Nov 30 00:38, Princeton

昨晩はまた食後に眠くなってしまい10時ごろに寝てしまった。その主原因と思われるのは、朝7時に起きてマツダディーラーにまた行ってきたこと。権利証は車両局から郵便で届くと聞いていて、それはもう決着が付いていたのだが、寒い朝の始動直後キュルキュルとフロントから音がするという問題があったので見て貰いに行ったのだ。こちらで相手にキュルキュルと擬音語を言うわけにもいかないので何とか正しい英語を調べたら、squeaking とか squealing sound と言うらしい。ついでに判ったことには、ベルト鳴きと言う現象でベルトが古いとよくある話らしいから、中古車だとさもありなんである。

しかし行って見るとお店の人の曰く、車を売る前にタイヤと同時に全部入れ替えたのでそんな筈はない。金は取らないので中を見せてくれというのでお願いすると、締め具合を調整したと言う。一日経って今日すこし走ってみたところには全く音はしないが、もうすこし様子を見ないとなんとも言えまい。

昨日はいろいろと先生と議論。 夕食も先生の車で Route 1 沿いの Denny's まで。日本と同じチェーンだと思うがメニューはかなりアメリカンだ。

今日は論文投稿のため締切ぎりぎりまで日本と細かく連絡をとりつつ頑張った。なんとか投稿できて良かった。初めに東工大まで相談しにいったときからすると一年半掛かったことになる。実質真面目に働き出してからは4ヶ月くらいか。兎に角、無事形になったのが嬉しい。

今日のミーティングは%が彼と&の今日出た論文のお披露目であった。閉弦タキオンが凝縮して時空の次元が下がる過程で、世界面上の理論が厳密に解ける例を構成したという話でなかなか面白い。


Nov 28 00:29, Princeton

今日は晴れて暖かい。

今朝は一時間ほど東工大の共同研究者二人と Skype で議論した。三人で電話で会話するのは初めての経験だったが、最近の技術は驚くべきだ。昼食後のセミナーは Aさん、N=4 の spin chain の話をいろいろとだったが、ひとつのトピックはどうも本郷にいたときに同室のO君が同じ話をしていたなあと思って終わってから調べてみると確かにほぼ同じ仕事を同時期にやっていたようだ。互いに論文を引用してある。僕は専門ではないので細かいニュアンスがわからず残念。

あとはひたすら自分の計算。いちど出来たと思ってまとめて共同研究者に送って、気分良く夕食にして食べ終わった頃に間違いに気付いた。というわけで食後もずっと計算していてなんとか訂正できたのでまた送った次第。出来たと思っていい気分でメールをすると恥をかくので良くないと思った。受け取る方も何通も届くと面倒だろう。兎に角寝る前に自分の中で決着が付いてよかった。そうでなければ寝付が悪くなるから。


Nov 26 23:25, Princeton

背の高い木はすっかり葉を落として、下生えだけが淡い緑です。Quaker の皆さんの集会所。1726年に建てられたそうです。

今朝は霧。朝はのんびりして、昼過ぎから森に自転車で行ってきた。森に悪いので、作業用の車が通った形跡のある道だけ通ってきたが、それでも案外行けるものだ。Battlefield park を過ぎて、Quakerbridge road と Mercer の交差点まで行けるということが判った。1726年築の石造りの集会所が残っていて、いまでも使われているような雰囲気だった。

戻って車のトランクにマツダのエンブレムを取り付ける。前の所有者のあいだに取れてしまっていたらしく、気になったのでお店の人に頼んだら取り寄せてくれていたのだ。昨日貰ってきたのを今日取り付けたという訳。

その後は ShopRite というまた別のスーパーに行ってみた。確かにお総菜はここが一番品揃えがいいように思うが、野菜は Wegmans のほうがよいようだ。

さて今晩はまたカレーにした。フライパンと鍋を同時に扱っていたら、ふとした拍子に手首がフライパンに触れてすこし火傷をした。

食後は少々ピアノを弾いて、頭のリハビリをしようと計算を始めたら上手くいかないので非常に気持ちが悪い。真っ正直にやれば時間さえあれば出来る計算だが、どうせ答えは有理数のはずだから上手い導きかたがあるはずと思って考えているが難しい。空間が 7 次元あってよく見えないのが問題だ。


Nov 26 00:17, Princeton

今日は家でのんびりした。青天が気持ちよい。昨日正式なナンバープレートが出来たと連絡があったので、朝は Hamilton Mazda まで受け取りにいってきた。これまでは仮ナンバーを後ろの窓に貼り付けていたのだ。行く途中に本屋に寄って、このあたりの道路地図を買う。いつも買い物で車に乗るのは夕暮ればかりだったが、昼に走るのも気持ちの良いものだ。すっかり葉を落とした街路樹も趣がある。

丁度今日が仮ナンバーの期限切れだったわけだが、大した仕事ではないだろうに時間がかかったものだ。運転は多少慣れたがまだ駐車場はすいすいとはいかない。ディーラーの駐車場で奥にいれすぎて、前の新車のバンパーに接触してしまった。たまたま近くにいたお店の人が、接触しちゃったよ、大丈夫かな... というので、一瞬焦ったが、問題はなかった模様。車の登録証は受け取ったが権利証を受け取りわすれて帰ってきたことにあとで気がついたので、貰いに行ってこなければならない。どうも抜けている話だ。

洗濯、ピアノ。夕方は先生と M さんと Mercer Mall のアメリカンレストランまで食事に。先生が出張の間預かっていたカランコエの鉢を返した。

先だって日本行きの飛行機の便を変更した際、差額を空港のUAのカウンターまでいって払ってくるように言われていたのだが、そういうものなのか食事中に相談してみたところ、お二人ともそんな話は聞いたことがないという。というわけで家にもどってもう一度日本の UA に電話してみた。曰く、先日電話した際は紙の切符しか発行できなかったのでそう伝えたが、電子切符が発行できるのでもう空港まで出る必要はなく、クレジットカードの番号も会社に登録されているので差額はそこから引いておくとのこと。これまた抜けている話だ。

兎に角、失敗を通して学ぶとはいうけれども、もう少ししっかりしていても良いはずだ。


Nov 24 22:51, Princeton

今日は Thanksgiving 明けの金曜日ということでおやすみ。しかし矢張することもないので研究所へ。昼からは先週に引き続いて日本人三人で勉強会。大学の T さんが話したのと、さらに僕が先週の続きを話したのと。調子に乗ってつい喋りすぎてしまってよろしくないように思う。

そうこうすると日が暮れて夜だ。Thanksgiving 明け金曜日ということで Apple Store が値引きをしているので更新するとわかっている .Mac を先に買っておいた。それ以外に、iPod を車で聴けるようにするものを何か買おうかと思ったが、まあそんなに入れ替えることはあるまいから CD-R にときどき焼いて乗り込むのでいいだろうと物欲を抑えた。


Nov 24 00:16, Princeton

一日中小雨が降っていた。Thanksgiving day であるが誰も何も誘ってくれなかったので、家に籠って机に向かって昨日の計算の続きをしていた。昨晩間違いに気付いたお蔭で今日はかなり進展したようで嬉しい。

昨日買った柘榴を半分食べた。恐れていたほど酸っぱくはなくおいしかったが、手間がかかって手が真っ赤になった。胡桃は季節ものだったようでもうスーパーからは無くなっていて、替わりに Pecan を買ってきたが、胡桃のほうが僕には美味しかった。


Nov 23 00:12, Princeton

てんとう虫が扉の内側にいました。ピントがあっていません。研究所の池にいた水鳥の皆さん。

昨日は夕食後に眠気が襲ってきたので少し横になろう... と思ったら朝になってしまった。何をそんなに疲れることがあるのかわからない。やったことは先週 arxiv にあげた論文を改訂して投稿したぐらいか。

今日は曇。Thanksgiving 前日ということで人が徐々に減っている気がする。諸方にメール、あとは計算をすすめようとするが上手くない。α=dβ を解こうと数日奮闘していたら、αを積分しても消えないような cycle があることに夕食後になって気付いた。αが閉じていることは確認していたのだが、馬鹿だった。

昨日今日の昼食は、ほんの少しだけだが昼食時に皆さんとの会話に参加できて嬉しかった。昨日は composer-in-residence の方が前にいらっしゃったので話をしていたら、「アメリカで二年目?英語が上手いねぇ」とお世辞を下さるので、「ほんとに上手ければアジア系アメリカ人だと思って上手いねえなんてそもそも言わないでしょう?」と切り返してみたら、周りの人の笑いがすこしながらとれたようだ。「僕がパリの conservatory に居たときに全く同じことを言われたよ、言われるたびに上手くならなきゃって思うんだよね...」

帰る前に Wegmans へ買い物へ。リング綴でない、罫線の薄いノートがないので困って、結局大学生協まで行ったら、あまり状況は変わらず。よくよく探してみると奥に至極真っ当なノートがあったが、一冊 $5 もするのはどうなっているのか。三冊組しか売っていなかったので $15 払うことになった。家にもどって開けてみると、なんでも Moleskine というそうで、ついてきたしおりに「伝説的なブランド」だと由来を6ヵ国語で説明してある。確かに上等のノートではあるが、どうもスノッブなものを買ってしまったようだ。

店を出たら案外の雨。しかし車があれば多少の雨は問題ないのが嬉しい。

プリンストンは寒いでしょうと、実家から冬用の室内履が届いた。ふかふかで素晴らしい。


Nov 21 00:09, Princeton

一日すぎるのが早い。今日は真面目に計算した。空気が冷たくなってきて、これもまた良い。

昼のセミナーは LR 先生、流石の人気で、大学から沢山の学生さんが聴きにきて珍しく部屋が満員だった。夜は皆さんと Mediterra に。知らないひとがいらっしゃると思ったら、研究所への出資者の一人だったそうである。夜の Palmer Square はクリスマスの飾り付けがはじまっているのだろう、木々のイルミネーションの小さな光の綺麗なこと。

家にもどっても計算。ちょうど一年前にしていた計算と殆ど同じで、全く同じ点で困ったことになっている。

昨日買った Vespers はなかなか良い曲だ。


Nov 19 23:24, Princeton

研究がどうのこうの昨日書いたことにはお構いなく、今日は一日ぐうたらした。昼から洗濯物をしようと思うと、洗剤を切らしていたことを思い出し、車で Wegmans まで行った。ついでにいろいろ買いものを済ませ、 route 1 に乗りたくないので遠回りをして MarketFair の Barns&Nobles で本とCDを見る。結局誘惑に勝てず Rachmaninoff の Vespers を購入。片道一車線のところを走っていて細くなると、対向車とすれ違うときにどうも恐くていけない。これならば route 1 で片道四車線のところを走ったほうが怖くないのかも知れないけれども...

洗濯、乾燥しているあいだピアノを弾いた。Invention と Sinfonia を端から端まで拙く弾いたら一時間半ぐらいかかった。


Nov 19 00:16, Princeton

久し振りにセーターの上にオーバーを羽織った。冷たい空気が肌に心地よかった。研究所で昼食を食べ、昼はTさんの提唱で日本人の3人で勉強会をしようということになっていたので、今日は僕が弦理論のアノマリ相殺の話をすることになった。 三時間ぐらい喋ったが準備したうちの半分しか進まず、日が暮れてきたので残りは来週に。Tさんの奥様がどら焼きを作ったのをお裾分けに戴いて嬉しかった。

夕食は鍋、その後一時間ばかりピアノを弾く。

この研究所に居て、日々偉い先生方や重量級のポスドクと接していると、何か僕も、少なくとも業界の人に面白いと思ってもらえる論文を書きたいものだと思うのであるが、それで鼓舞されてやる気が出るというよりはそんなことは到底無理だと思えて暗くなってしまう。まあ取り敢えずはやれることをやるしかあるまい。

#はここにポスドクとして9月に来る前はハドロン物理をやっていたのに、早速 $ と弦理論の論文を書いたのだから、これまでに専門以外に弦理論を勉強していたのか、数ヶ月で新たに勉強したのか知らないけれども何とも機動的なことだと思った。


Nov 18 00:39, Princeton

今朝はガソリンスタンドへ行ってみた。New Jersey ではセルフサービスは禁止されていて、素人としてはお店の人に頼めるので有り難い。こぼしたら怖いものだから。Faculty と Alexander の交差点のガラガラの所に入って、スタンドに寄せたつもりが、スタンドが自分の右にきた。これでは反対なので、顔から火を出しながら敷地内で向きを変えて正しい方向に戻した。

大学近くまで行ったが一度家へもどって、自転車で大学へ。セミナーに参加して、昼食を $ と # と一緒に Genomics の食堂で食べた。庭に面して円弧状の空間になっていて、床まであるガラス窓を通して外の芝生が綺麗だ。中にも謎めいた大きなオブジェがある。安いし悪くない味だ。

戻って Gödel 百年祭の講演を聞く。あとは M さんと雑談をしたら一日が終わってしまった。もっと精力的に研究しないといけない気がしてならない。


Nov 17 00:26, Princeton

今日も曇。風が強い。おしまいまで葉を散らせず頑張っていた研究所の庭の oak の大木も茶色くなった葉を全て飛ばされてしまった。木の根元の辺りはくるぶしまで埋まるぐらいの落ち葉だ。幹を眺めていると、G先生になにやってんの?と言われる。いや、僕アニミズムを信仰しているもので...と言ってみたら、ガハハと笑ってくだすったので冗談だと伝わったと思われる。

家の窓から眺める外の景色も、灰色の空を背景に木々の枝が見えるばかり、寒々しい冬の世界だ... なのだけれども今日はまた20度まで温度があがって変な天候である。来週にはまた多少寒くなるようだが。

夕方に %が彼の最近の論文を紹介するということだったが、@先生の厳しい追及に苦しんでいた。彼でさえすらりとは進めないのだからここは恐ろしいところだ。

MSNBCのコメディー番組で引用されていた映像なのだが、FOX NEWSの記者がアメリカ軍のイラク等での拷問方法を実際に体験しているものがあって驚いた。散々顔を水面下に押し付けられたりバケツで水を引っかけられたりした揚げ句に「いやぁ、確かに死なない程度に苦しいので、自然と口を割りたくなる有効な方法ですね」とやられていた本人が言うのだ。NBC側のでっちあげだと信じたいところだ。


Nov 15 23:30, Princeton

朝のんびり家を出ると、幼稚園児を沢山手押し車に乗せた悲壮な顔の保母さんに呼び止められた。保母さんの一人が気分が悪くなってしゃがみこんでいたので、幼稚園まで助けを呼びに言ってくれないかというのだ。幼稚園は走って1分なのでそこまでは良かったのだが、咄嗟に英語の出てこないこと。保母さんって何て言うんだっけ... というところで戸惑ったのが良くなかった。teacher で良かったようだ。まあ何とか役目は果たせたようだからそこは良かったとしよう。

こちらは数日に一度、落ち葉を肩掛扇風機のようなもので道の隅に押しやる作業が朝行われる。爆音なのでぐうたらも寝ていられない。日本なら箒で掃くだろうところを吹き飛ばすのだから流石アメリカは豪快だと思った。

今日のグループミーティングは V 先生が stringy instanton のおおまかなレビュー。その後の大学でのセミナーは SLAC の Sさんで弦理論における超対称破れの伝達、という話だが少々詰め込まれすぎで大変だった。自転車で往復。

昨日の論文には4通も引用を追加せよというメールが届いた。BTZブラックホールをそれそのものとして研究している人がこんなにいるとは思っていなかった。弦理論関係の文献しか調べていなかったのは少々手落ちだったと反省す。


Nov 14 23:11, Princeton

今日は一日曇っていた。昨日早起きだった分今日は朝寝坊する。

10ヶ月ぶりに論文を出した。アスペンで毎日のようにブラックホールエントロピーの話を聞いたところからやる気になった問題がやっと解けたというわけで、アスペンへの参加を勧めてくださった某先生、アスペンで話をした皆さんには感謝をしないといけない。 Wald の導出をきちんと読みさえすれば練習問題程度のはずなのに、実質 2ヶ月も掛かったのはどういう訳だか。すっと導出できていてもおかしくなかった筈だが、すっと出来ていれば投稿する気にはならなかっただろうぐらいの話だ。

個人的には折角勉強したのだから大したことではない拡張でも結果として残しておきたいと思うが、それでいいのだろうか。今更こういう内容で引用数が稼げるかわからないが、公表しておけば誰かが同じことを考えた際には時間の節約になるだろう。

さて夕方は車で買い物に... と思うと鳥の糞に大量にやられていて拭うのが大変だった。

家に帰って音楽をかけようと思ったらスピーカーから音が出ない。どこが悪いのか突き止めるのにしばらくかかったが、単に音量が最小になっていただけだった。昨日雷で一瞬停電があったから、その拍子でおかしくなったのだと思われる。


Nov 13 23:30, Princeton

時間が経つのは早い。一年前にカリフォルニアで何を考えていたかなど考えると信じられないほどだ。

今日は一日雨。朝の五時半に起きて、出張に行く先生を車で Junction まで送って行く。そのあとそのまま起きて真面目に勉強していたら、昼の3時には眠くなってしまってこまった。4時に研究室から家にもどって、布団に入ったら気がついたら8時だ。

Rudvalis 群の moonshine という論文が出ていたことを発見した。Rudvalis 群は monster の部分群でない散在型有限単純群だそうである。対応する CFT もあるようだ。


Nov 12 23:25, Princeton

今日は朝から空は雲に覆われて、昼前には降り出し、そのままずっと雨だった。洗濯機、ピアノをすこし、あとは研究室に行って論文を書いていた。


Nov 12 00:14, Princeton

Princeton Battlefield Park.冬の Institute woods. といってもこの日は 20度を越える陽気だったのだが。Princeton 大の教会。

今日は Wall Street で働いている先輩がプリンストンを見たいということだったので、昼前から駅まで迎えに行くが、予定の電車からは先輩は現れず。怪訝な顔をして数分立っていたが、ふと思い出して先輩の携帯に電話を掛けて状況を知り、そちらまで車を走らせたという訳。NYと Princeton Junction の間でなにか催し物があったらしく電車は酷い混みようだったそうで、Junction 駅に遅れてついたものだから Dinky に乗り遅れてしまったそうだ。

キャンパスを見て回って、Palmer sq. でアイスクリームなど食べ、研究所の森を散歩して、あとは僕も行ったことのなかった Battlefield park へ行き、夜は先生と一緒にインド料理屋へ。夜遅く駅まで彼を送って家まで戻ってきた、とこういう次第だ。なんにせよ先週買った車がなければどうしようもなかった所だ。

Battlefield park は Washington 将軍率いる米軍が英軍と戦って初めて勝った記念すべき地だそうで、芝生の広がる公園になっていて、子供たちが凧揚げをしている。公園の真ん中あたりには古い株の隣に若い樫が生えていて柵で囲まれてある。案内板を眺めていると老人が近寄ってきて、その由来を説明してくれた。曰く、独立戦争当時から生えていた立派な樫の木があったが、それは5年ほど前に衰えて倒れてしまった。しかし彼がそれ以前にその樫から拾った団栗から育てた若木が庭にあったので、郡に寄付して植え替えてもらったということだそうである。道理でその老人は誇らしげであった訳だ。

今日は小春日和ではすまない陽気で、23度もあったそうだ。散歩をすると汗ばむくらい。早朝は霧。

駅に迎えに行って張ってあったビラによれば、Dinky をバスに変えるかもしれないという話があり、Princeton 大の学生が保存のための運動を始めたらしい。Princeton 駅と Princeton Junction 駅を繋ぐ Dinky は wikipedia によれば全米で最短の商業鉄道路線であって、車社会以前のアメリカの数少ない痕跡だそうである。


Nov 10 23:37, Princeton

My new (used) car !!!!

一応困難は解決したようである。まあこれまで二転三転してきたので判らないが、手応えがある。はじめたときは詰まらない仕事かと思っていたが、これだけ苦労すると論文にしても構わない気がしてきた。

今日は大学で昨日に引き続きAdS/QGPのセミナー、今日はGさんがスピーカーだ。昨日のスピーカーのKRさんが僕の後ろに座っていて、実験に関するコメントを鋭くしていたので誰のセミナーだか判らない観が多少あった。途中で飛行機に乗り遅れるからごめんね、といって出ていってしまった。

すこしぐらい運動しようと自転車で行ったのだが、DMさんと一緒になったので往復ともいろいろ話ができて良かった。セミナー後は Sと三人で佐々木-Einstein関連の議論および雑談をしばらくできて、これも嬉しかったことだ。

夕方は Wegmans まで車で行ってきた。暮れてきたところの運転は少々怖いが、自転車ではそもそもこんな時間にスーパーになど行けないし全く便利な話だ。相変わらずスピードを出すのは怖いので、前は空き気味で後ろからは押されぎみである。


Nov 10 00:09, Princeton

今日は一応懸案の問題の概念的なところは解決したつもりだ。そこから見落としていた項が生じて、既にある項と同じ形であることまで確認したから、あとはその係数が正しく出れば良い訳だ。

大学でコロキアム、QGPの話。分かりやすくて為になった。スピーカーはもともと非摂動 QCD をやっていた人だが、最近は AdS/QGP 関連も沢山論文を書いているらしい。どうも急に弦理論の勉強をしたのではないかと思われるが、必要になったときに僕もそんなふうにすぐに他分野のことが吸収できるだろうか?

夜は某さんが日本に帰るということで M さん宅で鍋だった。


Nov 8 21:43, Princeton

ベンチに座って空を見上げるとすっかり冬という感じです。まだそれほど寒くはないですが。葉が少なくなってきました。

昨日から曇って、今日は雨。朝は酷い降りようだったが、夕方になってあがってきた。朝は人がいないところで車のワイパーを動かす練習などしてみた。窓が曇ってきたので慌てて車を止めて外気を入れるスイッチを探したりする。実際運転してみないとわからないことは多い。

昨日はまたカレーを作った。

どうも計算で頭が混乱しているので以上。


Nov 7 00:18, Princeton

午前は論文の編集。

午後は G. H. 先生のトーク。Aspen で R. E. さんが話したのと同じテーマであるが、聴衆の皆さんとの議論のなかに学ぶべきことが沢山あった。

夕方は自動車ディーラーまで行って車を購入、家まで持って帰ってきた。高額の小切手を切るのは初めてだったので緊張した。実はそもそもこれまでずっとカード生活だったので小切手を切るのは初めてである。よくネットのアメリカでの自動車購入方法というところに、高額の場合は bank-certified check というのを作ってもらわないと買えないと書いてあるが、僕の場合は通常の小切手で大丈夫だった。このあたりが長閑なのか、僕の車が高額なうちに入らないかどちらかということだろう。まあしかし人生で今のところ最高額の買い物ではある。

僕の担当だったセールスの人の息子さんは JPL で働いているらしい。僕が物理を専攻しているというと急に機嫌が良くなったのはそういうことだったようだ。

先日帰った道をその通り帰ってきたので、どこで曲がればいいかも覚えていて問題なく戻ってこれた。土曜夜より車も少なかった。というわけでこれで冬も凍死せずにスーパーに行けると思われる。

車種は 1998 年製 Mazda 626 LX というもの。日本で言う Capella の北米版らしい。実家にいたころの車がずっとそれだったという記憶から選んだという点が大きい。もうひとつは以前も書いたと思うが高速を使わずに店から家にもどれるという点だ。ディーラー自体もマツダ正規なので信頼が置けるのではないかな。

明日は中間選挙だが、どうなるか。


Nov 5 23:31, Princeton

今日は家でぐうたらする。洗濯もの、すこしピアノを弾いて、あたりを自転車で一回りするのみ。

あとは自動車保険の選択やら。今週前半には全て片づいて、研究に専念できるはずだ。日本を発つ数ヶ月はすっかり準備に参ってしまって研究する動機が殆どゼロに近く、毎日の arxiv のチェックもおろそかになりがちなぐらいだった。成田を発って Aspen についてすぐは、周りの人々が口を開けば物理の話をしているのが正直信じられないぐらいだったが、それから徐々にリハビリが出来たようで嬉しい。


Nov 5 00:03, Princeton

土曜日。飛ぶように日々が過ぎていくが、論文を書かなければ...

泊まっていた彼は朝早くから NY へ戻っていった。一緒に朝食を食べた後、昼までまたベッドで寝るというぐうたらな生活。15時ごろからまた M さんに迷惑を掛けて、中古車屋に行ってくる。試乗もして手付けも払ったので、あとは保険を契約するだけだ。兎に角何から何まで M さんに迷惑を掛けて申し訳ない。日本人の先達がいてほんとうに有り難い。

試乗したときに、運転下手なんですよと言ったらお店の人がそれは困ったなぁ ... と苦笑していた。Interstate に乗りたくないと僕が言うと、じゃあそこを右に曲がって... と言われるものの、もたもたしている間に通過してしまって、結局 Interstate に乗って 60 mph 出す羽目に。なんとか店まで戻ったがドッと疲れた。兎に角店まで家から高速なしで行けるのが運転の下手な僕には有り難いのだ。

帰りに Wegmans に行く。殻付き胡桃の量り売りをやっているのがここしばらく気になっていたので、買ってみることにした。近くの棚に胡桃割りセットも売っていて、客の心を掴むようになっている。なかなか割るときの力のいれ具合が難しいが、おいしいものだ。非常に小さい頃にこういうふうに食べた記憶があるが、気のせいかも知れない。


Nov 3 23:30, Princeton

今日は北米行脚中の共同研究者の某君がプリンストンまで来るというので、朝から駅まで自転車で迎えに行った。といっても研究所までは歩くしかないのであるが... もうすこし早めに車を買っておけば良かったと思うが仕方がない。これまでバスで田舎は通過したけれども都会ばかり泊まっていた彼にはプリンストンはちょっとした驚きだったようだ。午前中は論文の詳細の議論、昼食をとって、夕方までは別々に作業。

夜は M さんにお願いして車を出して Nassau 通りまで出かけてきた。車は僕の練習のためということでまた運転させてもらった。徐々に慣れてきたようにおもう。車線変更がなければ何とかなる気がしてきた。今日は薄暮〜夜の練習ということでまあ何とかなった。Blue Point Grill というところでシーフードを食べる。美味しかったし、料理をせずに済んだのは嬉しい。金曜夜だということで見事な混みようだった。

研究所にもどって M さんにいろいろ案内してもらった。僕も知らない箇所が沢山あって面白かった。卓球場があるというのを教えてもらう。

さて、夜も遅くなったし、某君はニューヨークの宿をまだ取っていないということでうちに泊まることに。ソファーで我慢してもらう。どうもお疲れのようでもう寝てしまったようだ。こちらもそろそろ寝ようかどうしようかというところで日記を書いたという次第。


Nov 2 23:32, Princeton

徐々に葉も少なくなってきました。

今日は一日どこにもいかず真面目に研究所に居たが、懸案の問題に関しては大して理解は進まず。

昼食の席では d=4 N=8 超重力が有限な理論かどうかがここ数日の話題だ。W 先生によれば、繰り込み不可能な理論において有限だということがそもそも何なのか分からないという。そのコメントがすっと認識できないので情けない。ともかく面白そうな話題なので勉強してみたくなった。

これから週末は寒くなるらしい。木の葉も落ちて向こうが透けて見えるようになってきた。


Nov 2 00:32, Princeton

今朝はもういちど計算を確認してみたが、やはりそのようだ。とりあえずどのような仕組で2倍の因子が出るのかも分かったが、それが概念的に何を意味しているのか、だ。

昼食はなんだか人が少なかった。Aが最近どんなことやってるの?と聞くので、これこれをあれあれに拡張する話は弦理論では重要なのは知ってるよね?と切り出すと、なるほど、ああ、それはあの論文に従えば出来る筈だよね、やってはないけど...との返答。それがまさに今僕のやっている事だ!僕は A の頭の切れるのに感動した。

昼からはMさんにまた車を運転させてもらって、まずは Quaker Bridge Mall あたりの Motor Vehicle Agency へ。免許を発行してもらったばかりなのに何故かといえば、Olden Lane であるべきところを Olden Avenue と間違って住所が記載されていたからだ。こちらはちゃんと住所確認の書類までいろいろ提出したのに、それをきちんと入力できないというのは酷い話だ。まあ直後に確認しなかった僕も悪かったが。というわけで再発行してきた。

その後は Route 1 沿いの中古車屋まで。高速は怖いので M さんに運転してもらった。良さそうなのに安めのカローラが売っていて、店のおっちゃんがどうだ、良い車だろう?とあまりに勧めるものだから、いくら値引きできるか聞いたらこれまたかなり引くと言う。如何なものかと思って、戻って carfax で調べてみたら案の定事故車である。修理は素人には分からないぐらい綺麗に仕上げてあるものだ。

あとは市立図書館まで運転させてもらったり、兎に角練習。徐々に慣れてきたが、やはり高速沿いでない車屋に行った方がよいと思われた。

飛行機の帰りの切符を確定させるのを渋っていたら、昨日まで残席数が9だったのが今日急に減って残席0になってしまった。慌てて La Guardia 行きのを抑えた。往復切符より2万円ばかり安い片道切符があったのでそれにしたが、NYへの到着時刻の加減からすると空港で一泊した方が流石に良さそうだ。すると1万円ぐらい余計にかかる事になって馬鹿らしいが、優柔不断の報いだ。

しかしどうせ車で高額が飛んで行くのですこし麻痺していて、一万円ぐらい大した事がないのではないかとも思う。


Oct 31 23:01, Princeton

木の実を齧るリス君。

昨日書き始めたノートだが、係数を再確認しつつ進めて行くと、どうもファクターが2だけ合わないようだ。計算法をなるべく簡便にして計算間違いのおきうる箇所を減らしつつ追い掛けてみるが、どうも厳然と存在するようである。概念的なところで勘違いしているらしい。確かに一ヶ所よく判らずに使っていたところがあったのだが... というところで夜中になった。続きは明日だ。

ここ数日は比較的暖かく、天気予報を見ても大阪と似たり寄ったりだったのだが、週末にかけて寒くなるらしい。夜は氷点下になりそうだ。いい加減車を買わないといけない。$7000 以下の中古車を探しているのだが、ディーラーの web ページなどみていると出たと思ったら数日で売れてしまうので、どうしたものか。丁度良さげなものを日曜にみつけたので、明日 M さんに車で送っていってもらおうと思っていたら、それも買われてしまった。