Oct 29 00:35, Princeton

昨日は朝まで風と雨が強かったが、昼からは徐々に西から晴れて良い秋の日になった。車で Barnes & Noble まで行って本を眺める。あとはそこのスターバックスでアップルパイとコーヒーをおやつに食べた。Dover が 1904 年刊の英語の歴史の薄い本を安く再版していたのを見付けたので買ってみる。言語の変化のどれが合理的効率的で、どれがそうでないか、という考察がそこここに書いてあって、そういうところは如何にも 100 年前だ。

今日は誘惑に負けて、Leopard の新機能を使ってすこしプログラムをしてみた。Objective-C に GC が付いたのは便利だ。

その後は自転車で軽くあたりを回ってくる。随分紅葉が進んで、枝が透けてきてしまった。夜に外をあるくとすこし煙たい臭いがするのは、ほかのうちの暖炉だろう。

昨日と今日と夕食はまたカレー。さて、また頭を物理に戻さないと。


Oct 27 00:26, Princeton

昨日今日と雨が降り続く。共同研究は進んでいるような進んでいないようなところだ。

昨日のセミナーは M on G2 に立脚したMSSM、という話。84 という数字が出て重要だというので、42 の 2 倍かとSF 好きの聴衆同士で小声で話していたら、その factor だけ gaugino が軽くなるという物理的な意義があるそうだ。

今日は Sakai-Sugimoto 模型の話。相構造が面白い。現実の QCD にも質的には似ているそうだ。スライドの構成が非常に綺麗だった。

OS X 10.5 を注文してあったのが発売日になって、朝研究所のほうに届いたはずなのに郵便受けに届かない。おかしいと #さんに聞いたら、FedEx は受付まで取りにいかないといけないそうだった。さて、発売日に届くように予約注文するような馬鹿は僕らぐらいかと思っていたら、今年からここにきた % さんは朝に届いたのを昼のうちにインストールしたらしい。これは気合いが入っている。

夕方は雨が小振りになっている間に Wegmans へ買い物へ行ってくる。もどってくると生物科の建物の dedication ceremony だ。ゆっくり買い物をしていたので疾うにスピーチやらは終わって、もう立食パーティになっているとおもっていたが、会場まで行っても誰もいない。何でも理事長が車の渋滞に巻き込まれたかで遅れ、さらに土砂降りで建物の見学等に時間がかかっていたとか。物理の建物に戻ると、立食パーティだけ出ようと企んでいるポスドク連中が同様にたむろしていて面白かった。みな考えることは同じだ。パーティでは多少お酒をいただいて気分が良くなった。

さて家に帰ってインストールして遊ぶ。


Oct 24 20:35, Princeton

真っ赤です。枝が空けてきました。

昨日今日はセミナーも無いのでいろいろと勉強。ロンドンに居る同僚と電話で議論したりする。最近昼食でいろいろ昔話をして下さる先生が P. Ramond 先生であるということを認識した。群と対称性が大好きな人のようだ。

昨日の午後から天気が下り坂になって、今日は雨がぱらつく。ようやくこれで長袖だけで外をあるくと肌寒いように感じるようになった。好みを言えばもうすこし気温が下がって欲しい。それでも紅葉は進む。あと一月もすると冬枯れになってしまうのだろう。春に芽が出たのを喜んでいたのはつい最近だったような気がするのに。


Oct 23 00:07, Princeton

夕焼け。

今日も暖かい。もう少し涼しくなってくれても良いと思うぐらいだ。しかし紅葉は着実に進んでいる。# さんが大学へ来ていて、セミナーなので自転車で行ってきた。すぐに研究所までもどって、すこし研究の続きをする。

欲しい本が図書館で借りられていたので、%に彼の個人の本を借りた。彼の本棚には数学の本が見事にそろっている。

夜もセミナー後の夕食に Blue Point Grill までお邪魔して、その後は日本人だけで喫茶店で物理の話やら四方山話やら。真っ暗になるからと思って車で行ったが正解だった。


Oct 21 23:47, Princeton

昨日は食後眠くなって朝まで眠ってしまった。昼は川沿いに自転車を走らせてみたりする。本屋にいこうかと思っていたが、こんなに毎週買わなくても図書館に行けばいいのではないか、とおもって市の図書館にいってみる。しかしフィクションばかりであまり好みの本はなさそうだ。横で秋の古書即売をやっていたが、こちらもあまり面白そうなものは無し。Nassau 通りの古書店は潰れてしまうし、生協の書籍部も売り上げが上がらないから閉店売り尽くしセールをやっているし、これでは大手本屋にいかざるを得ない。Michigan 大の側には沢山よさそうな古書店があったのに、悲しい。

今日は一日洗濯、部屋と台所の掃除など。夕方は Princeton Symphony Orchestra Chamber Series ということで、Morzart, Dvorak のピアノトリオと Debussy のバイオリンソナタ。

ご飯を炊いていたのを忘れて、スパゲッティを茹でようと水を火にかけていたら、炊き上がりのブザーが鳴ってびっくりした。考え事をしていたのだと思うが、恐ろしい。豚の野菜炒めは急遽味付けを和風に変更。といっても醤油を追加しただけだが。

今イギリスにいる同僚から日曜日なのに議論のメールが絶えない。真面目な人だ。

M さんが iPod touch を買ったので自慢してもらった。さっそくハックしていろいろソフトをインストールしていて羨ましい。ちょっと僕は怖くて勇気が出ない。


Oct 20 00:08, Princeton

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いつのまにかもう週末で早い一週間だった。今日は一日雨。滝のように強く降ったり、ぱらついたりするが、兎に角雨だった。

今日のセミナーは G. Kane 先生で、MSSM のパラメタを全て振ると実験データから読みとるのは非常に困難だが、UV でのモデルを大ざっぱに決めて UV でのパラメタを振ってみると、実験データにあわせることも出来なくはなかろう、という話(だったと思う)。

あとは相変わらず 20年まえの論文にいろいろあたっていた。

夜はすこしピアノを弾く。


Oct 18 23:32, Princeton

初秋。

特に表面上は替わり映えのしない毎日。朝のんびりおきて、昼食前に研究所に行って、あとは議論したり机に向かったり。でも内面はなかなか充実しているつもりだ。日々研究というよりは、色々な基礎的なことを復習していて、こんなことも今まで知らなかったのかということが多々ある。だから復習というよりは新たに勉強していると言うべきかもしれない。

ひとつの理由は、# がここの数学の人ために場の理論、弦理論講座をやっていて、それの準備の議論にしばしば付き合っているからだ。別に数学の人が相手だからと言って厳密さを求めているというわけではなくて、単に限られた時間の中ではじめての相手に伝えるには自分がしっかり理解しておく必要があるということだ。そうして議論していると、自分達が単にいろいろな人が言っていることを受け入れているだけで、理解しているわけではないということが恥ずかしながら往々にしてある。そういうのを基礎に戻って勉強して理解するというのもなかなか楽しいものだ。

さてそういう一環で、% に A. Zee の場の量子論の教科書が面白いという話を教えてもらった。一度も開いたことがなかったけれども、確かにぺらぺらとめくってみるだけでも新鮮な視点と沢山の逸話が楽しい。買おうかと悩ましいところだ。


Oct 17 00:07, Princeton

昨日今日は大人しく勉強。議論のメールが頻繁に来るので返事を考えたり、そのために計算などしているとすぐ時間が経ってしまう。この秋からこちらに来たひととも話が出来るようになって来た。いろいろ議論できればいい。

さてここの経済の先生がノーベル賞を貰ったので昼には Fuld Hall の Common Room でシャンパンが出た。小さな研究所だから、その先生もこれまでなんども見かけたことがあるが、話した事はない ... もしかすると夏休みの人が少ない間の昼食で席をご一緒したような気もしないでもない。温厚そうな老紳士だ。

昨日のセミナーはなかなか面白かった。Hidden sector の詳細によらず、scalar soft mass にはいろいろ関係があるらしい。質問の時間になって、P 先生が、意図せずだと思うが、 if the Sleptons are Slighter than Squarks ... とはじめたので皆さん笑う。文法上の超対称性は形容詞まで一致するらしい。


Oct 14 23:17, Princeton

今日ものんびり本を読む。夕方はひとつき出張に行く同僚を駅まで送っていった。

夜はしばらく連絡を取っていなかった友人が結婚したと聞いたので、早速電話を掛けた。結局いろんな雑談やら物理の話やらで二時間話し込んでしまった。


Oct 13 23:52, Princeton

今日はおとなしく昨日買ってきた本を読んでいた。

あとは自転車で Palmer 広場まで行って、カフェでデニッシュとコーヒーを摘む。帰りにいつも使わない道にそって帰ってくる。街角にアインシュタインの胸像があることに気付いた。ここに来てもう一年になるのに不思議な話だ。

研究所の近くまで戻ってくると、二、三本の木にねぐらへ帰るのであろう小鳥の百羽はあろうかという大群が集まってピチャピチャと賑やかにやっていたのでしばらく見とれていた。飛び立って夕焼け空を舞う姿は圧巻だ。写真を取ろうとポケットから取出し、慌ててシャッターを切ったころには遠くまでいってしまっていて、非常に小さくしかうつらなかった。

夜はカレーを作った。

さて、その本に、「Catullus と Martial で有名な irrumare を英語に訳したのは17世紀のこの辞書がはじめてだ」とあったので、何のことかと思って google で調べると、まさに Catullus と Martial におけるその単語の用法を分析した論文がある。早速ダウンロードして読んでみたが、全くどんな内容でも研究している人はいるものだ。研究所が論文の出版社と契約していて、こういうものでも何でもネットでさっと取り寄せて読めるのも有り難いことだ。


Oct 13 00:20, Princeton

今日は風があって青い空に雲が動くのが綺麗だった。大学でのセミナーに自転車で行くと肌寒いぐらいだ。秋だ。

あとはひたすら黒板の前で議論。

夕暮れになったので慌てて買い物へ行く。ついでに Borders へ行って30% 引きのクーポンを使ってきた。次は 35% 引きになるかと期待していたが流石にそうはいかず、20% 引きのクーポンをもらった。先週買った本は昨年アスペンで買った本とかなり内容が被っていて失敗した。ほぼ同じテーマでほぼ同じ厚さの一般向けの本を二冊買うものではない。今回は英語の歴史の本にしてみた。アマゾンでの評価は悪いが僕は楽しく読めそうだ。

夕食後に何か CD でも買うかとネットで品定めをしていると、前から買おうかと悩ましかった一枚が Amazon で安くダウンロード販売しているのに気付いたので使ってみた。最近はじまったサービスのようだが、Mac にも対応していて、 iPod にも持ち出せてすこぶる良く出来ている。こういう競争は消費者には有り難いことだ。


Oct 11 22:06, Princeton

秋。

月曜は30度を越えたのに今日の最高気温は21度だ。一昨日の夜に雨が降って温度が下がってきたのだと思う。今日も昼に激しい雨。一昨日は久し振りに森を一周歩いてみた。足下にはどんぐりが沢山落ちていて、秋という感じだ。

火曜は一日頑張って符号を決定していた筈。昨日今日はいろいろと議論した。イタリア人の英語でも人によって案外違うものだなと思って話をしていた。

昨日は夕方自転車で軽くあたりを走っていたときに、Nassau 通りのあたりですれ違った若い白人のひとに「この××中国人め!」と罵られた。この街でこういうことにあうとは予想もしていなかったが、一瞬目があったときにようすがおかしかったから、それ以外の点で全うな人が人種差別しているというよりは、そもそもおかしなひとなんではないかと思う。


Oct 9 00:04, Princeton

今日は30度を越えて暑かった。

昼食では、W 先生が最近のあの論文読んだ?ちょっと質問したいんだけれど... といっていろんな人に声をかけていた。僕のように、恥ずかしながら積んであるだけで... という返事やら、abstract だけ読みましたが、それから判断するに... と話し始めた人が「abstract から判断できるほど簡単な論文じゃないよ」と一蹴されたりでなかなか相手がみつからなかったところに、数学科に来ている G 先生から「読んだよ」という返事がとうとう出た。途端に D-module の難しい話が始まってこれは「ちょっと」どころの話ではなかった。

その後、二時半からの大学でのセミナーに自転車で行って見ると、すこしはやくついたはずなのに部屋でセミナーがはじまっている。扉からのぞいてみても AdS/CFT、輸送係数という単語がスライドに踊っているので二時からだったか、これは失敗した、と入ってみたら、登壇者も案内に遇った人と違う。どうなっているのかと思っていると、物性のほうのセミナーだったらしい。そちらは二時半過ぎに終わって、また二時半から別のひとの AdS/CFTと輸送係数の話がはじまった。

とある項の符号を知りたくて文献を漁ると、どの論文も原論文(それをAとする)で決定されていると引用しているにも拘らず、どの論文も論文 A と反対の符号が載っている。困ったものだと思っていたら、僕と同じことを思った人がいたらしく、そのようにその人のレビューにはあからさまにかいてあった。何にせよ自分で計算してみないといけない。


Oct 7 23:18, Princeton

取り立てて何もない。ボディソープの瓶が倒れて中身が湯船に流れ出しているのに気が付いたので、折角なので浴槽やらカーテンやらを綺麗にした。特にカーテンはカビが繁殖し始めてみっともなくなっていたのがかなり見られるようになった。夜は豚じゃが。


Oct 7 00:07, Princeton

初秋。

どうも日記を書く気が起こらなくて数日ほうってあった。昼は30度近くまで上がって少々暑いが、夕方には涼しくなるので問題はない。大阪のほうが多少涼しいぐらいのようだ。来週にはもっと涼しくなるという話だ。

今年から研究所に来た色々な人と話をする。

物理の議論もぼちぼちとはじめた。何か出来ればいい。プリンストンにはすぐ適応して、一週間前は京都に居た気がしない。というよりは、昨日のこともひと月前のことも同様に遠く感じられると言ったほうがいいかも知れない。日々が徐々に連続しているという感覚に欠けているということかもしれない。

「英国貴族の没落」をやっと読了。厚い本だった。イギリスが民主化する話かと思っていたら、イギリスの上流階級が土地所有貴族層から都市居住富豪層に変わる話で、庶民にはあまりどうでも良い話だった。

今日は Eメールで送ってきたボーダーズの 25%引きクーポンに釣られて一冊本を購入。オッペンハイマーの伝記にしようかと思ったが、同業者の伝記を心穏やかに読めるか自信がなかったので、結局またヨーロッパ中世の本にした。さてそのレシートには一週間以内に本かCDを買うと今度は30%引きになるというクーポンが。

夜は Wolfensohn hall でコンサートだった。クラリネットの Krakauer さんがソロやらピアノとの合奏やら Jazz 様のもの、東欧の Yiddish の伝統音楽の Klezmer というのやら。これまでクラリネットの演奏を近くで聞いたことはなかったので、大人しいパッセージでも顔を真っ赤にして頑張って吹いてらっしゃるのは知らなかった。


Oct 3 08:48, Princeton

昨晩は夕食後に眠くなって寝てしまったので朝に日記を書いてみる。といってもそれほど昨日も大したことはなく、早速いつもの研究所の日常という感じだ。アメリカにはじめて来たときは大事だったように思うが、こちらに住むところがあってみれば、東京から大阪にときどき帰っていた感じと大して変わらないものだ。

こちらの気候はすっかり秋で、さっそく森を散歩してみた。夕方ようやく車に乗る気合いが出て Wegmans までいってきたが、まず乗る前にワイパーに積もった落ち葉を片づけないといけない。フロントガラスから目に入る景色もほんのり黄色くなってきている。天気予報を見てみると、京都の朝晩も同じような気温だから、京都滞在はまったくタイミングを逃したというところだ。

昨日はどうも英語が通じにくかったように思う。やはり日常会話は難しい。

今朝は霧で、道路がすっかり濡れている。


Oct 1 21:35, Princeton

上空から眺めたカナダの紅葉。

プリンストンへ戻ってきた。土曜日は朝から MK タクシーの乗り合いサービスで伊丹空港まで。空港には家族が見送りに来てくれていて、ありがたい。飛行機で簡単に行き来できるとは言え、嬉しいことだ。寝不足で成田まですっかり寝てしまった。成田から JFK までのフライトも、はじめに出た飲み物に梅酒が選んだので、それを飲み終わった頃からぐっすり寝てしまって、食事が出たとき以外は殆ど寝ていた。目が覚めた頃にはカナダ上空で頗る短時間で着いたように思えた。そのせいで Harry Potter の映画を見そびれてしまった。これまでのは全て飛行機内で見たのだが ...

Junction まで M さんに来ていただいて、お蔭で家にもすぐ着いた。軽く片づけたあとは自転車で Wawa までとりあえず食べるものを買いに。夕食を食べたらすぐ眠くなって就寝。

日曜日はまた食事以外はひたすら睡眠。合計20時間ぐらい寝たような気がする。

というわけで気が付いたら月曜日だ。すっかり研究所にも人が増えていて、いろいろ自己紹介をしたりする。なにか新しいことが出来ればいい。セミナーは M 先生、途中で説明が長くなって画面がスクリーンセーバーに切り替わったら、 THINK という文字が 3D で回転していた。M 先生らしい。

夕方は SNS の新人歓迎会ということで、おいしいものを鱈腹食べた。