Dec 31 23:45, Princeton

さて、今年も今晩でおしまい、あと十分ほどで来年だ。日本ではもうとっくに新年で、実家にもTV電話で挨拶をした。正月を実家で過ごさないのは生まれてこのかた今年ではじめてで、氏神様に初詣にいかないのも今年ではじめてだから、すこし感慨めいたものもなくはない。うちの神様はキリスト教イスラム教と違って遍在していなさそうだから、なんともしようがないのが困ったところだ。

今日も非常にのんびりする。昼食後にあまりの良い天気で数時間昼寝をした。一応その後すこしだけ勉強したふりはしたつもり。

夜はアマゾンの動画サービスで Passport to Pimlico という映画を見た。英語がよくわからないので困るが、あらすじによれば、ロンドン戦後すぐ、焼け跡から出た羊皮紙に、ナンシーの戦いからかろうじて逃れたブルゴーニュ公に国王がその地域を譲ったということがわかる。すなわち Pimlico 一体はイングランドではなくブルゴーニュ公国であって、戦後の食糧統制等一切適用外なのだ、ということからはじまるコメディーだ。


Dec 31 00:15, Princeton

今年も残り少なくなってきた。今日は一日何も勉強せず、宜しくない。部屋のおやつが切れたので買い物に行くが、戻ってきて冷蔵庫の中身も減っていることに気が付いた。

夜は年末もプリンストンにいる日本人のみなさんで中華料理店で食事会。おしまいに何人かアイスクリームを頼み、食べ始めた所、四歳の息子さんが言うことには、アイスを食べている人は眼鏡をかけておらず、眼鏡をかけている人はアイスを頼まなかったと。そんな関連性には全く誰も気付いてなかったので、観察眼に恐れ入った。やはり年を食って余計な知識が増えると良くないということだろうか。

あとは % さんが Wegmans へ行くというので連れていってもらって冷蔵庫の中身を多少購入。家で遅くまで更に雑談していた。

日記の場所を動かしたところ mixi が日記の新記事をうまく拾ってくれないの。RSS に関しては以前 www-hep で使っていたファイルをこちらにそのまま移しただけのつもりだったので非常に謎だ。


Dec 30 00:02, Princeton

今日もいちにちのんびりする。青空で暖かかった。というわけでひきつづき部屋の掃除をする。いつも非常に散らかっているのに比べれば、すこし散らかっている、程度になったのではないかと自賛してみる。

夕方はまたピアノを弾きに行った。

昨日に引き続き論文をぼんやり眺めていたら、

there is nothing sacred in spin-one currents (unless one assigns religious significance to light, for which, admittedly, there is precedent)
という本題とは関係ない一言があって面白かった。いつかはこんな気の利いたことを書いてみたいものだが、それ以前に内容と英語をどうにかしろという話だ。


Dec 29 00:17, Princeton

今日は朝は晴れていたのに、夕方には曇って、夜には雨だ。一応年末なので多少部屋の片付けなどしてみる。積んであった本を棚につめていると、最近の本の買いすぎのため入りきらないことがわかった。どうしたものか。

また、印刷したが読んでいない論文も一ヶ所にまとめてみる。とりあえずどういう論文を印刷したか確認して、面白そうなものから一応目を通そうとしてみるが、これはそう簡単には進まない。

あとは洗濯のついでにピアノをひく。建物全体のカードリーダがおかしくなっていたようで、丁度修理のひとが来ていて、目出度くピアノの部屋に入ることが出来た。


Dec 27 23:22, Princeton

今日も一日薄曇りだ。それでも5度あるので暖かい。12月の頭の寒かったときは、年末に厳寒の中寂しく過ごすのはどうなることかと思っていたが、恐れていたほど寒くなく、研究所に行っても人がいないのにも慣れてしまった。

日記の移行は昨日の時点で9割がた出来ていたはずだが、折角だから最近はやりの web 2.0 なるものを勉強してみようか ... と遊んでいるとまた一日潰してしまった。一応写真をクリックすると大きくなるという機能はつけられたつもりだ。

夜はピアノを弾きにいこうとしたら、カードリーダーが僕の所員証を認識してくれなくて入れなかった。残念。


Dec 27 00:12, Princeton

今日は曇り、夜になると小雨。まあそれほど寒くはない。

今日は全く勉強しなかった。そのかわり日記の移行を9割がた済ませた。昼から夜までかかった。折角だからといろいろ変えていると時間がかかった。

夜はカレーにした。


Dec 25 22:23, Princeton

今日は一日ぐうたらする。昼はサンドイッチを買って食べたら、窓からの光が心地よくて昼寝をしてしまった。気が付いたら夕方だ。

%からのメールに、これこれの論文のここに自分たちのやったのと同じ計算が既に書いてある、とあって少々がっくりくる。それにはひと月かかったのだけれども... まあ存在を知っていた論文だから、じっくり読み込んでいなかったのが良くないのだが。

この日記もいい加減場所を動かそうと思うが、まずは cgi を使わないようにしないといけないのでなかなか厄介だ。研究室が静かなうちに方針を考えてしまおう。


Dec 24 23:00, Princeton

Palmer sq. の虎。

今日は青天。8度ぐらいと暖かいので、のんびり研究所の芝生やら森を散歩する。さすがにほとんど人はいない。こんなことが分からないんだけど、と質問が出来る同僚がいないのが少々さみしい。仕方がないのでいちおう関係ありそうな論文を印刷して家に持ってかえることにした。

またナッソー通りに行き、ぶらぶら歩いていると所長の奥様に会う。連れていたお孫さんは11ヶ月だそうだ。ということは思ったよりまだお若いのか。見事な銀髪だから勝手にお年かと思っていたが、そういう髪の色なのだろう。

長い間躊躇して買っていなかったが、クリスマスだし良かろうと本屋で欽定訳の聖書を買う。レジでお金を払っていると、後ろのおばあさんが「その分厚い本は何?」というので、お店のひとが「聖書ですよ、何たって世界でいちばん売れている本ですからね。メリー、クリスマス。」と言う。おばあさんの返事は「あらまあ」だった。

あとはピアノを弾く。夕食は鍋。


Dec 24 00:29, Princeton

今日は雨で強風が吹き荒れた。気温は15度を越えて気持ちが悪い。家にばかり居ても仕方がないので昼は研究所へ行く。

「小さいが、すこし面白げなこと」を何とか論文にすべく、本郷の某君といろいろ方策を探っていたが、未解決の細かな問題が関連して無くはないようだ。ただ、重力側はあまりに微妙なので自分たちでは現時点では手に負えないように思われる。とはいえ気になるので何とかしたいものだ。


Dec 22 23:57, Princeton

昨日今日と小雨が降るような降らないような天気だ。空は灰色に薄い雲に覆われているが、却って暖かい。夜も零下まで下がらないようだ。昨日は同僚がイタリアに帰ってしまって、恒例の夕方の数時間の議論が無かったからなんだか物足りない気もした。家に帰って夕食をたべると眠くなってすぐに就寝。

今日はナッソー通にでて、楽器楽譜屋さんに入ってみる。このあいだのラフマニノフのチェロとピアノのソナタが非常に気に入ったので、楽譜も買ってみようと思ったが、さすがにおいていないようだ。ネットで注文してしまったほうが簡単かもしれない。スターバックスによって本屋にも行く。考古学に基づいた古代イスラエルの歴史という本があったので買おうかと思ったが、ネットで評判を見てからにしようと思い先送りにする。

そのあと Washington road から Route 1 にまわって Wegmans で買い物。route 1 から降りるすこし前、上り坂になったあたりのところで急に渋滞になったからなんだと思っていると救急車が二台到着、もっとも中央よりの車線で二台ぺしゃんこになっていた。事故になったひとには申しわけないが、巻き込まれなくてよかった。

Wegmans では買い込んでおこうとかごに続々ものを入れているとあまりに重くなって、はじめてカートを使った。

家に戻って評判をみてみるが、そもそも古代イスラエルの歴史は政治的な問題をはらんで、かつこちらでは人気のある話題だから、偏ったものや想像のたくましすぎるものが多く、なかなか難しいようだ。幸い見つけた本の著者は、そもそも「古代イスラエルの歴史を現代において語ることの政治性」も専門のようなので、買っても悪くないと思われる。しかし、他人の分野なら多少客観的になれるが、なんともその先生のご専門の細かいこと!


Dec 20 22:36, Princeton

昨日は何があったか覚えていない。普通に研究所に行って、考え事をして、戻ってくるだけ。今日は 7 度ぐらいあったので、昼に森を散歩してみることにした。すっかり葉はなくなって、落ち葉も色が抜けてただ茶色になってしまった。枝を透かして遠くが見える。池や水たまりは氷が薄く張っている。

食堂、お茶の時間は今日でおしまいで、明日からは実質冬休みということだ。日本は西洋に影響されて旧暦から新暦に年末年始の祭を変えたにもかかわらず、クリスマスが中心か元旦が中心かという違いでまだ休みに一週間ずれがあるというのは面白いことだ。

共同研究をしている % もお国に帰ってしまうので、ますます気が抜けそうだ。


Dec 18 22:53, Princeton

我々 PD の行き先が決まる季節だ。今日の昼食のテーブルはそのような話。

夕方議論していると、ここ二ヶ月苦心していた計算が不思議に綺麗にまとまった。分かってしまえば30分で出来る計算なのに時間がかかった。次はこれをどのように使うかということか。

今日は夜もなかなか零下にならず、家まで歩いて戻ってくる間も多少暖かい気がした。


Dec 18 01:01, Princeton

風は冷たいが晴れてすがすがしい一日。今日は少々夜更かし気味だ。寝ないと。

昨日は小さいが、すこし面白げなことを見つけたつもりだったが、今日関連論文を漁ってみると、本質的に同じことをかなり回りくどい方法ではあるが示している文献を見つけた。どうしたものか。


Dec 16 22:40, Princeton

冬枯れの木立に沈む夕陽。空の青とのコントラスト。

昨日は良い天気。食堂に昼食にいったら、雑談している日本人が二人。それに参加して、そのあとも居室にもどって更に雑談していると夕方になった。文字の本を見せて自慢したら反応を貰えてよかった。

今日は朝は雨。昼過ぎから徐々にあがって、夕焼けは綺麗だったが、風が強くてこわいぐらいだ。昨日食堂で ○○ 先生のご家族に会った際に、お嬢さんがバイオリンを弾くので聴きにきてくださいねと言われたのでのこのこと出ていったら、ご両親とバイオリンの先生以外はみな同級の小学生ばかりでかなり場違いだった。恐縮してしまった。しかしバイオリンはなかなか楽しめた。


Dec 14 22:34, Princeton

今日は気温が8度まであがって過ごしやすい。朝、屋根に積もった雪が融けて流れる音が心地よかった。

研究所は徐々に人が少なくなっているようだ。今学期 sabbatical でいらした P先生が、お別れだからといって昼食時に皆にワインとケーキを振る舞ってくださる。

昼食後は僕の部屋の前の # 先生のところに教授陣が全員終結して侃々諤々やっている。来年ポスドクを誰を雇うかという話のようだ。電話を受けた次の日に高熱を出した二年前の自分を思いだした。

ここ数日あたまを悩ませていた概念的な問題は一応解決して安心した。ほぼ毎日議論しつつ、もう二ヶ月やっている話だが、一進一退だ。まあしかし少なくとも、関連していろいろと学んではいる。


Dec 13 22:56, Princeton

氷雨が降って、赤い実に小さなつららが出来ました。

今日は一転寒くなった。朝食を食べながら、窓の外の雨を寒そうだとぼんやり眺めていると、雨のままなのに急に道路と芝生が白くなりだした。氷雨だ。実際体験したのははじめてだと思う。一時間ほどでおさまってから外に出てみると、ふしぎなシャーベット状になっている。木の枝にも一瞬で小さなつららが沢山できた。

夜は Fuld Hall の Common Room でMulled Wine & Minced Pie。イギリスの風習だそうで、所長の奥様のレシピで研究所の食堂の方が準備してくださったものらしい。去年はじめて飲んだ mulled wine が忘れられず、ずっと楽しみにしていた。ハーブ、スパイスで香りづけをした暖かいワインだ。体が温まって幸せになる。

同僚にいったいこの mull という動詞はどういう意味か、ときいたら、mulled wine という組み合わせ以外は滅多に使わないらしい。それだけ英国に根付いた習慣だということだろう。


Dec 12 23:32, Princeton

時計台を染める夕陽。

今日は12度まであがったようで過ごしやすい。こちらに来るまで基本的に大阪か東京暮らしだったので、気温が 5度、15度、25度、35度というのがどういう感じかはわかっていたが、こちらにきて、-5度がどれくらいでどういう服装が要るかが身に付いた気がする。5度以下というのはこれまでは単に「寒い」のひとことで片づいていたが、5度と15度が全く違うように、5度と-5度も全く違うのだ。という当たり前の感想。

注文してあった Oxford Univ. Press の "The World's Writing Systems" が届くので、夕食後ゆっくり眺める。これは素晴らしい本だ。とりあえず、梵字は本来のインドではとうの昔に絶えて、最早日本でしか使われていないということを学んだ。

Argyres 先生の論文が出て、さっそくこの間の論文が引いてもらえて嬉しい。E8 のデータも我々の予言とあって目出度い。


Dec 11 23:41, Princeton

昨日今日と雨は降るものの、昼は気温は8,9度まであがって暖かい。

連日夕方は議論をするが、ノンストップで4時間ぐらい続くのでなかなか大変だ。彼の集中力には感服する。

昨日は最近有名になった LR 先生のセミナーが研究所で、こちらは参加。今日も大学でセミナーがあったが、考えたいことがあったので飛ばしてしまう。


Dec 10 00:09, Princeton

今日は曇り、夜から雨。Windsor Green の Whole Foods まで買い物に行った。

何か文字の本を買おうと思って Barnes&Noble にも寄るが、特に気に入ったものも無かった。家にもどってAmazon で調べていると、1000ページの「The World's Writing Systems」というのがある。抜粋をみるとなかなか面白そうで注文してしまった。通常2万円のものがクリスマスセールで5千円、というのに釣られた。半専門書がクリスマスセールで安くなるというのは有り難い話だ。


Dec 9 00:35, Princeton

Palmer square.

今日は外も 8 度まであがったとか、暖かかった。大きな窓が南西を向いてあるから、昼過ぎから太陽が射し込んで部屋の中はますます暖かい。窓際の机においてあったチョコレートクッキーが融けて大変なことになった。

あとはいつものように本屋に行って、暗くなりはじめたころに帰ってきた。悩んだが本は買わず。なにかいい typography の入門書は無いかと思うがむずかしい。

最近一週間たつのがすこぶるはやいように思う。一週間で何か研究が進展したかというとそんなこともない。一昨年の今ごろはどこにいて何を考えていたかと振り返っても、二年間で驚くほど研究に進歩が無い。まあ多少なりとも新しいことをやろうとしているのだから時間がかかるのも仕方がないかも知れないが、基本的に僕は銅鉄主義の枠内を出ていないのでそれも言い訳になるのか怪しいところだ。それに引きかえ、自分の専門外の分野の入門書など買って読むと、単位時間あたりに得られる新知識が多く非常に気持ちが良い。というのが最近いろいろ本を買っている理由ではないかと思った。


Dec 7 23:26, Princeton

研究所の池も凍って雪が積もります。

今日も大学でセミナーがあるが、一週間に四回というのは多少多すぎるので行かないことにした。

夕方に戻ってきた同僚に会うと、まだ昨日の楽しそうな気分を引きずっているように見えたので、「昨日の計算、上手くいかへんの気付いたはらへんのとちがいます?」と切り出してみると途端に顔が険しくなる。説明を続けると、「もう人生の何が楽しいのかわからなくなったぞ!」と来た。どこの国のひとも大仰なのは変わりがないようだ。

夜は白菜と鶏でこの冬はじめて鍋にする。適当にさしすせそで味付けをするだけだが、世の中にこんなに旨いものはないと思った。


Dec 6 23:16, Princeton

今日は青天。地面の雪との対照が美しい。昼には0度より上がったようで、なんだか暖かく感じてしまった。

夕方議論していて、計算が突然うまく進んだのでそこで切り上げて家に帰ってきたが、夕食を終えて考え直してみるとどうも微妙に駄目なようである。間違いが見つかっても明日まで教えてくれるなよ、寝付が悪くなるから、と言われているので連絡するのは控えておくが、こちらは多少気になってしまうのは仕方がない。


Dec 5 23:47, Princeton

雪。

今日は一日零下で寒いこと。

寒いので昼食まで家に居ようと家で机に向かっていたら、Skype で同僚から呼び出されて慌てた。なんでも、いま来ている $ さんが似たようなことをやっているらしいというのを本人からひとことふたこと聞いたという、最近こんなことばかりだ。二人で多少方策を練ったあと、結局直接話を聞いてみることにしたら、幸い overlap は殆ど無いようで、それほど慌てる必要もなさそうだとわかった。

まあこう重なってばかりなのはマニアなりに流行を追い掛けているだけで、新しい発想を育てていないからだと思われる。

昼過ぎから粉雪が降って、すこしずつ積もる。ID カードは食堂のレジに行くと丁度そちらに届いていたようで手元にもどってきた。嬉しい。食堂はクリスマスの飾り付け、大きなツリーに各国の旗が飾ってあって、自然と話題に上ったが、なんでも一番上に星条旗があるのは、法律で各種国旗を掲揚の際は星条旗を上にすることと決まっているのだとか。また、黄色地に赤い獅子の旗はスコットランド国王のものらしい。


Dec 4 23:22, Princeton

今日は昼食に行ったら、レジで研究所の ID カードが無いことに気が付いた ... ID カードは夜に建物に入るときか、食堂で食事代を天引きにしてもらうぐらいしか使わない上に、昨日の昼食では普通にレジを通ったし、平日の晩には研究所にもどったりなどしないから無くしようがないと思うのだが。昨日はそもそも大学へセミナーを聞きに行った以外はどこにも行っていないし。色んなコートのポケットを探ったり、家と研究所の自分の部屋も探してみたが見当たらない。こうなると昨日食堂で置き忘れてきたぐらいしか思いつかないが、それなら今日レジで「無くしたみたいなんですけど ... 」と話したときに相手が知っていてもおかしくなかったんではなかろうか、ちいさな食堂なのだから。まあとにかく明日聞いてみて、無かったら再発行ということか。申し訳ない話だ。

今日は粉雪が舞った。


Dec 4 00:27, Princeton

今日は気温は10度ぐらいまで上がったようだが風が非常に強い。大学でのセミナーに自転車で行ったら何故か行きも帰りも向かい風で大変だった。厚着していったので寒くはなかったが、顔だけこごえそうになる。戻って紅茶を飲んでほっとした。

Nassau 通りはそこここにリースが掛かって、すっかりクリスマス模様だ。Palmer sq. の虎の首にもリースが飾ってある。


Dec 2 22:44, Princeton

初雪です。夕方まで零下でした。暗い季節になります。

昨夜遅くから雪になって、今朝にはうっすら積もっていた。そんなに降ったわけではないが、昼になっても気温が零下のままなので融けずに残っている。洗濯物を共用のランドリーへ持って歩いていくとすっかり冬という感じだ。一番厚いコートを出した。

そんなわけで家でじっとしていた。お蔭で昨日買った英語の歴史の本は半分ぐらい読み進んだ。sloth というのが単にナマケモノという動物の名前でなくて、slow の名詞形だというのを知った。

日が暮れるころから小雨に変わる。雪は明日の朝にはなくなっているだろうか、それとも明け方また寒くなって凍っているだろうか。


Dec 2 00:45, Princeton

今日は一日休憩。昼を食べたら Wegmans まで買い物に行って、そのまま route 1 を回って Nassau 通りまで、本屋に寄ってから Starbucks に入るといういつもの道だ。もう一冊英語の歴史の本を購入。今回のは適度に専門的で良さそうだ。

夕方は知り合いの香港人に呼ばれてそちらのパーティへ。部屋を共有しているアルゼンチン人の人は同僚の従兄弟だそうで、世の中は狭い。柿を持っていったら、中国系の人は誰も知らなかったのに、アルゼンチン人の彼は知っていたのが面白かった。アルゼンチンでは「カキ」とそのままの音で売っているらしい。鍋で体が温まった。どこの国にも鍋奉行というのはいるものだということも判った。

その後は研究所のコンサート、バイオリンとピアノ。はじめの Debussy が一番良かった。途中で主催の P. Moravec さんの作曲した小品もあって、彼が解説していたが、途中で「この曲は Pulitzer 賞をもらった Tempest Fantasy の元になった曲で ...」とはじめたので驚いた。日本人なら大の大人が自分の貰った賞を口に出すなど有り得ないだろう。


Dec 1 00:54, Princeton

もう日付は変わって12月だ。時間が経つのははやい。

今日も notation の調整を続ける。あとはひとつレフェリーレポートを提出。4月に出した論文も揉めに揉め改訂を繰り返した揚げ句の漸く先週 accept された。物理の内容でなくて、表現の仕方と引用の仕方で半年以上かかったのだからやるせない。

研究会に来ていた % と夕方喋っていると、そこに現れた知らない先生と話をすることに。名前を伺ったら研究会のスピーカーの一人だとわかった。出席していないのがバレてしまってすこし面目の無い話だった。

先週買ったミケーネ文明の薄い本は一応読み終わった。数世紀続いた、文字を持った文明がすっかり滅びてしまい、築城技術も何もかも失われてしまったというのは恐ろしい話だ。そうしてその後の数世紀にわたる暗黒時代の間も、遠い記憶は伝説として確かに伝わっていたというのは慰められる話だ。ホメロスもいつか読んでみようと思った。英語で読んでも仕方がないからいつか日本に帰ったらということになるが。