May 30 23:01, Princeton

あやめ。

今日は晴れ、雲がぽかりと浮いていて気分も良い。

昨日の計算の続きをやっていたら、予想外に丸一日潰れてしまった。

夕方はピアノの練習をする。数日ぶりに天気がよいので、あたりを散歩する、など。


May 29 23:28, Princeton

今日も曇り気味、涼しい。

午前中には論文は大体書いたのだけれど、昼食後に折角だからもうすこし数値計算の詳細を確認してみよう、と $ 君とはじめると、うまくない。

夕方は "Particle Fever" という、LHC の建設から Higgs の発見に至るところを取材した映画の試写会が研究所であった。映像はなかなか悪くない。

その後も問題を追及するが、一ヶ所微妙なバグがみつかったので、計算をいちからやりなおさせているところ。


May 29 00:13, Princeton

今日は涼しい。月曜は日中三十度弱だったのに、今日は最高気温が二十度を切った。

というわけか知らないが、朝はぐっすり寝て、目が覚めたら十二時半だった。あわてて食堂へ行く。

ようやく論文を書く時間が出来たので、パソコンに向かって文章と格闘する。

お茶の時間からはしばらく $ に最近やっていることを教えてもらった。

その後は物書きに戻る。家に戻って夕食、その後も物書き。


May 28 00:08, Princeton

今朝は昨日録画した紹介のビデオを少々弄る。

昼食後は # 君と $ 君と一階の共有スペースで少々議論。

そこには大きな窓ガラスがあるのだが、一羽の小鳥があたって地面に落ちるのを見た。可哀想にしばらく苦しんでいて、なんとか飛び立ったけれども、上手く飛べずにしばらく行ったところの草むらにまた墜落してしまった。骨を折っていなければいいけれども。僕は菜食主義ではないので、こういうのを見て心が動揺するのは偽善かもしれないけれども。

お茶の時間は % 先生に質問してみる。夕方は何故かまた Liouville 理論の勉強。

家に帰る頃には小雨が通った。歴史科の図書館で夜読む本を借りてみる。あちらで本を借りるのは今回がはじめてだと思う。


May 27 00:04, Princeton

こちらも一週間で随分花が変わりました。

こちらは晴れ。朝食のシリアルを食べて、昼まで寝る。

昼食を食べるだけのために、街まで歩いて、 Chez Alice に行く。

戻って、すこし休憩したあとは、来週末の大学院説明会で二十分話すべきところを日本に戻れないので、黒板で説明しているところを動画にとる。iMovie をつかって動画を繋げて調整して一つにしたのははじめてだ。

夕方は車で Whole Foods まで買い物。

夕食後は久々にピアノの練習をする。アルカンの「30代」、いつまでたっても到底僕には全曲は弾けないだろうが、いくつかのパッセージが鳴らせるだけでも悪くはない。


May 25 23:56, Princeton

今朝もカリフォルニアは曇天。

アテニアムにはこの土日あまり人がいないらしく、朝食に行くと元気な年配の女性が「誰もいないのかと思ったわ」と話しかけて下さる。ひとことふたこと交わしていると、聞き間違いでなければなんと八十五歳だとか。孫が僕らと同い年ぐらいなようだった。昨日シアトルから飛んで来て、そのまえはハワイにいたと聞いてびっくり。今日は僕らも飛行機だというと、「もしかしてエコノミークラス?それは大変ねえ」とおっしゃるので、おそらく、普段はビジネスクラス以上に乗れる生活なのであろう。

空港までの高速道路は、火曜の夕方に来たときとは大違いで随分空いていて、すぐに到着。東京行きの飛行機に乗る奥さんと別れを惜しんだあと、僕はプリンストンに戻る飛行機に向かう。

何も考えず通路側を選んでしまったが、窓側にしておけばちょうど昼から夕暮れへの素敵な空の旅であったはず。ときおり他のお客さんの肩越しに見える小さい窓からの眺めを除けば何も見えない。

飛行機は内装が無線インターネットが使える型に改修されたところのようで、席にも天井にも全く画面が無い。席の間隔がその分すこし広いのは有り難い。が、まだ無線は実際には使えない。後ろのお客さんは六時間の飛行なのに映画はないとは信じられない、と、客室乗務員の人に文句を言っていたが、幸い僕には本がある。

本は先週買ったラテン語の古代以後の歴史の本。中世においては実際に話す言語としてのしかるべき学習法があり、近代のラテン語教育は文法ばかり強調しているので話せるようになりようもない、と書いてあるが、そこにある「話せるようになりようもない」教育法は僕が受けた英語教育と至極似ている。国際語と地域語の議論もいろいろあって、日本という辺境で英語と日本語を使って教師をしている僕としても思うところがある。

飛行自体は途中雲が育っている所を通ってしばらく揺れたが、まあ全般には穏やかだった。着陸後に空港側から伸びてくる通路の扉が開かず、二十分ほど待たされる。

空港からプリンストンまでは乗り合いバスを頼んでいたのだが、この時間は僕しか客がいなかったようで、上等のセダンがやってくる。運転手さんは気のいい若者で、七月に日本に旅行する予定である話だとか、彼が今書いているという SF の話だとかで到着までずっと世間話をしていた。日本のアイドルの話をしてくれるが、僕がそういうのは全く疎いため申し訳なかった。

こちらに戻ってくると、すっかり夜は更けて、星が綺麗だった。


May 24 22:57, Pasadena

植物園のバラ。

今日は一日曇。プリンストンよりカリフォルニアが曇天だとは思わなかった。

近くの Huntington 植物園兼美術館兼博物館へ行く。亜熱帯植物のところに行くと、ハチドリが五羽ぐらい花に群がっていて、縄張り争いなのか遊んでいるのか、いろいろ動きがあって飽きずにみていた。羽を動かしながら一ヶ所に浮いているのは、普通の鳥には無い動きだ。

アルキメデスの写本が特別展に出ていたのも興味深かった。パリンプセストになっていたのが二十世紀初頭にイスタンブールの修道院で発見されたが、長らく行方不明になっていたものが、今世紀初頭にさらに劣化した状況で競売に掛けられ、それを買った篤志家が研究所に寄付し、復元、さらなる解読が行われたという話。思いのほか充実した展示で感激する。

四時ごろに宿に戻って昼寝をすると夕方になってしまう。

Lake 通りまで行ってお土産の買い物。賑わっていた SECO というレストランに入るが、アメリカンだがかなり繊細な味の料理で、これは入って正解だった。宿に戻ってネットで評判をみると好評価と低評価に二分されていて、好みが分かれるのだろう。


May 23 22:34, Pasadena

カリフォルニアの夕焼け。

今朝も曇。

午前中は # のセミナー。未発表の最新の結果を聞いたので、あわてて概要を * 君にメールした。

皆さんで Athenaeum で昼食をとったあたりから、青空になる。

その後は $ 君と議論したり、論文を読んだり。

宿に帰る前は、少々 % さんと議論。

夕方は街を奥さんとすこし散歩して、宿で夕食。ちょうど結婚式の披露宴をやっていて、大音響で音楽が掛かって部屋のガラスが共鳴していたのが、十時を過ぎてお開きになった所だ。


May 22 21:51, Pasadena

今日は一日曇、雨もぱらつく。珍しいことのようだが、旱魃気味だったので、ありがたいことだそうだ。

入れ替わり立ち替わり、いろんな人と議論する。午前は $、昼食を挟んで @ 君、すこし * 大先生とも。

昼食は現象論グループの昼食会にとったピザと果物が毎週余るので、それを弦理論組が漁るという構造らしい。* 大先生もそうなさっているので、怖がることはなかった。

その後は %、 + さんと雑談。そうしてしばらく論文を読んで、夕方は ? 君と先月本郷でやってもらった話の続きを聞く。

夕方はまた食事に連れて行ってもらった。


May 21 22:52, Pasadena

今朝は起きると雲が空の案外の割合を覆っている。

キャンパスを歩くと、紫色の花が咲き乱れて綺麗だ、ジャカランダというらしい。こんな濃い紫の花が木に咲くのは他ではあまり見ない。

朝はサンディエゴからはるばる来てくれた #、$ と議論。

昼食ののち、セミナーで話をする。+ 先生からいろいろと厳しい質問を貰う。長らくやっている超対称ゲージ理論の話とは一新、違う話をしたから、聴衆からの疑問も聞き慣れないものが多く、勉強になる。

その後は % 先生と雑談、さらに ? と議論。こちらは長らくなぜか不可能だと思いこんでいたことが可能だと指摘されて、驚いた。

夕方は大勢でアメリカンレストランに行き、楽しい食事。帰りに席を立つと、近くの別のお客さんに、お前さんたちきっとカルテクの学生だろう、と言われた。確かに雑談のオタクな内容をすこしでも耳にすればそれは判ってしまうだろう。


May 20 21:39, Pasadena

飛行機からの眺め。

今日から数日カルテクへ出張。

青天の下、すこし早めに宿舎を出て、Fuld Hall の前で空港への乗り合いバスを待つ。

プリンストン大で学生さんを三人拾うのだが、運転手さんは「構内のどこで乗ってくるのか判らないから探さないといけないんだよ」という、アメリカらしい大雑把なやり方。

空港で昼食後、六時間弱の飛行機の旅。最初の一時間はなかなか過ぎなかったが、徐々に慣れて、外の景色も面白く、読書も進んだ。

ロサンゼルス空港から大学までは高速を一時間ほど。大学付きの宿舎のアセニウムに数日泊めてもらう。


May 19 23:52, Princeton

夕暮れ。

朝はひとつ査読の返事を書いた。

奥さんと昼食後は、あさってセミナーで話す内容をノートにまとめる。まだ量が少々多いので、どこを削るか考えないといけない。

夕方は # 君と何故か Skype で議論。物理の議論をするだけなのに、ビデオをつなぐ理由はあまり感じられないが。

そのあいだ空がにわかに曇って雨がぱらついていたが、終わった頃には夕焼けになっている。

夜は、明日からの出張に備えて荷物の準備。


May 18 23:11, Princeton

最近は白い花が多い気がします

今日も晴れ、昨日より雲が多かった。相変わらず涼しい。

昼前に、とりあえずアインシュタインの家の前まで散歩してみることにする。気持ちがよいので、そのまま街へ。

ふらふらと散歩をしたあと、Chez Alice で昼食。姪に英語の本でも土産にしようかと入った本屋で、つい自分用に一冊本を買ってしまう。レジに並んでいると、奥さんはプリンストン大著名建築一覧という小冊子を見つけたので、それも購入。幸いそこにのっているものでめぼしいものは既に訪問済みとか。

ちょっとぱらついてくるが、無事に帰宅。

夕食は鴨のローストを作ってくれた。

その他、$ の学生さんからそろそろ出す論文について意見が欲しいと原稿が送られて来たので、数通メールをやりとりする、など。


May 17 23:06, Princeton

あじさいの仲間でしょうか、高木です。

休日、晴れ。涼しくて気持ちのよい一日。青空に雲がぷかぷかと浮いてながれている。

朝はのんびりして、11時前のシャトルバスで Palmer 広場まで。Nassau 通りを散歩して、大学の美術館に行く。大部屋では、年に一度の家族連れのための美術館体験、というのをやっていて、小さい子の為にお菓子と飲み物がでている。これらがガラスで覆っていない絵画の前にいるから大変だ。

MoMA から借りて来た Munch の絵画、版画の展示がある。地下の考古学的展示は相変わらず密度が高すぎて、みていると情報量の多さに頭がくらくらする。

美術館を出て大学の教会の前まで来ると丁度卒業式が終わったのか、ローブを来た楽しそうな学生の一群。

Winberie's で二人でハンバーガーを食べる。僕はつい地元の黒ビールを頼んでしまった。

その後は Bent spoon でシャーベット。Chez Alice でコーヒーを買って、ちびちびやりながら Marquand park の側を回って歩いて家に戻ると、眠くなって夕方まで昼寝をした。

夕暮れは奥さんがランニングをするというので、僕は散歩をする。研究所の前の丸い道を僕が一周するあいだにあちらは二周するというわけ。


May 16 22:58, Princeton

今日は一日雨が降り続く。

朝、奥さんは数学の講義の一こま目を聞きに行くが、僕はどうも眠くやる気が出ないので、また布団に潜り込んで寝る。昼前になってようやく起きだして着替えをすませ、本を読んでいた所に、ドアが開く音がして帰って来た。というわけで、一緒に昼食にゆく。

今日の昼は僕が車を運転してスーパーマーケットへ行くことになっていたのだけれど、雨の中運転するのは怖いので、研究所のシャトルバスで買い物にいってもらうことになった。幸い、数学のほうの研究会に来ている $ さんも買い物に行きたいというので、奥さんには $ さんを案内してもらうことに。

その間、僕はカルテクで行われている研究会の % 先生の講演の同時中継を研究所のセミナー室で聞く。行くのがためらわれる、と、% 先生が言っていたのはこれだったか、と判る。

お茶の時間後、雨脚が弱くなったころに帰って来た奥さんは、数学のほうのコロキアムに出席。僕は仕事にどうにも気分が乗らないので、家に帰って本を読んでいる。また雨が強くなって来たと思っていると、一度宿舎に戻ったときに置いたのだろう、奥さんの傘があったから、それを持って Wolfensohn Hall まで行って待っていることにした。

コロキアムはいろいろな回るおもちゃの仕組みを解説するものだったらしく、気に入ったらしい。Fuld Hall でのワインとチーズの会に出た後、帰宅。

夕食後はまたぼんやりと本を読んでいる。ようやく日本から持って来ていた「百代の過客」を読了。


May 15 23:43, Princeton

今日は厚い雲が頭上を流れる。青く空が一瞬みえることも、小雨がぱらつくことも。

相変わらず ? 君に教えてもらいながら、いろいろと論文を読んで勉強をする。先月に勉強をはじめたばかりの分野だから、日々たくさん学ぶことがあるのが嬉しい。いろいろ自分と # 君とで考えて、こうであるはずだと思って、その通りのことが書いてある論文が十数年から数年前のあいだに見つかるのも悪くないことだ。

昼は + 君の車の保険にまた運転者として登録してもらったので、それを借りて練習のためガソリンスタンドに給油に行ってみる。

お茶の時間は奥さんと合流して、Fuld Hall 裏のベンチでクッキーをかじっていると、いろいろ人が通りがかって、雑談をする。$ さんがいらして、何故か村上春樹の「やがて哀しき外国語」の話になる。また、いま数学科でやっている研究会に来ている日本の方からも話しかけられた。はじめての海外で、日本語が恋しかったそうだ。

皆さんは研究に戻ってしまったが、その後もそこでぼんやりしていると、猛禽類が一羽、かなり低い所を通って行った。見えなくなったな、と思うと、カナダ雁の群れがが大騒ぎをしながらこちらにやってくる。慌てて逃げて来たのだろうか。

数学の研究会は "Women in Mathematics" といって、ランダム行列理論を初心者から応用まで、ということ。奥さんが明日は初心者コースに一こま潜って出てみる、というので、夕食後、準備として、頑張って Wigner の半円則の導出の概要を説明してみた。いつも、何の研究をしているのか、と聞かれて、説明に窮していたが、まあ、これは丁度悪くない例であろう。


May 14 23:33, Princeton

満開になった研究所のつつじ。

今朝はまず質問のメールに返事を書く。

昼食に + 君と行ったら、隣に ? 先生が座ったので、紹介する。

食後は *、= と議論、お茶を挟んで、@ 君に質問したのち、それに基づいて + 君と議論。

夕方は、@ 君が企画してくれた食事会が研究所のレストランであった。


May 13 22:46, Princeton

夕暮れの森。

今日はまた涼しくなる。Fuld Hall の大カエデは両方とも種を散らすようになった。

昨日の続きの勉強、+ と # と議論、また % 君と議論、等。

夕方は森を通って meeting house まで散歩に行く。1760年に再建、という石がはめ込んであるけれど、随分綺麗な建物にみえる、と似たような感想を以前も書いたかも知れない。


May 12 22:53, Princeton

今日の昼は暑くなって夏のよう。二日居ない間に研究所の木々はすっかり緑が濃くなる。本館前のカエデの大木の種も食堂側のは風に舞うようになった。植え込みの白いツツジの花も八分咲きだ。

金曜にやり方が判った小さい計算の方法を & 君を捕まえて自慢する。

+ と % と少々雑談、いろいろ質問されるが、最近ちょっと別のことを考えていてすぐ答えが出てこない。

その他、いろいろ勉強。

夜は $ 君が無事到着したので、Fuld Hall まで会いに行く。

日記を書こうと思うと、今日は写真を撮らなかったことに気が付いた。ようやくこちらの生活も日常になったようだ。


May 11 23:57, Princeton

MoMA に射し込む日の光。

土日は二人でマンハッタン観光に行って来た。

土曜は曇。朝は研究所のシャトルバスで駅まで。荷物を出来るだけ減らしていったら、そもそも僕の下着を忘れていたことに気付いて、Penn Station についたらまず Macy's のセールで下着を買うことになった。

次に、昨夏も行った Morgan Library & Museum へ。のんびり見た後、Grand Central 近くにとってあった the Library Hotel なる宿に向かう。徐々に空がかき曇って、ついたころから雨が降りだした。

ここは各部屋に本棚があって、それぞれテーマが決めて本が置いてある。僕らは「百科事典」という部屋。20世紀初頭のブリタニカの抜粋の本があって、ちょうど「日本人」という項目がある。「日本人は常に明るい民族である、なぜなら彼等は微笑を絶やさないからだ」などという、勘違いも甚だしい記述がある。

雨が止むまで少々休憩したあと、地下鉄で Guggenheim 美術館まで。中に入ると今度は外は大荒れになる。

こちらでもまたのんびりとして、Central Park を少々歩いた後、五番街を南下する市バスで窓から観光をしながら宿まで戻る。宿の最寄りのバス停はちょうど市立図書館前だった、結婚式を済ませたばかりのカップルが居る。

夕食は宿の一階のレストランで今回の滞在初のハンバーガー。

日曜起きるとすっかり晴れ。昼すこし前までのんびりしたのち、MoMA へ行く。じっくり見ていると三時頃になる。

地下鉄の五番街駅から E 線で14th St. まで行って、そこからハイラインに行く。ハイラインというのは、電車の高架線が廃止になっていたものが空中庭園になっている。あまりどれくらいの高さか判らずに言ったら、ちょうど三階ぐらいの高さで、大きな木も多数植えてあり、両側のビルの陰も心地良く、気持ちの良いところだった。いろいろな箇所で下に降りられるのだが、徐々に変わる景色が面白く、結局 30th St. にある終点まで行く。

その後は電車でプリンストンまで戻る。夕暮れのゴルフ場を横断して帰宅。外食が続いたので、夕食は軽いのを作ってもらった。


May 9 23:44, Princeton

芝生がたんぽぽの綿毛で一杯です

今日は一日曇。

こちらに来た先週は芝生はタンポポの黄色い花で一杯だったが、今週になるとそれらがほとんど綿毛に変わって、なかなか壮観だ。途中、芝刈り機でやられたりしつつも、強い植物だ。

朝研究所にゆくと、丁度 % と $ が朝のコーヒーを飲みながら雑談をしている。$ が会議に行くのが気が引ける、というのを、% が、Pauli にならって手紙を送って代読してもらえ、とけしかけているところだった。

僕は昨日の計算の細かい確認、また、推薦状を仕上げて、いろいろメールに返事を書く、等。

その間、ときどきコーヒーを飲みに出入りしていたが、昼食後は一日中大黒板の前で # と + と = が議論をしているのがみえた。

昼はひとつセミナーがあったのにも出てみた。

数日前、物理の図書館に「追想の朝永振一郎」という日本語の本が何故かあったので昨日ぱらぱらとめくっていたのだが、そこのプリンストン通信が抄録だったので、今日は本館の図書館まで出向いて、朝永さんの全集の第二巻を借りてくる、こちらは素粒子論研究誌にのった全文が再録されているので。ふと、表紙裏を見ると、Prof. Dyson 寄贈、とある。

夕方は近くの沼の観望台まで散歩をする。研究所の池にも居る黒い鳥で羽の付け根の赤い鳥がこちらには沢山いる。不思議な声で鳴いているので、戻って来てなんという鳥だろうとしらべたら、「red-winged black bird」という英名だそうで、そのままだからがっかりする。和名はハゴロモガラスだそうだが、カラスではなく、ムクドリモドキの仲間だそうである。


May 8 22:50, Princeton

小雨に散る八重桜。

今日は小雨。

朝は日本の * 君をネットで捕まえて、昨日の計算の不審な点を二人で追及する。原因が判った所で昼食。

午後はそれに基づいて再計算、三時のおやつの時間には以前の論文の結果がようやく再現できた。そこで明るい気分で研究所のお茶。

その後は新しい部分を考えるが、これも何とかする方法がみつかった気がする。判った所までを日本に送って、? 君と = 君としばし雑談。

宿舎にもどって、夕食。今日は久々に計算に集中したのか、写真を撮るのを忘れていたことに気付いたので、昼のうちに奥さんが撮った八重桜の写真を貰って日記に貼る。


May 7 23:24, Princeton

古戦場の芝生の青い花。

今日は晴れ、徐々に雲が増える。

朝は + と少々議論。

? のセミナーがある。面白そうなのは伝わって来たが、なにぶん勉強不足でわからないのが情けない。

お茶の時間のあとは、しばらくパソコンに向かって送ってもらったデータを使って計算。はかばかしくない。

夕食前に古戦場まで散歩に行く。


May 6 23:22, Princeton

プリンストンの夕焼け。

今朝はまず研究所で推薦状を四通書いてみる。まあもう少し推敲が必要だが、第一稿としては悪くないと思う。

昼は、久々に物理学科の大テーブルで食事にしてみる。というのは、奥さんが、先日「他の物理のひとはどこで昼食をとっているのか」と聞くので「食堂に四つある大テーブルのうち一つが物理の定位置で、みなそこに三々五々集まって、雑談のような議論のようなことをワイワイいいながら食べるのだ」と説明したところ「では、是非今日はそちらに行って、議論をして来い、折角研究所に来ているのだから」と言ったからだ。

さて、大テーブルに行くと、しばらくして隣に * 先生が来て、「お前はなぜ奥さんとではなくこっちで食事をしているのか」と言う。かくかくしかじかで、と説明する。「というわけで、物理の議論をして良いでしょうか?」と聞くと、「まあ、雑談するわけにはいかんわな。」とのことで、昨年 * 先生と書いた論文の詳細について議論をした。当時判っていた話のような気はするが、一年経って再訪するのも、悪くない。

お茶の時間は、まず、= 先生とすこし entanglement entropy の話をする。その後ぼんやりお茶を飲んでいると、日本人が沢山あつまってきて、雑談。

宿舎に帰る前、ふと、歴史学科の図書館には軽く読める本もあるかもしれない、と思って入ってみた。面白そうな本はあったが、借り方がわからない。以前ここにいたときにも借りたことはなかったろうか。数学科の図書館の使い方はわかるのだけれど。

一度もどって、二人で森を散歩する。夕食。以前ここにいた際の僕の夕食は適当な自炊で実にひどかったから、なんとも有り難い。


May 5 21:50, Princeton

木の根元の白い草花。

今日は快晴。朝は = 君と議論、また、論文の改訂など。

奥さんと食堂で昼食後は、しばらく + と議論のような四方山話のような。

二時半からは大学でセミナーがあるので、奥さんと一緒に = 君に載せて貰ってあちらへ向かう。奥さんは大学の化学科の建物の見学をしている。

セミナー後、街で合流、しばし散歩の後、シャトルバスで宿舎へ戻る。

研究所へもどって、あとはしばらく @ 君に E 弦の話の説明を聞いてもらった。


May 5 07:54, Princeton

芝生に落ちた木蓮の花弁。

日曜は起きると曇。家でのんびり。昼にキッシュを作ってもらった。

そうこうしていると空は晴れて、雲がぽかぽか浮いているぐらいになる。Marquand Park まで行って、春を満喫する。まだ咲き残っている木蓮の大木がある。

あたりをのんびり散歩して宿舎に戻る。研究所のパノラマ写真を撮った

夕食後は二人でなんだか眠くなって、朝まで寝てしまった。というわけで、またこの時間に日記を書く次第。


May 3 21:28, Princeton

プリンストンの虹。林檎の仲間の花。

青空に雲の流れる一日。

朝食の後、研究所の shuttle bus で二人で街まで。大学のキャンパスを軽く回ってみる。八重桜が花盛りで、Frist の近く、一ヶ所並木になっているところは特に見事。教会のあたりにゆくと美しい合唱がほのかに聞こえるので入り口に寄ると、お葬式なので立ち入りはご遠慮ねがいます、とある。

昼食に Chez Alice に行ってドアを開けると、* 君と奥様に出会う。というわけで四人で雑談をしながら昼食。

その後はいろいろ買い物に。久々に Labyrinth Bookstore も入ってみる、奥さんは面白い装丁の料理書をみつけたようだが、旅先で重いからと言うので買わずに出てしまった。

のんびり歩いて帰るころには少々雲が増えて来た。Graduate college の裏で院生がビーチバレーとジャグリングをしている脇を通ると、アジア人の青年がこちらを見ている、なんだろうと思っていると、近づいて挨拶をしてくれた。数年前まで x 大に居て、僕のことを知っていたらしい。

宿舎に戻って、ぼんやり雲のながれて木々に日があたったり影になったりするのをみている。暮れる寸前にちょうど夕陽があたったな、と思っていると、あちらに虹が見えた。あわてて上着を羽織って写真を撮りに出た。

今日は夕食後もまだそれほど眠くならない。というわけで、そのあいだに日記を書く。


May 3 09:17, Princeton

枝垂れ桜。

昨日も夕方前後不覚に寝てしまったので、朝に日記を書く。

研究所では、朝から大人しく日本から持って来た事務用の書類を書いていた。

昼食は奥さんと待ち合わせていると * 君もあらわれたので三人で。

その後は研究所の shuttle bus で Wegman's に買い物に二人で行く。なんとかぎりぎり持てるぐらい大量に買ったが、同時に来ていた人は、到底持てないぐらい買い込んでいて、 shuttle までカートを持って来て直接積み来んでいた。

家にもどって時差ぼけが来た奥さんはしばらく睡眠。そのあいだは僕は研究所にもどってさらに書類、これでほぼ積み残した用事は推薦状を四通書く以外は終わった。

作ってもらった夕食をたべていると眠くなって、いつのまにか寝てしまった。


May 2 07:42, Princeton

プリンストンの草花。

5月1日、朝起きると雨はぱらつく程度になっていた。Palmer 広場の Chez Alice でパンとコーヒーの朝食。シャトルバスで研究所まで向かう。

鍵をもらって、宿舎に。Studio タイプの部屋を借りられた。東京の感覚からすると、二人用でも適度な大きさ。すこしずつ改装しているところのようで、この棟には僕らしかおらず、改装後のこの部屋を使うのは僕らがはじめてだとか。隣の部屋ではまだ工事もすこししている。

そうこうすると空はどんどん晴れて、気持ちのよい天気になる。宿舎のまわりのソメイヨシノは散ったところだが、枝垂れ桜はまだまだ見頃、水仙も美しい。

昼食の時間になったので、奥さんと食堂へ向かおうとすると、+ 君と * 君と巡り会ったので、四人の日本人で昼食。= 先生が僕らをみつけたので、挨拶、奥さんを紹介する。

アメリカの食事の大きいのを忘れていて、ついメインディッシュとスープを頼んでしまい、お腹がいっぱいになる。

食後、一階でのんびりしていると、= 先生に捕まって、さっそく * を加えて先生の部屋で議論をしていて、一段落すると、先生が、いつ結婚したのだ、と言う。先週末ですが、と答えると、じゃあなぜこんな所で僕たちと議論をしているんだ、彼女のところへ行きたまえ!と部屋を追い出された。

と、いうわけで、奥さんはどこかいな、と探すと、ちょうどプリンストンの街にいったところだというので、追いかけても仕方がない、と、+ 君のところで別の議論をしていた。

夕方になって、時差ぼけで朦朧としてくる。ひとやすみすると落ち着いたので、帰って来た奥さんと夕方の散歩。

軽い夕食後、風呂に入ろうとすると、お湯が出てこない。僕は諦め気味だったが、お湯はどこからくるのだ、と奥さんが言う。ちょっと先のあの建物にボイラーがあって宿舎街全体に供給している、と言うと、じゃあずっと流しっぱなしにして、長い水道管の水が全部出るまでどうしようもない、というので、その通りにすると、確かに五分だか十分後にきちんとしたお湯になった。

概して僕より断然果敢で生活力があるので、助けてもらってばかりだ。

夜は眠くなって早めに寝た。朝起きて日記を書く。


Apr 30 22:49, Princeton

4月30日に出発。朝は小雨だったが、徐々に雨脚が強くなる。荷物が多いので仕方なくタクシーで駅まで。

成田でチェックインをしようとすると、ダブルブッキングだということで、プレミアムエコノミーに昇級してもらえた。席がすこし広くなり、まわりに迷惑をかけない読書灯が付き、おやつが一品増えたようだ。13時間の飛行。

JFK 空港につくと、時差のせいでまだ4月30日。さらに強い雨。木々は緑になりはじめたところのようだ。

ホッケーのプレイオフがあるらしく、ニューヨークに行く電車は青いユニフォームを来た人が沢山いる。あまり綺麗でない Penn Station で大きい荷物を回しながらなんとか乗り換えた NJ transit の電車は、いくつかの車両の扉が故障で開かないという案内。自分たちの車両ははじめは大丈夫だったのだが、到着するころには駄目になり、隣の車両にうつってから降りる羽目。

Junction 駅を降りるころも案外の雨、そこからはタクシー。今日は Nassau Inn に一泊。ここまでは散々だったが、街まで来ると、急にアメリカが良いところに思える。

ちょうどマメナシの花が満開だ。夕食は軽く Teresa's Café にて。お店の人に、英語が話せない人扱いをされたので、新鮮に思った。