Mar 26 23:30, Osaka

19日は研究会も三日目、Dijkgraaf 先生の話は面白かった。秋にでていた論文をすっかり見逃していたことがわかった。摘要に D-module とあるのでそもそも無理だと思って無視してしまったのが悪かったようで、それのでてこない前半は僕にも楽しめる話だった。夕方からかなりの雨。% 君と本郷の院生の皆さんとでチャーリーの夢飛行で夕食。京大近くは定食屋のレベルが高いと思う。僕は研究所にもどって、いろいろ雑談。

20日は朝はホテルの下に入っているパン屋さんでコーンポタージュセットを食べた。これはなかなか体も温まって良い。アメリカからメールが来ていて、これこれの教科書に面白い式が載っているというので、研究所にもどって図書館でしばらく調べ物。昼食は今出川通で鳥なんば。あとは京阪を経由してのんびりと実家に帰る。すこし疲れたのか家までほとんど寝ていた。

21日は晴れ、一日休憩。頼まれて庭の枝切りなどすこしだけした。5年分ほどの年輪が綺麗に見える。日本に帰っているあいだに免許を更新しておこうと、市の警察署までいってみるが、更新期間外だと警察署ではダメで試験所にいかないといけないと言われる。というわけで家まで一時間ぐらい歩いて戻ってくる。早春の畑を歩くというのはいいものだ。初詣に行かなかったのを気にしていたので、地元の氏神さんにお参りする。

22日からは学会だ。道明寺から柏原南口、安堂まですこし歩いてそこから近大まで、こちらものんびりとした畑と大和川の景色が良い。山並みにところどころ梅が咲いているのが見える。昼からのシンポジウムに参加。話は Perelman の証明の概略、高次元 BH 時空の話、ラングランズ予想の話、どれも勉強になった。加藤和也先生の講演は初体験だったが、あの話術はすごい。帰りは皆で小坂駅まで歩く。長瀬側沿いは整備されていて、桜並木だ、咲けば見事だろう。夕食は実家にもどって食べた。

23日は自分の発表。とりあえず問題なくこなす。いろいろ質問が出て良かった。自分のセッションと holographic QCD セッションが一部重なっていて、すこし聞き逃したのが惜しかった。生協で昼を食べてキャンパスを散歩すると、もう満開の桜の木がある。品種が違うのだろうと思う。夜は助手の皆さんと鶴橋の韓国焼き肉へ。

24日も朝一から弦理論セッションを夕方まで真面目に出席。春休み中で朝のラッシュも対して混んでいなかったのがありがたかった。座長の%先生から、素粒子の部屋は質問が少ないという話がでていますから沢山質問してくださいという話がはじめにあったので、頑張っていろいろ質問してみたが、あまり無理に質問すると見当外れなのもしてしまったようだ。夜は本郷系の皆さんと道頓堀まで。串カツ屋に入る。阿倍野まで戻ってくると人身事故で近鉄が止まっていたのが動き出したところ。二本わざと見逃して座れるまで待った。

25日、まだ数日学会はあるが、いい加減旅行疲れが貯まってきたので家で休憩することに。とりあえず朝は車で光明池の免許試験場まで送ってもらって日本の車の免許を更新してくる。海外居住中の特例ということで厳しい審査があるのかと思いきや思いの外簡単だった。初回の更新なので講習を二時間受けることに。大阪はシートベルト着用率が日本でいちばん悪いらしい。帰りは南海で難波にでて、ジュンク堂に行く。ダンテのではない『神聖喜劇』というのを買う。旧日本軍の不条理を書いた話。数学辞典も買おうと思ったが置いていなかった。まああんな重いものをスーツケースに詰めるわけにはいかんか。

26日も家で休憩。ほころび始めたソメイヨシノを見ながらあたりを自転車で一周してみると、丘陵を切り裂いて数年前に出来た高速のそばが随分開発されて、住宅地も出来れば電気屋も出来ていた。昔はあそこの林の中を抜ける未舗装の山道があって父と自転車でいったりしたものだが、いまはその山自体が無くなってしまった。

懸案の論文は相変わらず # 先生のお許しが出ず仕上がらない。おそらく3月中も無理になった。というわけで内心穏やかならざる面もなくはないが、しかし内容が磨かれているのは事実で、多分こうだろう ... と書いてあったところが数ヶ所リーマン面をまじめに調べて厳密に示されたりした。もう今年も四分の一が終わるわけだが、どうしたものだろう。


Mar 19 08:06, Kyoto

さて、三日目の朝。トークはどれも面白い。普通研究会に参加するとせいぜい半分ぐらいしか楽しめない気がするが、自分の趣味に合っているんだろう。いかに僕が %先生に影響されたかということでもあると思った。

お昼は今出川通で適当に定食屋に入るが、どこも美味しいのが嬉しい。

夜のバンケットは #先生もお話をなさって、% 先生がポスドクでシカゴに行った当時の写真が出てきた。今の僕より若いときのものだ。


Mar 18 07:07, Kyoto

紙屋川沿いの梅園を望む。

先生の還暦記念研究会は一日目が終わった。

自分の番が回ってくるすこし前までは、それほど緊張していなかったつもりなのだが、パソコンをプロジェクタにつないだあたりから自分が何をやっているのかよく判らなくなる。おしまいまでその調子で夢うつつで済めばよかったが、話が半分ぐらい進んだところでふと我に返って会場を認識して息も荒く緊張している自分を認識したのが悪かった。このまま無事話ができるか ? それとも倒れてしまうか ? と頭の片隅でぐるぐる考えながらやっていたが、幸い還暦を祝う為のページで笑いもとれ、一息ついて、なんとか乗り切れたようだ。

あとで日曜に一緒に天神さんに行った % 君に、途中ぜいぜい言っていて倒れるかと思いましたよ、と言われて、流石に付き合いが長いとよく判ってくれているというのが嬉しかった。 とにかく200人弱の大聴衆は初めてだったので終わってほっとした。こういう大きな機会を下さった世話人の皆様には感謝ばかりだ。

夕食はスピーカの皆さんで河原町に呼ばれて。高瀬川の水を引込んだ庭のある立派なところで、美味しい和食をいただく。庭園は江戸時代からあり、山縣有朋の所有をへて云々とあるが、それががんこグループのチェーン店になっているのだから日本の貴族層はなさけない話だと思った。

宿に帰ると疲労ですぐ寝てしまった。まだ時差がおかしく、朝6時に起床。東の山から日が昇るのを見た。


Mar 16 23:16, Kyoto

今日は朝食後は昼までトラペを調整。Skype で基研に一か月滞在中の友人が捕まったので昼食に出かけた。今出川通り沿いでインドカレーを食べる。いちど基研に寄せてもらって、天神さんへ梅を見にいった。なかなかの人出だ。梅園は人とすれ違うのが苦しいほどだが、奥の堤を降りて紙屋川沿いのところは人の密度も適度で、風情も良いところだった。

夕食は基研のかた数人とトンカツやに行こうとするが、満員のため百万遍をさまよう。結局定食屋が無くおむら屋とかいう居酒屋へはいった。〜のたいたん、等がメニューに並んでいて案外美味しかった。

トラペはもう少し枚数を減らさないと行けないと思うが、さて ...


Mar 16 08:09, Kyoto

上空から望む富士。

日記にあいだが空いたが、いろいろと思い出して書く。

13日は普段起きる時間の朝の10時から % 先生に時間をとってもらって @ 先生との論文の話を聞いてもらうということで、多少緊張した。1時間弱ぐらいかけて %, @ 両先生の前で話をするが、まあ内容の問題は無さそう。

研究所で昼食を食べたら、家に戻ってスーツケースを詰める。

14日はまた #さんに Junction まで送っていただいて、電車で JFK まで。8時半の電車だったが満員だ。Penn Station でぼんやり切符を買っていると物ごいの人にお金を乞われた。そのこと自体よりも、長いプリンストン暮らしで気が抜けていて、鞄に鍵をかけずに背中に背負っていた自分に驚いた。まあ何もすられなかったから良かったけれど。

12時半頃離陸、13時間たって日付変更線を越えて 15日の 3時過ぎに成田に着陸。揺れも少ない快適なフライトだった。やはり食事は JAL より ANA が良い。9時間ぐらいは寝たと思う。

また乗り換えて伊丹まで、ちょうど夕方で、窓からの眺めは絶景だった。伊丹からは MK タクシーの乗り合い空港シャトルというのでホテルまで直接送ってもらう。判っていなかったが、ホテルは洛北カナートなるショッピングセンターに隣接していて、なかなか便利なところだ。

というわけで適当に其処でスパゲッティを食べた。寝て起きたら朝だ。さて今日は何をするか。


Mar 12 22:16, Princeton

昨日今日は昼のあいだは大人しく論文の推敲、校正。細かい誤植はなかなか無くならない。

昨晩は @ 先生宅で # 先生ご一家のお別れ会というのに招かれてきた。 @ 先生のうちは二階建てだ。沢山民族楽器があって、子供たちはそれを叩いて大騒ぎである。僕も随分なつかれてしまった。

今日の晩は研究所の食堂でバイキング形式の夕食があるというので行ってみた。数学の研究会の Banquet を兼ねていたらしく、奥の Dillworth Room で食べていたらしい。途中からは普通に夕食に行った人と研究会参加者と入り交じって雑談。昨日と同じ子供たちが集まってまたまた大はしゃぎだった。

さて明日はいい加減スーツケースを詰めねばならぬ。


Mar 10 23:24, Princeton

今日はいつもより朝食と昼食の時間のあいだが一時間短く、昼にあまり食べられなかった。そのかわり夕食を沢山つくる。急に夕方の日が長くなった感じだ。

車で大学でのセミナーに行くと、Alexander が Mercer に繋がるところが週末の暴風での倒木で通行止めになっている。さて、セミナーを終えて戻ってくる途上、あとすこしのところで突如アクセルを踏むと爆音がするように。マフラーに穴でも開いたんではなかろうか。しかしあと数日で旅行なので修理にも出しようがない。

論文は @ 先生の手によって真っ赤になった。

今日の hep-th は面白そうな論文/レビューが沢山あって嬉しい。


Mar 9 22:42, Princeton

昨晩はひどい強風だった。朝起きるとパソコンの時計が一時間おかしい、と思っていたらもう夏時間らしい。まだ外は寒いのに困った話だ。

買い物にいって、旅行の準備など。あとはぐうたらしていた。


Mar 8 23:34, Princeton

今日は雨。激しく降ったり、少し止んで空が雲の隙間から見えたり、とにかく雲の動きが速い。風も強かった。

昼食に食堂にいったら、@先生ご一家と遭遇、午後に # 先生宅でお茶に呼ばれているけれども来る?ということで厚かましくも付いていった。羊羹と御薄をいただく。4歳児が二人いると大騒ぎだった。日本語と英語で話は通じているんだろうかと思うが、彼らにはそんなことは関係なさそうだ。

さてそろそろ日本へ行くと思うと部屋を片づけたくなったので掃除をする。税金の還付の書類も、こちらにもどってきた頃には締切間近なのでやっておこうと書類の穴埋めを始めるが、今年は天引きが足りず更に小切手で払わないといけないらしいことが判って嫌になってそこで放り出してしまった。ジュネーブでの会議の締切も同じ頃だから、登録してお金を振込んでとしなければ。しかしそうすると夏の旅程も決めないといけない。

それ以前に日本で話すためにスライドを作らねばならぬ。問題は山積だ。

しかし何もせず今日は休憩。ピアノを弾く等。


Mar 8 00:01, Princeton

論文がどうせすぐには出ないと思うと多少やる気が減退して、昨日はほとんどなにもしなかった。$ 先生が #さんとやっている話を数学科で連続講義しているというのを聞いたので今回は顔を出してみたら、丁度 Intriligator-Seiberg の 3次元のミラー対称性の話で勉強になったが、新しい話のところは理解出来ず。あとは Apple の発表会があったのでそれに気を取られた。

今朝は曇り空の下、久し振りに森を散歩してみた。流石にまだ緑はない。秋に歩いたときは足下を埋め尽くす落ち葉が気持ちよかったのだが、寒いあいだにも腐食はするようで人が歩くところは土がみえている。それともこんなところまで落ち葉掃除の人がくるのか?そんなことはあるまい。

その後セミナーを聞きにいった他は、大人しく論文を推敲。夕方から案外の雨。


Mar 5 23:37, Princeton

今日の最高気温は 13 度。また週末にかけて寒くなるらしい。

昼はいろいろ議論、いろいろ微妙にわかっていなかったところが解決して良かった。

というわけで家にかえって夕食にしたら後はわかったことを原稿に反映させる。基本的に僕が下手な英語で書いたのを、@ 先生に修正してもらうということになっている。これは非常にありがたい。


Mar 4 23:02, Princeton

今日は18度まであがったとか。どんよりした雲、しかし湿り気を帯びた風も春を感じさせる。森に新芽でも出たかと探しに行こうとすこし歩き始めたが、急に暖かくなったせいか地面がぐずぐずで諦めてすぐ戻ってきた。そのかわり芝生や舗装のされているところをしばらく散歩する。

@ 先生に仕上がるのはいつごろになるでしょうと聞いたら、Wiles は 7 年屋根裏にこもっていたんだからそんなに焦っちゃいけないよと言う。ポスドクだから焦るのはわかるけれども、とのこと。この話はフェルマーと比べるのはおこがましいような話だから、その論理はどうかと思うが、日々原稿が書き変わっているペースを考えれば確かに日本に行く前にというのは無理なような気がする。

いつも明るい @ 先生と話しているとすっかりそれで良い気になっていたが、家にかえって一人でいると云々。


Mar 4 00:16, Princeton

今日は暖かい。15度まで上がった模様。外を歩いて久し振りに深呼吸をした。

昼間は図書館でみつけた "The Wild World of 4-Manifolds" というのを読んで現実逃避をする。これは基本的なのか難しいのかよくわからない本。持っていても悪くないかも知れない。

日が出ているあいだは @ 先生が原稿を触っているので、夕食後は僕が論文に手を入れる。論文は進んでいるような進んでいないようなである。来週の金曜日の朝にここを発つので、木曜は旅行の準備に使いたいとなると、来週の水曜には投稿したい。しかしそれは到底無理、とはいかないが少々無理がある気がする。しかし旅行をはじめてしまうと途端に進まなくなるだろうから、投稿が4月頭になってしまうだろう。それも避けたい。そんなことを考えていても仕方がないので、寝たほうが良かろう。


Mar 2 23:06, Princeton

昨日は昼食にしようと食堂に行ったら、夜の party の準備中で閉まっていた。仕方なく家にもどってラーメンでも作る。食べて陽射しも暖かく、Amazon から届いた Introduction to Toric geometry でも読もうかな... と本を開いたところで夕方まで寝てしまった。

夜は研究所の midwinter party。Midwinter というのは冬至のことではなかったかな、と思うが、数日前の夜は -10 度だったので midwinter という名前も頷ける。またスーツに着られて行く。案外お酒を飲んだ。大音響でバンドの生演奏があるが、'80〜'90 ぐらいに流行った曲ばかりで最近のは無かったようだ。客に合わせているんだろう。パートナーがいるひとは皆さん踊っていた。

今日は朝起きてもどうも頭痛がする。久し振りに案外飲んだからのようで、昼まで休憩。あとは買い物、洗濯などしているとコンサートの時間。

今回はここの名誉教授の御託つきで、ナチに排斥された三人の作曲家の弦楽四重奏ということ。御託はヒトラーが芸術をどのように人身掌握に使おうとしていたか... という話なのだが、引用が長いものだから、ぼんやり聞いているといま聞いている文章が先生の考えなのかヒトラーの意見なのか何度もわからなくなった。

おしまいが Webern の曲だからまた変なものだろうと覚悟していたら、全然普通にメロディーがあって良い曲だった。彼の初期の曲らしい。というわけで家に戻ってネットで買おうとするが、その一曲だけだと $1, 室内楽全集だと $9 というのでついお得かと思って全集を買う。しかし矢張その一曲以外は変な曲ばかりだった。

あとは @ 先生との論文にさらに手を加える。完成は順調に遅れているが、まあ収束しつつあると思う。そろそろ内容を増やすのは止めて細かい推敲をしないといけない。


Mar 1 00:09, Princeton

気を抜いていると日付が変わってしまった。もう三月だ。夜が更けて雪がまたちらつき始めた。

今日は Seiberg 先生が1月の論文のセミナー。非常に明快だ。強結合かもしれないセクターを black box として扱って、 その global 対称性を弱くゲージ化して考えるというのは哲学が N=2 S-duality の論文と全く同じだ。このあたりは現象論的応用を離れて理論的にも考えるべきことがいろいろとありそうだ。

あとはいろいろと議論していると夜になった。