Jun 28 09:25, Madrid

Banco de España  の駅を出たところ。

カンファレンスも半分以上が終了だ。いろいろと思い出して書く :

朝は毎朝駅前のカフェのカウンターでコーヒーとパン。街のひとがみな同じようにしているので見よう見まねで注文する。おはよう、コーヒー頂戴!というとすぐに準備してあるカップにエスプレッソと牛乳を注いでくれるのだが、となりに来たおじさんがコーヒー頂戴!とだけ言ったところ、店主がコーヒーを出さずにおはよう!とだけ返していたのがなんだかおかしかった。

大学までの電車は案外の混みようだ。すこし街から離れていて赤い土に濃緑の木立という景色が広がる。大学の周りには何もない。太陽の直射は厳しいが、風は涼しい。

会議の会場は広い部屋に大きなスクリーンだが、椅子の列が180度に広がっていて端に座ったものならば角度が厳し過ぎてスライドを見るのが大変である。また、ずっと屋根の上にいるのか小鳥がさえずっているのが聞こえるのが可愛らしい。

大学の食堂はまあそれなりに、日本の学食の料理をスペイン風にしたらこうもなろうかというものだ。初日はみなが殺到して長い列になっていたが、二日目は皆懲りたようでばらばらと食事に行く。

初日の夜は Sol 近くの貴族の部屋を改装したとかいうクラブでレセプション、その後は Gran Vía で皆さんと適当にスペイン料理屋に入った。チェーン店様の趣だったので不安だったがきちんと料理したものが出て来た。

二日目の夜はピアノの演奏会。前半は Albéniz, de Falla, Debussy のスペインを題材とした曲、後半はショパンの前奏曲。後半になってピアニストの方も気分がのってきたらしく、すばらしい演奏会だった。演奏者自身による曲の解説もついて、アンコールは Scriabin の左手だけの曲、もう一つと、あとは即興か自作だか、なかなか気前の良い人だった。ピアニストと同じ名字のスペイン人の研究者がいるので、家族ではないかという話だ。

会場は国立音楽堂、偶然毎朝使っている地下鉄の前の建物だったので大学からのバスがついたときにはびっくりした。夕食はみなさんで Serrano のあたりまで出かけてしばらく探すとなかなかよいイタリア料理に巡り合ってよかった。

水曜は半ドンで、午後は観光バスが仕立てられてトレドかセゴビアに行くか市内観光か、それともなにもしないかという選択が会議への登録時に出来たのだが、僕はのんびりするつもりだったので何も予定を居れておらず。日曜にホテルの人にコインランドリーは無いかと聞いたら、ここにあるけど日曜だから閉まっているよと言われていたところに行ってきた。半分ランドリーで半分ドライクリーニングという形式のところで、店のおばちゃんとお互いたどたどしい英語で会話すると、やっておいてあげるから8時に戻っておいで。ということになった。一週間分しか持ってきていなかったところを騙し騙し着ていた服がいい加減限界になっていたので助かった。

というわけでその間プラド美術館に行ってきた。ヒエロニムス=ボッシュは何度みても驚きだ。よくあんな絵をあの時代に描けたものだ。

夕食は駅前のカフェで定食。気分がいいのでビールを一杯頼んでみた。

物理の話はまあ書かなくてもいいだろうか... 発表者と同じ大学の人が質問をしているのがよく見かけられてなんだか不思議だ。

以上木曜の朝に大学に来てから更新した。


Jun 25 14:48, Madrid

St John's College。Cam 川の Lock。

Madrid におちついたのでいろいろ思い出しつつ日記でも書いてみようと思う。と思って書き込もうとしたが、ホテルからは web は読めるが書けなかった。いまはカンファレンスの会場です。

木曜のセミナーは夏休み期間ということで殆ど教官がいなかったが、%がいろいろ質問してくれてよかった。夜は宿近くのパブでペンネを食べた。

金曜は % と O 君に案内してもらって St Jone's College を見せてもらう。あの建物は新しいよ、出来たのが1700年ぐらいだし... という歴史のあるところだ。夜は Cambridge で一番古いとかいうパブで O 君、 O さん、% と % のフィアンセとアジア人ばかりで食事。業界の話でいろいろ盛りあがって楽しかった。ちなみにそのパブは15世紀からあるとかで、壁のどのあたりかはその頃からずっとあるとかいうので恐ろしい。日本にも古い建物はすこしは残っているが、こう生活に使われてはいないと思われる。

土曜は朝から移動。宿の前からバスで city center のバス停へ、そこから長距離バスで Gatwick 空港まで。殆ど寝ていた。Gatwick は出発30分前になるまでゲートがわからない変な仕組みだ。アメリカやイギリスの電車のターミナル駅もそんな感じだけれども。Madrid までの飛行機は揺れも少なく快適だった。Madrid の空港は非常に壮大だ。入国審査はイギリス以上にいい加減でなかなかよろしい。

あとは地下鉄でホテルまで。荷物を一度置いてから夕食を摂ろうと駅前のカフェテリアへ行ったらメニューが殆どなにも判らなくて新鮮だった。ホテルは広くて快適だ。まあ二人部屋を一人で使っているからだが、ケンブリッジで大学にとってもらった Bed&Breakfast がスーツケースをかろうじて広げられるサイズだったので落差が激しい。

こちらの地下鉄は初乗り€1、ゾーン1の10回券が€8とかで有り難い値段だ。ロンドンの地下鉄はゾーン1の初乗り£3、一日乗り放題が£5とかでかなりあり得ない値段だった。

日曜は一日休憩。近くでブランチを食べようと思ったら、カフェが軒並み閉まっていて困った。洗濯しようにもランドリーも閉まっている。夕食時も空いている店がなかなか見つからず、結局お酒が主の店でツマミをいくつか食べて凌いだ。まあ観光名所の辺りまで地下鉄で行けば良かったのかも知れない。

Madrid は昼間は暑いが夜は風が心地よいぐらいだ。ロンドンより西にあるのにパリと同じ時間帯で、ロンドン+1だから、夏時間と合わさってかなり夜遅くまで空が明るい。

さて明日からはカンファレンスだ。朝の通勤がどれくらい地下鉄が混んでいるのかが気になる。


Jun 21 10:37, Cambridge

Cambridge Express の車窓。テムズ河畔の観覧車と、太陽にかかる暈。

現在水曜夜、旅行中で時差ぼけもあってなかなか日記を書く気にならず、また宿からネットに繋げたり繋がらなかったりなのだが、やっと落ちついてきたので日曜日からの日記を書いておこうと思う。ただネットに繋がらないので更新するのは明日の朝になりそうだ。

日曜は出発直前というので集中できず、なんども荷物を確認などしつつ夕方まで家に居た。5時ごろ先輩に Junction まで送っていただいて、Newark へ。Virgin Atlantic のチェックインは手際が悪くてどうなるかと思ったが、機内に入ってみると洒落ていて米系航空会社とは大違いだ。Overnight flight だったからか目隠しと歯磨き一式のサービスもあり、夕食も出たので夕食を二重に食べることに。午後9時発午前9時着ということで、殆ど寝ていた。起きていた間は揺れも少なくて良かった。

月曜朝 Heathrow に着く。イギリスははじめてだ。入国検査と税関のあっけないのに驚く。地下鉄でそのままホテル最寄りの Hammersmith へ。降りてみると(Londonなのだからあたりまえだが)東京の街中のような感じで開けていて新鮮だった。プリンストンの癖で昼食の心配をしていた自分が間抜けだった。ホテルは Shepherd's Bush 沿いのこじんまりしたところ。良さそうなおっちゃんだった。

時差で眠いが、体を慣らすためにも観光に行く。大英博物館でかなり時間をつかって、あとはトラファルガー=スクエアから宮殿を回ってハイドパークまで歩く。

火曜も観光。といっても朝食の後寝てしまって出発が遅くなった。一応 Big Ben の時報を聞いて、テムズ河畔を歩く。ちょうど ミレニアム記念観覧車のところでお日様に暈がかかっていたことに気付く。円弧の対照が美しかった。

トラファルガー=スクエアに戻り、 National Gallery で絵をみていたが、眠気で集中できず。そこのレストランで美味しい昼食を食べて大英博物館に戻る。ここでひたすら時間を消費して、ホテルに戻った。夕食は買い食い。

大英博物館で衝撃だったのは、中庭の中央の天蓋を支える大理石の壁の最上部に、一文字 1m はあろうかという大きな文字で ... DEDICATED TO HER MAJESTY QUEEN ELIZABETH II AD 2000 ... と刻んであったことだ。展示物のアッシリアやエジプトの王の顕彰碑やらと精神構造は変わっていないように思える。

さて水曜は朝から Cambridge へ向かう。King's Cross 駅までいくのに Hammersmith&City Line を使おうとしたら直通のが無く途中で乗り換えることになって手間取ったが、まあ到着。9 3/4 番線の隣の 10番線から、Hogwartz Express ならぬ Cambridge Express に乗る。直行便也。車窓からの郊外の眺めは最高だ。

研究所にたどり着いて皆様と昼食。DAMTP は Center of Math. Sciences の建物の一部だが、円筒を二つ合わせたような構造で螺旋階段なので、歩いているとどこにいるのか混乱する。

宿への帰りは街の中心部を通ってみたが、石で出来た全くの中世都市にみえる。そこに現代服を着た若い学生が沢山歩いているのが奇妙だ。夕焼けのケム川沿いを歩くのは楽しい。気象も長袖であるいて暑くないぐらいで丁度よいのだが、どうもまだ花粉が多少あるらしく宿に戻ると鼻がでて目がかゆくて困った。

さて、明日は自分のセミナーだ。


Jun 16 23:28, Princeton

またプリンストンは暑くなってきた。旅行の準備をすすめる。夏なのでスーツケースは空っぽだ。一回り小さなもので充分にも思えるが、まあよし。

大学の書籍部に行って、旅行中夜に読む本を探していたら、古代中近東の歴史入門というのがあったのでそれにした。紀元前3000年から323年というのだから畏るべきだ。本を選っている間に雨が通っていった。

あとはまた Keith Jarrett のソロ即興を買った。ちょっと最近は毎週末いろいろ買いすぎのような気がしてきた。


Jun 14 23:25, Princeton

論文の投稿でここ数日忙しくしていたけれども、やっとケリがついた。一年以上うちの先生としょぼしょぼとやっていた内容なので、まあなんとか形になって嬉しい。

朝になって投稿することにしていたら、目が覚めてパソコンのスリープを解除したらネットに繋がらなくなっていて非常に慌てた。どうもハードウェア的に不具合があるんでは無いかと思うが、これでは旅行中ネットに繋がるか怪しくなってきた。まあ二週間ぐらいインターネットから離れて見ろという話なのかも知れない。普通に使うぶんには問題ないように思える。

もうひとつのネタは某君の頑張りによって案外すぐカタがつきそうだ。

しかしこちらに来ても日本人の共同研究者との話ばかり仕上がってこちらの人との研究は一向に実らない。これでは次のポスドクの応募のときに共同作業の出来ない奴だと思われて悪影響が及ぶのではないかと心配する。

ここ数日は昼になっても20度ぐらいまでしか上がらず涼しいのはいいのだが、暑い日との気温の差が激しく少々体に堪える。空はすっきりと晴れない。


Jun 12 23:55, Princeton

毎日のように夕立が通る。午後二時に降ったり午後10時に雷が鳴ったりするので日本の夕立とは仕組みが違うのかも知れないと思うが、ダイナミックでなかなか楽しいところだ。今日の昼の雷雨の雨粒の大きかったこと。雹まじりになったので辞書を引いたら、hail というそうだ。

Apple の新製品発表会があったが、時期OSもなかなか面白くなりそうだ。表面上はあまり変わっていないということでネットではブーブー言われているが、内部構造はかなり変わっているらしく、オタクとしてはそれだけでも楽しめそうである。

ヤング盤の勉強をする。


Jun 11 00:11, Princeton

とりあえず今日も夕方まではぐうたらしてしまった。慌てて洗濯をしようとするが洗濯機が全部埋まっていてどうしようもない。というわけで先に買い物に行った。徐々に旅行の準備をしないといけないということで、まずは London と Madrid の観光案内を買った。ちなみにまだ NY の観光案内は買っていない。そういえば東京の観光案内も持っていない気がする。住んでいると買う気が起きないのではないかと思われる。

日が暮れかけてから洗濯をしていると、クローバーに占領されつつある芝生をぽおっと光の粒が流れているのに気が付いた。(僕が幻影を見ているのでなければ)どうも蛍が出て来ているらしい。もう暗くなって虫の体は見えないのでますます幻想的だ。

夜にネットでロンドンの中心部の宿を探していたら、どれもこれも宿泊者の声のひどいこと。たまたま評判のいいのがみつかったので予約しておいた。


Jun 9 23:48, Princeton

昨日の昼は34度まであがったらしい。しかし建物の中は緩く冷房がかかっているので生活は快適だ。研究は面白くなりそう。

今日はいちにち家でぐうたらしていた。なんだか急に食べたくなったのでこちらに来てはじめてポテトチップを買った。

さてそろそろ旅行の準備を始めないといけない。


Jun 7 23:40, Princeton

今日はおとなしく勉強した。

久し振りに自転車に乗ろうと思ったら前輪の空気が抜けていたので、先輩に空気入れを貸していただいた。夕暮。に涼しくなってから Wawa までオレンジジュースを買いに行ってきた。風が心地よかった。


Jun 6 23:44, Princeton

今朝はそろそろ花粉の季節は終わったか、と思って森の小径を通って研究所に行ったらさっそく症状が出て午前中は鼻をかんでばかりだった。

いろいろ文献をさがしてみたが、どうも誰もやっていないように思える。


Jun 5 23:32, Princeton

$ さんに話を聞いてもらいながら考えてみるが、簡単でそれでいてなかなか非自明で面白いように思う。しかし98年に出ていておかしくない内容の論文で、当時この話題で山のように論文が出ているから文献の山をあたってまだ為されてないことを確認しないといけない。それが面倒だ。%に言わせると簡単なことほど気付かれずに残ってるものなんだよ、というがさてどうだろうか。

昼30度で夜10度というのは少々気温差があって大変だ。


Jun 4 23:19, Princeton

金曜に日記を書いていなかったことに今日気が付いた。

今日は雨上がりで涼しい。昼はハンバーガーだった。肉がバンより厚い。

$ さんと Sasaki-Einstein 関連の雑談をしていると、ふと去年すこし考えたがかなり自明に思えて放置していたことを思い出したので話題に出してみたら、多少は面白いことがありそうだと分かった。

夕方は日が沈む頃買い物へ行った。


Jun 3 23:39, Princeton

雲間から夕陽が射します。

昨日今日とまたのんびりしてしまった。いつものんびりしているので、更にのんびりしていたというべきか。先週末と違って寝てばかりというわけではなかった。基本的に Churchill の本を週末中に読み終えようと必死になっていた。

昨晩は夕食後に外から花火のはじけるドンという音が聞こえてきたのでそとに掛け出してみると、大学のほうで花火大会をやっているらしい。車で見晴らしの良い Graduate College まで行くとテントも張ってあって人だかりが出来ている。実家の近くの花火大会には比べられないけれど、なんとも良いものだ。小休止があるたびに、まわりの人がこれで終わりかな?まだある?とざわつくのはどの国でも同じようだ。

今日は一日しとしと雨が降った。

あと先週中に書きわすれたことは : Wegmans で桃が並んでいたので買って食べた。日本の立派な白桃に比べると見劣りがするけれども、それでもなかなか美味しい。小さくて値段も手ごろなので沢山買ってしまった。

これまでハムばかりでベーコンを買ったことが無かったのを買って焼いてみたら油の出る事!一番はじめはフライパンに油を引いてから焼いてしまって失敗した。

あとは Duruflé のオルガン全集を購入。


Jun 1 00:19, Princeton

今日は印刷したが積んであっただけの論文をいくつか目を通した。昨日の Cachazo et al. の論文も面白かった。

夕方は、こちらの大学で PhD を取って合衆国を離れる % さんの送別会ということで日本人6人で韓国焼き肉まで行ってきた。アメリカで育っていま大学一年生が終わったところというひとが来ていて、こちらの大学受験の事情やらが会話の裏から推測できて興味深かった。

夜になって少し雨。外からは虫の鳴き声が仄かに聞こえるようになった。