていて為になる。「次の革命のタネはすぐそこの角を曲がったところにあるような気がする」とあるが、さてどうなのだろう。「そのタネは既に見つかっているが、重要性を紐理論家の集合意識がまだ認識していないだけかも知れぬ。」
おとといあたりふと研究室の本棚から「一般コホモロジー」という本を手に取った。H*、K*、に続く有望な複素向き付き乗法コホモロジー論として「楕円コホモロジー」なるものがあるそうで、幾何学的構成が望まれているとか。楕円種数は物理的解釈があるんだから、こちらもなんとかならぬかと誰しも思うところだ。「GerbeのK理論のようなものではないか」という説も「現今代数位相幾何学に於ける重大問題」とかいうページで目にした。以上思ってから Witten の「紐とK理論」を読みかえすと「関係あるかも知れんが判らん」と書いてあって(!)、それから論文がまだないのだから、頗る難しいのだろ。
6日&7日。むいかは昼から雨が降ったので自転車を大学に放置して電車で帰宅。なのかは雨の中電車で大学へ行き夜遅くに自転車で帰宅。ライトが壊れたままなので夜は懐中電灯を自転車のカゴに入れているのだが、揺れで光は地面を向いたままになかなかならないので困る。
むいかは先週流れた分のゼミ。僕が喋った。予定通り、テキストの内容から途中で激しく脱線。面白く聞いてくれた人もいたようなのでまあよかったのであろう。
さて帰宅すると、しばらく前にアマゾンに注文してあった本の配達の不在連絡がポストに。帰宅時刻が遅かったもので営業所に電話も出来ず。翌朝は8時から受け付けているそうだから一度起きて配送を頼んでからまた寝ようと気合を入れていると、そもそも寝付けず徹夜してしまった。電話して都合を確認していると、いろいろあって結局土曜の午前に配達を頼むことに。これでは朝一に電話をする意味が無かった。とすこぶる間抜けな結末であった。
その後ぐうすか寝て、今年で定年のN教授の最終講義を聞き逃してしまう。無念だ。
5日。特にかわらぬのんびりした生活。起きて、しばらく家でゆっくりして、大学に行って散々議論して、帰って寝る。親の脛を相変わらずかじっている訳だけれども、有難い暮らしぶりだ。
去年の日記などみているともう花大根が咲いているとある。どうもまだ今年は見かけないようだが、この冬が寒かった(平年並みだった)せいか?
Wittenの論文の蒐集に加えて、SeibergとVafaのも始めようかと思う今日この頃。
4日。今日もよく晴れたが、空気は冷たく風も強くそれほど気温はあがらなかったようだ。家に日が暮れるまで居た。下校の二人連れの小学生がリコーダーでパッヘルベルのカノンを合奏するのを聴いた。夕空の色の移り行くのをみていた。
夕食に学校に行く。ついでに部屋で数時間議論。帰りの自転車はひさびさに寒かったような気がする。
NS5-brane のT-dual について知りたい。日記を見ている方は、僕の興味の対象が毎日めまぐるしく変わっているように見えるかもしれないが、僕としてはひとつのアイデアをどう扱うかいろいろ考えているつもり。(と書いて、大抵の読者にとっては紐理論内の細分類などどうでも良かろうと反省するのであった。)
3日。桃の節句。最近起きてすぐではなく、しばらく家でゆっくりしてから学校にいく癖がついた。
出かける前に窓の外を眺めると雲が垂れ込めていたので厚着して玄関を出てみると、むしろぬるいと言ったほうがよい気温。大学に着くと雨が降り出した。帰るころには止んだのでよかった。
大学で窓から木々を眺めると何かしら枝の先が芽をふくんで色づいているように思う。気のせいだろうか?
2日。昨日の雨が嘘のような、雲ひとつ無い青天。風が強いので噴水が非対称になる。風下に立つと寒かろうが、遠目には太陽で輝いていて良し。
ほうじ茶を切らしていたので、やっとこさ池袋まで買いに行く。ついでに Disk Union によって中古のCDをみてみた。ブラームスのDoppelkonzert+ピアノ四重奏4番というのが廉価であったから購入。家に帰ってPCに取り込んで聞いてみると音質の悪さに唖然とする。これは録音のせいではなく、最近ディスクの空きが減っているからビット数ケチってmp3化しているからだ。久々にCDラジカセを引っ張り出してかけてみたが、ちゃんとした音。
ネット上の某物理掲示板など眺めていると、相変わらず相対論は間違っていると主張する人が頑張って書き込んでいたりするのだが、現実がそれで記述できるかどうかとは別として、相対論が内部矛盾を含まないモデルであることを認識して貰えないものだろうか。まぁなんにせよ物理に興味を持ってもらえるというのは有難いのですが…