Nov 30 23:57, Princeton

今日は小雨がずっとしとしとと降る。昼は % 先生のセミナー、数学科のかたも沢山来ていたように見えた。毎年おなじころにいらして一連の話の続きをなさるので、三回目になると判ってきたような気がする。他の研究会等で聞いたりもしているので。

てっきり % 先生をつれて皆で夕食に行くものだと思っていたら今日はそうではなかったらしくあてが外れた。どうも共同研究中の # 先生が家に招待したのではないかと思われる。

論文管理ソフトが異常終了する件は、問題が起こる箇所のまわりの一連のロジックを方針を変えて書き直す事で解消されたようだ。結局なぜ以前の方法だとおかしくなったのか判らないのが気にくわないが。


Nov 29 23:24, Princeton

昨日今日は青天でぽかぽかと暖かい。休みが四日続くと日記に書く事が無くて困るが、昨日は自転車で運河沿いから街まで回ったり、今日は買い物に行ってピアノをひいて、と通常の休日。

日が暮れたあとは両日とも論文管理ソフトをいじるのに費やしていたが、昨日さらに大幅な書き換えをして確かに速くなったものの、今日使ってみているとどうも異常終了するようになってしまっていた。困った。これでは改悪だ。まあ書き換え前のを使っていればよいのだが。

昨日はクルミを沢山買ってあったのがなかなか減らないから、全部割って煎って蜂蜜で絡めてみた。今日はザクロを買ってきた。


Nov 28 00:08, Princeton

今日は Black Friday でおやすみ。風が吹きつけて少しだけ残っている枯葉を飛ばして行く。冬が来たという感じだ。しかし街に行くと感謝祭あけの皆さんで賑わっている事、飾り付けもクリスマスになった。

いつものコーヒー屋もひどく混雑していて、普段ならおやつは陶器の皿に、コーヒーはマグカップに入れてくれるのだが、今日はそれぞれプラスチックの皿、紙コップで少々がっかりする。

あとはすこし暇が出来たので、一日論文管理ソフトの高速化に取り組んでみる。かなりの大手術をしてみるが、遅くなりはしなかったもののほとんど速くもならない。


Nov 26 23:08, Princeton

夕焼けに黒く浮かぶ Fuld Hall の時計台。

今日は thanksgiving day だが、パーティに呼んでくれる日本人もおらず、家でのんびりする。のんびりしすぎて、昼食後に昼寝をしてしまい、丁度西の窓から沈む夕陽が照らすので目が覚めた。慌てて散歩に行くがすぐに暗くなってしまう。

あとは積んであるが読み終えていない本をいくつか摘み読みしてみる。決闘の話は、去年買った Froissart の年代記抄に数ページ出ていた事が判った。

夜はハヤシライスをつくる。


Nov 25 22:36, Princeton

今日は一日霧雨が降ったり止んだり。

昼食に行こうと家を出ると、丁度黒い小鳥の大群があたりを舞っているのに出会った。あまりに見事なので動画に撮ってみる。

昼食後はセミナー。

ハープのCDを一枚買ってみた。最近買った CD を充分聞き込まずに次の CD を買い過ぎなのは良くないが、それはともかく、ハープの CD は著名な曲を編曲したものを集めたものが多く、あまりハープの為に作曲されたものを集めた CD は選択肢が限られるようだ。


Nov 25 00:12, Princeton

今日も一日論文を弄る。

昼食時に、突如となりに知らない初老の紳士が若者をつれて座って、こいつはここの大学の学生なんだが数学か弦理論の話でも聞かせてやってくれと言う。

唐突だからどうしていいものやらと思ったが、まあ量子論と一般相対論を統合する為に云々、と普通の話をはじめると、理論を統合するとはどういうことだ、社会科学ではリベラリズムとマルクシズムを統合すると云々というが結局は俺の理論が誰の理論をやっつけるかということだ、などと意味不明な横やりを入れるので、これはトンデモに違いないと結論づけて自分が食べ終わったところで席を立ってしまった。

しかし、その後自然科学科のお茶飲み場でコーヒーを飲んでいたところ、その変なひとの相手をしてくれていたもう一人の同僚が帰ってきて言うには、彼も不思議に思って調べてみたが確かに社会科学科に滞在中の研究者の方だったそうである。

というわけで、もっと根気よく話をしてみないといけなかったのかも知れなかった。


Nov 23 23:47, Princeton

昨日と一転して雲が空を覆ってどんよりとしている。昼のセミナーは大学で。自転車でいこうと思っていたが、同僚二人に誰か自動車で行かないの?と聞かれたので車を出す事にする。丁度先週金曜にでた論文の話、昔似たような事を、まったく物理的な動機なしに計算としてやったので、目の付け所というのはこういうことかと思った。

今晩は多少関連のある話が論文に出た。さっさとまとめて投稿してしまったほうが良い気がする。

しかしまあ原稿の編集権は日本に渡してあるのでする事もなく、夜は昨日買った本に没頭して読了、かなり目が疲れた。興味深い話だが関係者には酷い話だった。


Nov 23 00:25, Princeton

今日は雲ひとつない青天。午前中は論文を弄った後、午後は買い物を済ませた後自転車でいつものように本屋と珈琲屋へ。昨日の反省を活かして、カッターシャツの上にセーターなしでジャンパーを着ると丁度良かった。

本は "the Last Duel" というフランス中世の決闘裁判の最後に行われたものを描いた薄い本を買った。当時の文献になるべく忠実に書いてあるというが、劇的だ。

夕方は研究所で音楽会、オーボエとハープの曲。Alphonse Hasselmans という作曲家のハープのソロの曲に衝撃を受ける。非常に技巧的だった。

その後はまた論文に手を入れる。


Nov 21 23:55, Princeton

今日も晴れて良い天気だ。自転車であたりを一周しに行くと、厚着をし過ぎだったようで汗をかく。

出張から帰ってきたので論文を編集する番が来た。というわけでひたすらパソコンに向かっていたら案外疲れた。久し振りに日本人だけの論文なので、英語が心配だ。誰かに読んでもらいたいところだけれども。

"Collapse"をなんとか読み進めていると、時代がすっかり昔の話になったので面白く読めるようになった。


Nov 21 00:11, Princeton

今日は晴天で空気がきりりとして気持ちが良い。研究所の木々の葉はほとんど散ってしまった。

大学でのセミナーを聞きに行こうと自転車で行ったら、1時間まちがえていて丁度終わったところに到着した。失敗した。その後は $ とすこし議論。


Nov 19 23:12, Princeton

今日は夕方まで大学に居ていろいろ議論、その後ボストン5時半発の電車で家に帰る。到着すると10時だ。

特急は指定席でないところに空いていたので二人席を一人で使っていたところ、トイレに立つときにアメリカだから、と鞄を担いで席に何も残さずに行ったら、戻ってくると他の二人組が移動してきていて少々動揺した。

大学からボストン南駅に行くまでの地下鉄が Charles 川を渡るところを動画に撮ってみた


Nov 18 23:05, Boston

昼食時にカフェテリアでメキシカンでも買おうと思って大学の建物から出ると、数人のひとがダーウィンの「種の起源」を配っている。アメリカだから進化論擁護派が活動したいのはわからなくもないが、わざわざこんな理性の要塞でする必要もないし、ここまでするのは宗教じみていると思ったので、配っている人に何故こんなことをするのか聞くと、序文を読めという。

そこで研究室に戻って開いてみると、前半は牧師さんがキリスト教の素晴らしい点を書いているのだった。後半は実際に「種の起源」である。前半をぺらぺら眺めていると、別段真面目に intelligent design を擁護しようというのでもない。一節で世界の宗教とキリスト教を比較して優位性を説こうとしていたが、「仏教は魂は輪廻するという。しかし聖書によればそうではない。よって仏教は間違っている」と書いてあって、この人は他人を説得する気があるのかと疑問に思う。聖書の一部分の倫理的内容を認めるにはやぶさかではないが、こんなものを理系の大学の前で配っても効果は無いだろう。

その後はこちらでセミナー。いろいろ質問が出るのは嬉しい。その後はまた # と雑談して、夕方はこちらの弦理論グループの皆さんと Legal Seafood というところに夕食に行く。黒ビールを頼んだら珈琲風味だった。

地下鉄に乗ったら壁の広告に毛皮反対運動のものがあったが、どこにも肉食反対運動のものは無かった。

来る前に読もうと思って買った "Collapse" だが、現在の環境問題の一筋縄ではいかない諸相も書いてあって現実を見つめたくない僕には辛い。やはり純粋に歴史の本にしておけばよかった。


Nov 18 00:01, Boston

MIT側の河岸からボストン市街を臨む。

今日は午前中に Boston まで移動、宿に鞄を置いて、橋を渡って大学まで。昨年来たときは橋の歩道の片側が修復工事中だったのだが、無事完成したようだ。

大学ではいろんなひとといろいろ雑談する。すこし計算の時間もとれた。夕ご飯は # 君家族とポーターの日本定食屋まで。豚の生姜焼きを食べる。


Nov 16 23:11, Providence

今朝は5時の暗いうちに起きる。西の空にオリオンが綺麗だった。6時過ぎの通勤電車で Penn Station まで、そこで30分強待って特急にのる。Brooklyn を北上している間、青天を背景に朝日に栄える Manhattan の美しい事。残念ながら反対側の席に座っていて写真を撮れなかった。Providence に到着すると11時。

大学は駅からすぐなので、晴天のもと歩いていて楽しい。綺麗な街である。12時からセミナー、ピザが出た。セミナー中は余り反応が無かったので、困ったなと思っていたが、終わった後に非常に細かい話でいろいろ質問、議論をしてもらって夕方までかかった。

夜はアメリカ料理の店へ連れていってもらった。宿は大学内の寮のようなところだが、部屋は立派だ。

この州の正式名称は Rhode Island and Providence Plantations というらしい。


Nov 15 22:52, Princeton

Princeton Junction 駅に明日の切符を買いに行った際に。

今日は晴れて気温も19度まで上がった、すごしやすい日曜日。のんびりとセミナー用のスライドをつくる。いい加減この話も各地でやり過ぎて飽きてきた気もするし、いろいろと判りにくい箇所を指摘していただいていたので、構成を多少変えて書き換えてみた。

あとは明日からの出張で忘れていたものを買いに行ったり、予約しておいた特急の切符を駅の機械で発行したりする。今回は三泊だが、それに丁度よい大きさの鞄が無い事が判った。まあ三割空のスーツケースを持っていく事にする。すこし北上するので、ここよりは数度寒いようだ。


Nov 15 00:24, Princeton

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昨晩は小雨が降って、今日も雨こそ降らないものの曇っていて太陽は見えない。

本屋にいって出張中に読むための本を買った。Jared Diamond の "Collapse"。あってもいい本棚に無いから店員さんに聞くと、大学の講義の指定本になっているから地下の講義用売り場に全部移動させてしまったということだった。プリンストン大は書籍部を数年前に廃止して地元の本屋さんにやらせているのだが、不思議な仕組みである。

あとは夕方に買い物に。夜はまた別の論文の referee をする。


Nov 13 23:38, Princeton

今日は珍しくセミナーが無かった。12月のテキサス出張の為の航空券を買う。

来週のセミナーの準備もしないといけないが、行き先の片方では既に似た話を9月以降に二度も僕の共同研究者やら競争相手やらがやっているので困ったものだ。取りあえず彼らにどんな発表をしたかスライドを見せてもらったので、なるべく直交した話をしようと思っている。

夕方はピアノと洗濯と。夜になって雨。"Barbarian Conversion" は漸く読了。おしまいの一ページは本題を離れて、著者の住む Kirkdale の自然とそこにある11世紀の教会の日時計について綴られていた。美しい文章だった。この日時計の碑文は以前読んだ英語の歴史の例文としても挙がっていたのを思い出す。すこしネットを探すと教会の詳しい説明が見つかった。


Nov 13 00:14, Princeton

昼食時に滞在中の $ さんが Einstein の家を見てきたというので、例のハロウィーンのカボチャの話などしていると、# 先生が Palmer Sq. の名前を E=mc Sq. に替えるという話が昔市議会で出た、という駄洒落を仰った。

暗くなる前に買い物に行こうと思っていたら、お茶の時間の後にすこし議論しているうちに暗くなりはじめてしまった。仕方がないので暗がりを気をつけて Whole Foods に向かうが、途中の Canal Pointe 通りで僕の車の前を無灯火で車道を走っている自転車を見つけてびっくりした。

論文のレフェリーを頼まれたがどうしても疑問があったので、「ここが判らないので教えてくれ」という返事をしたのがひと月前だったが、そのあたりが明快に解説された改訂版が今日送られてくる。また、改訂版に追加された参考文献を読んでいると、これまで長らく知りたかった結果がまさに載っている。一度論文を書いた事のある分野なので、レフェリーを引き受ける前にそれぐらい知っておけという気もするが、とにかく勉強になって有り難かった。


Nov 11 23:03, Princeton

今日の昼のセミナーは & が昨晩出た論文の話。

昼食では100ページ以上の論文は是か非かという激論になった。


Nov 10 23:31, Princeton

今日は灰色の雲が空を覆って、太陽はおぼろげに雲の向こうに見えるのみ。

滞在中の * のセミナー。論文の一ページ目に珈琲カップの染みを入れるのに共同研究者が時間を使って困ったという話をしていた。


Nov 10 00:07, Princeton

今朝は州の車両局に行って免許証を更新したが、はじめに行った時に書類が足りず二往復する羽目に。パスポートと共に DS-2019 を持っていかなかったからだ。

昼は大学へ行ってセミナーに出席、そのあとは # と議論。

昼食の雑談の時に知ったが、イタリアは2003年まで徴兵制、ドイツはいまでも徴兵制だそうだ。僕はこれまで、ひ弱な自分は幸運なことに軍隊に行かなくて良い国に生まれてきたが、その理由は占領されたときに旧枢軸が武装解除されてどこも徴兵でないからだと勝手に思っていた。しかし全くの勘違いだったわけだ。


Nov 8 23:51, Princeton

今日も快晴、18度まであがったとかで随分暖かかった。8時に起きたが、朝食後に眠ってしまって気が付いたら昼の1時に。その後は街のコーヒー屋にいったり、自転車であたりを回ったり、ピアノを弾いたりする。あとはひたすら本を読む。


Nov 7 23:52, Princeton

研究所の大木。

今日は休日。雲ひとつない快晴で、ぽかぽかと暖かい。昼食のあとは森をのんびり散歩、その後はあたりを自転車で回ってくる。

各所にメールを多少書いたあとはこのあいだ買った「Barbarian Conversion」をずっと読んでいた。西洋がキリスト教になった経緯をまとめた本で、著者はキリスト教徒のようだが、本文は醒めた目で書いてあってよい。古文書からの引用の羅列から全体の流れが紡がれているような本だ。


Nov 7 00:20, Princeton

今日はセミナーが二つ、ひとつは大学で、もうひとつは研究所で。晩秋の青空を自転車で大学まで行くのは楽しい。そちらのセミナーのあと @ 君と議論をしていてこちらのセミナーは逃してしまった。

彼との議論に刺激されて、研究所にもどってから随分理解が捗った気がして嬉しかった。二ヶ月前に近くまで来ていたが、研究は一直線ではない。というわけで、夕方は研究所の催しとして、 ”Daily Show" の構成作家の人とここの Artist-In-Residence の対話というのがあったはずだが、それどころではなかった。

家に戻ったあとは、先日つい買ったリヒャルト=シュトラウスの「ツァラツゥストラかく語りき」を聞いた。これまでちゃんと聞いた事が無かったので。


Nov 5 23:08, Princeton

今日は曇ったり晴れたり。夜になって雨が通った。枝に残った葉はずんずん少なくなる。

今日もセミナーがある。現象論で、崩壊幅が測定器のエネルギー分解能以下だけれども、飛跡を測れるほど寿命が長くない場合にどうするかという話。

あとはすこし研究を進めるが真面目ではない。


Nov 4 23:25, Princeton

今日も晴天で気持ち良い秋の日。ただ朝夕はかなり寒くなってきた。昨晩は暖房をつけようと思ったら、ラジエータに温水が回らず、クーラーから温風が出た。もう三年連続なのではないかと思うが、バルブの切り替えを忘れられていたようだ。というわけで係のひとに頼んでおく。

昼食では昨日の選挙で民主党の Corzine が知事選に負けたことから始まって政治談義になる。* 先生は Obama の平和賞もまあそんなに悪くないんではないかというほどの民主党支持者だということが判った。

夕方は + さんが所長との共同研究の話。その後暗くなる前に買い物に行く。


Nov 3 22:52, Princeton

今週は毎日セミナーがある。今日は & さんの学生の @ さんが holographic fluid の話。聴衆に滞在中の % 先生もいらしてコメントが有り難かった。大域対称性にアノマリがある場合に、流体の方程式に異常な項が付け加わるというのはこの研究まで知られていなかったそうで、驚きである。原理的には RHIC で実験的に測れても良い由。

そこで 5 次元の CS 項と 4 次元のアノマリの対応に関して以前セミナーをした際に、 # 先生に何かそれは実際の現象で見えないのか? と聞かれたのを思い出した。今日聞いた話はまさにそういうことなわけだ。

夕方にあたりを散歩していると雁が夕空を通った。慌てて携帯を出してビデオを撮った


Nov 2 22:35, Princeton

黄葉。

6月あたりに見つけた教科書の誤植を著者に報告しようと思ってずっと時間が無かったのをこの際片付けてしまおうと思ったが、困ったことに以前書き留めたノートに不可解な箇所がある。しかもその時の Mathematica ファイルが見当たらない。頑張ってほぼ計算を復元したが、どうもまだ不備がある。しかし今や非常に眠い。というわけで日記を書いて寝ることにした。

今日のセミナーは % さんで、超対称でないゲージ理論で幾つフェルミオン場を入れると閉じこめから共形場理論に変わるかというのを S1 コンパクト化を通じて理解しようと言う話、質問も沢山出て非常に盛りあがった。

夕方は皆さんでインド料理屋で食事。 僕が車を出したが、ひとり乗れないので # 先生に自転車で行ってもらうと言う有り得ない話だった。


Nov 1 23:24, Princeton

E=mc^2 カボチャ。Wolfensohn hall 裏。池の周りの紅葉。

今日も長閑な晩秋の一日、外を自転車で回ると陽の光の当たった紅葉が輝くようだ。することがないのでまた昨日と同じ珈琲屋に行って昨日と同じ本を読む。

帰りに Mercer 通りを通っていると、とある家の軒先に E=mc2 と刻まれたカボチャが置いてあるのを見つけた。"Private residence" の写真を撮ってここに載せるのは良いことではないが...

夜は豚じゃがを作った。