またしばらく日記を書かなかったので記憶を辿って書く。
火曜水曜はKIASでのんびり過ごした。あちらのポスドクの方と散々議論したり、自分の部屋にこもっていろいろ考え事をしたり。ちょうどKIASに滞在中の I 先生とも議論ができた。水曜の昼はあちらの K. Lee 先生が文献紹介で field theory supertube の話。不思議なソリトンだ。
火曜の夕食はKさんと韓国人のポスドクのとタイ料理に行く。水曜夜は I 先生、Kさん、キョンヒ大の院生のひととパジョンを食べに行った。マッコリをしこたま飲んで非常にいい気分だった。
ちょうど Kapustin-Witten の長大な論文が出たので雑談の種になっていた。ある日の昼食では「誰か読んだ?」「No.」「じゃあ誰か印刷はした?」「No way. 紙の無駄だよ」という対話が。とりあえず僕は日本に戻って即印刷した。イントロだけ一応読んだらいずれ本が出るらしい。
木曜は 4:30 に起き、地下鉄を使って 6:50 ぐらいに金浦空港へ到着、無事 8:45 発の飛行機で東京に戻ってきた。家に一度戻ってシャワーをあびて休憩したあと、大学へ行って普通にセミナーに参加する。その後は新入生歓迎会だった。三月の送別会のときはまるで楽しめなかったのが嘘のようだ。精神状況はお酒の味に影響するらしい。D論を書くのから開放されたというのが大きいのか、韓国も非常に楽しむことができた。
今日は S 君の文献紹介。Wendland によって確立された K3 の 2パラメタ族の mirror の両側でブレーンを SCFT および matrix factorization で調べ結果を比較するという話。面白いが難しい。
21日は11時頃ホテルを出て江辺駅へ、東ソウルバスターミナルがある。週末だからかよくわからないが、迷彩服を来た若い軍人がそこここに居る。身振り手振りでなんとか食堂でキムパプを食べた。少々来るのがはやすぎたので駅の反対側のヨドバシカメラのように見える10階建ぐらいの大店舗に迷い込んでみると、どの階も同じようなものが売っていて、それぞれの階の内部もメーカーごとに分類しようという気配がなかった。ゆっくり観察してみるに、どうも綺麗な建物のなかに小さな小売業者が整然と並んでいるらしい。秋葉原だと大店舗で一社が管理しているか、雑然とした小さな店が汚いビルに詰め込まれているかどちらかであるが、その中間という感じだ。
さて、同じ研究会に行く日本人ポスドクのみなさんと、案内してくださる韓国人のポスドクの方と合流。バスで2時間ほどかかって長平まで、そこからタクシーでスキー場のフェニックスパークへ。ソウルではつかえた携帯の 3G 電波もここには無い模様だ。インターネットも無線LANがあるのだが、認証に Windows 専用のソフトを使わなければならず僕の mac からだと繋げない。というわけで二日ほどであるがネットなしの生活となった。そういうのも悪くはない。
朝食にパンが出て、昼と夜は赤い料理が出る。どうも非常に韓国料理らしい韓国料理が出たらしく、韓国人の方もこれは辛いほうだと言っていたが、口には美味しく食べられた。しかし消化にエネルギーを取られているようで、激烈に眠くなったが胃は壊さずにいまのところは来れている。12時に寝て7時に起きたり、二日目のサムギョプサルと真露のあとは10時に寝て7時に起きたり、僕にはなかなかない真っ当な生活を送った。気候はというと、異常気象で珍しく四月なのに雪が降って ゲレンデが白くなっている。とはいえ薄いセーターを来ていれば十分あたたかい。
研究会での発表自体は可もなく不可も無く、というところ。
日曜は朝のセッションのあとまた赤い食事、その後 Nam 先生の車で送っていただいて、KIAS まで Kim 先生に連れてきていただく。KIAS のポスドクの K さんに合流して、3人で夕食にすることに。明洞の古宮というところまでいってドルソッビビンバプを食べる。繊細で美味しい。研究所まで戻って K さんと夜遅くまで喋る。
今日は宿舎で洗濯物。荷物を減らすために三日分の服を大きな鞄に詰めただけでスーツケースではなかったので洗わずには生きていけなかった。研究所に机をいただいて勉強のできる環境になった。Kapustin-Witten の長大なものが出たが、とりあえずのところ夕方の自分のもうひとつの発表のための準備をする。発表はまだすこし量を減らしきれていないようであった。聴衆が殆ど皆ポスドク以上であるということを考えて、前半の説明をもっと大胆に削るべきであったかともおもう。いろいろと終わってみて悩ましい発表だった。
その後は皆さんで中華の食事。立派な中華を頂くのは Pasadena 以来の気がする。いや、そうではないか、実家に戻ったときに連れて行ってもらったはずだ。研究所にもどって K さんに柚子茶を頂きつつまたいろいろと雑談。途中から数学のポスドクの N さんも混ざってさらに雑談であった。N さんとは随分久しぶりだ。
KIAS は市中心部の小高い丘の上にあって、食堂からの眺望は非常に良い。宿舎と研究所の短い距離を歩くだけでも花が咲き乱れ新緑が美しい。東京よりは二週間ばかり遅い感じだろうか。しかしツツジの花は同じような咲き具合だ。
もうひとつ韓国に来て高速から眺めて思ったことは、まわりの山の木々がほぼ落葉樹であることだ。日本でのような杉の植林の盛んだったことが無かったのではないかと思う。研究会の会場はソウルより気温が低いので、ちょうど途中の山々では桜だろうと思われる白い花が山のそこここに咲いていて心を和ませた。東京のようにソメイヨシノを集中して植えてあるのとはまた違う美しさだ。
さて、ソウルです。今朝起きたときはまだ雨脚が強かったのに、昼には上がって青空になった。夕方から羽田-金浦線でソウルに来た。地下鉄にのっているとアジア人ばかりで落ち着きますね。ホテルの人と英語を喋るにしてもお互い適当な英語なので後ろ暗さが無い。
昨日は普通に大学に行った。いつも自転車で行く道と帰る道が異なるのだけれども、昨日は逆回りに行ってみた。よく通る道が森鴎外の旧居の前だったとか、そのまえの小学校が汐見小学校というのがわかった。山の手の端から当時は東京湾が見えたらしい。根津神社にも寄った。まだつつじの盛りはもうすこし先のようだ。
昨日は日曜日なにもしなかったので洗濯物その他。月曜日にそんなことをしていていいのかという話であるが、週末より晴れて良かった。一晩干して、今日の昼から大学に行くのに、物干し竿から取り込んだのを直接着ると太陽で暖かかった。昨日も夕方から大学に行って議論など。理学部事務から夕方に書類一式を渡されて物理学科事務へ持って行くようにとのこと。
今日は書類を持っていったり、各種手続きばかり。研究室で先輩方の寄付していった韓国旅行ガイドを数冊借りてきた。
とにかくずいぶん暖かくなって気持ちが良い。ツツジも徐々に咲いてきたようだ。今年こそは根津神社の満開の時に行ってこようと思う。長年住んでいるのに一度もその時期に行ったことが無いので。本郷通り沿いに不思議な空き地を発見した。花はまだだがシロツメクサが一面にひろがって、花大根の群落がところどころにあって紫色の花が盛りだ。本郷通り側には塀があるので見逃しがちであったようだが、横の小道からは空き地が見える。
金枝篇を摘み読みしている。日本の御門も時々引用されるが、それにまつわる禁忌として、髪、爪、髭を切らなかったとあるけれどもこれは初耳だ。本当かしら。むしろ他の国の風習として引用されている話も眉に唾を付けて読めということか。
昨日は先生にパソコンの設定をしてくれと言われていたので昼前から大学に行った。パソコンの話はすぐ終わったのだけれども、結局そのあと議論していて夕方まで学校に居た。夕食の時間になったので学生でインドカレーを食べに行った。美味しい。
今日は一日なにもせず。昼には起きたが、ブランチを食べてまた昼寝。そうこうしていると外は小雨で出かける気もせず。ぐうたらできて幸せだった。
無事事務に提出。
新緑が綺麗ですね。晴れて月も綺麗だ。研究室ではいつも午後六時半に皆で夕食に生協まで行くが、冬の間は真っ暗だったのが、いまやまだ西の空は青いままになってきた。時間のたつのははやい。
さて、気を取り直して新しいことを何か勉強したいところだ。そのまえにまだいろいろあるけれども。
帰りの自転車は満月が綺麗だった。地表はもやがかかって、四つ角の鏡が曇ってしまっていた。
係数をいろいろとチェック。英語も見なければ。手続きの確認に事務に行くと、決まりは明文化されていてどこかにはあるのだけれども知っている人がいないということになっているようだ。誰もいない森の中で木が倒れたが、音はしたのか?という問題に似ている気がする。
今日は一日雨が降る。小切手を取立依頼に三井住友まで行くと、その通帳を開いた支店でなければ受け付けられないというのでわざわざ日比谷の本店営業部まで行った。何故そんなところの発行の通帳を持っているかというと、昔もらっていた奨学金の振込先というところで奨学金を出していた方に作っていただいたからだが、今回初めてそこにいったわけである。日比谷公園のまえの三井ビル内の1,2階が吹き抜けになったところの贅沢な空間だった。他の支店にくらべて店員さんも10倍ぐらいは人当たりがよかった気がする。僕が雰囲気に呑まれていただけかもしれないが...
丸善に寄ってアルベニスのスペイン組曲の楽譜を買ってくる。そのまま家に帰って学校には行かず。
アマゾンから注文していた金枝篇も届いた。1995年に出た新要約版というもの。D論締め切りぐらいに届くだろうと注文したら、少々早く届いてしまったようだ。
あとはひたすらD論の校正。係数がどうもたくさん間違っていて困ったところだ。
昨日はのんびりと過ごす。暖かい中洗濯。夕方大学に行くが誰もいないため結局ひとりで夕食。根津のインドカレー屋に行って辛くないカレーを食べた。薬膳のようでもある。
今朝は隣の道路で工事を始めてアスファルトを削岩機で削り始めたので起き出す。午前中に大学に行って、いろいろと事務手続きを済ます。いろいろ済ませてみるとなかなかそれも楽しいものだ。
銀杏もすこしずつ新芽を出し、いい季節だ。今日は曇って小雨だった。最近あたたかいので油断して薄着で行ったら少々寒かった。建物の中にいれば問題ないのであるが。
帰りの自転車、赤信号でとまってふと横を見ると電柱に貼り紙で「売ビル、一億9千万」とある。そんな高額の買い物を貼り紙をみて決める人がいるかしら、それも徒歩か自転車のひとでなければ見えないような小さい貼り紙だ。
ストレスの代償ということでピアノのアルバムを買った。昔よく車を運転しているときに父がかけていたギターの曲がアルベニスのスペイン組曲だというのが iTunes で試聴していると急に判ったので発作的に買ってしまった。楽譜も欲しくなる。
自分が原因の事務手続き上のミスが続出してちょっと落ち込んでいた。関係各者にご迷惑ばかりで申し訳ないです。今後は心を入れ替えて、書類が生じたその日に処理するよう心がけたい。とりあえず今日は机の上に積み上げた封筒をすべて開封してみた。ひとつ問題があったが、まあなんとかなると期待しよう...
木曜日は今年度初の昼食会、いろいろ取り決め。いつのまにか僕も最高学年で、時間のたつのは早い。FK とやろうかなという話はどうもうまくないことが判ってきた。救えないだろうか。次元解析すればはじめから判っていたはずのことで、情けない。
金曜日にした馬鹿な議論は、四次元の Einstein-Hilbert action に εαβγδRαβγδを足したらいいのではないか、という話。一時間ぐらい考えて、RS君に Bianchi 恒等式を教えてもらうまでその無意味さに気付かなかった自分が情けない。
「天才柳沢教授の生活」の作者の父親は数学者なんだそうだ。作中の記述から察するにかなり奇矯な人だったようだが、どういう数学をやっていたのか気になる。
今日は雨、それでも暖かい。本格的に春だ。昼は雨足が強く外へ行く気が萎えがちになるが、夕方からあがってきたので電車で大学へ行く。赤門横の八重桜の大木が咲き乱れている。
行ってよかったことに、たまたま本郷を訪れたSさんに会えた。生協での夕食にも一緒にきてくださって、数年前にタイムスリップしたようだ。この四月から慶応の日吉キャンパスだそうで、周りの学生の若さが嬉しいとか。
今日は大学へは行かず、家にこもってD論の編集。なんとか締め切りには間に合いそうだ。
夕食は巣鴨の駅前まで行って大戸屋に行った。山手線の切り通しの北側の桜並木はまだまだ満開だ。ちょうど花弁が風に散らされていた。
スーパーで苺を買う。甘くて幸せだ。
今日は10時ぐらいまでぐっすり寝て、夕方から大学に行く。松山で充分英気を養えたように思えるが、さて徐々に気合いをいれなければ。しかし明日明後日は祖母が東京の桜を見に来るのでそちらに注力しよう。
播磨坂、植物園、その他そこここの公園、大学構内など、やはり東京は桜が多い。ソメイヨシノは満開で、夕方からちょうど少しずつ散り始めたようだ。眼鏡を外して歩いているとそれほど目が良くないのでぼんやりとして淡い雲のようだ。